オシム関連コメント

2008年9月18日 (木)

オシム、CLを語る、2008年9月

200809オシムインタビュー、スカパー!CL番宣番組より
--CLの試合は全部見てますか?
・もちろん。特に新しいと思えるものはおもしろい。どんなビッグクラブでも新しい選手や監督が来れば変化が生まれる。そんなクラブの変革や進歩を見るのが好きだ。だからCLの試合には注目している。CLが現代サッカーの最高峰であることは疑いようのない事実。もはやW杯をも上回っている。なぜなら非常に多くのお金が大会に投じられているし、世界中の優秀な選手が集まっているからね。監督だってそうだ。歴史的に見ても、この大会から新しい戦術が生まれサッカーは進歩してきた。これほど高いレベルを維持し続けているのはCLをおいて他にはない。あらゆるスポーツイベントと比べても、これは凄いことだ。大会のために多くの人や金が動いている。そのことがこの大会をクオリティの高いものにしている。クラブにしてもサポーターのためにも、選手もなんやかんや売ることができない。池の水としてワインなんか入れられないものだ。つまりCLは池と違ってクオリティーがちゃんとしているんだ。だから日本人はCLをもっと見る必要がある

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2007年10月17日 (水)

日本 4-1 エジプト、いろんなコメント

●オシム監督(日本代表):
「今日の試合は、観客も記者の方々もご覧になったとおりで、未発表の原稿のように私の手元だけにあるものではありません。私たちは、試合をするごとに外から見ていては気がつかなくても少しずつ進歩することを目的にやっています。
チーム結成から1年以上がたちますが、ずっと見ている方は中心メンバーはほとんど代わらないことに気がつくと思います。つまりそこが中心的オプションだということです。つまり、高原や中村がいない場合でも、国内選手だけで代表チームをつくることができるということです。彼らが加わったらよりいいチームになるかもしれませんが、大事なのはチームとしてまとまっていくことです。
代表チームはクラブと違って毎日練習できるわけではありません。その中でどうやってまとまっていくかが大事です。今日の試合ではいくつかよいことがありました。コンビネーションもいい部分がありましたが、しかしそこで満足してはいけません。誰かが何か水を指すとか、台無しにしてしまう可能性は常にあります。常にもっとよくなる余地を残しておくのがいいわけです。
その上でメンバー選考がいまのままでいいのか、ということについては大いに議論をしてもいいと思います。しかし、私に好みを変えろとおっしゃってもそれは無駄なことです。私の選んだ選手はよくやっているし、コレクティブなプレーをしていると思います。エジプトは技術が高いチームです。しかし、チームの半分が若手だったために、代表チームとしての慣れの部分は足らなかったかもしれません。しかしその中でも個人能力の高い選手が何人もいて厄介な相手でした。
結果はご覧のとおりですが、それをどう評価するか・・・点差が内容と比べて開きすぎたと思います。彼らにも得点チャンスがありましたし、点差はもっと詰まっていたかもしれません。彼らから学ぶべき点は少なくないと思います。点差が開いても彼らは最後まで諦めませんでした。アグレッシブなプレー、責任あるプレーを最後まで続けてくれました。もちろんそれをやりきることはノーマルなことではありますが。
今日は何か大きいことを成し遂げたと考えるべきではありません。問題は彼らがベストメンバーだったときに同じような試合ができたかということです。もちろん彼らがベストメンバーだったら、我々もより高いモチベーションを持てたでしょう。相手が強ければ、我々も集中力を高めることができます」
Q:この一年は狙い通りの一年だったのか?
「計画が具体的にあったわけではありません。年の初めに考えていたこととは違います。双子を生もうと計画していても6つ子が生まれてしまうこともあるということ。もちろんサッカーでも計画を立てることは可能ですが、実現しないこともあります。だから、今年の初めに『今年の計画はなんですか?』と聞かれたら『わかりません』と答えていたでしょう。あるいは逆に『こういったの計画があります』という話をしたら、それを皆さんが信じたかもしれませんが、サッカーは相手があるスポーツですから、計画通りには進みません。こちらの計画を台無しにしようとする相手に対して、計画通りにいくわけはありません。どこまで来たかということが話せるくらいなら、先のことも話せるわけで、私はそんなにクレバーではないし、預言者ではありません。
まぁしかし、いくらかは進歩していると申し上げておきましょう。ゲームの進め方の密度は濃くなっているし、サッカーらしいプレーをしようという試みはしようとしています。それらのよいことがゲーム中におこるようになってきました。しかしそこで喜んではいけません。初歩的な達成はすぐに台無しになることがあるからです」
Q:3人交代したが同時に変えたのは狙いがあったのか?今野を左で使ったが、今後もあのポジションで使いたいと考えているのか?
「今野は橋本と同じタイミングで投入しましたが、彼は出場機会があるなしにかかわらず、長い期間をともに過ごしてまじめにやってきました。チーム内での競争があるので、これまであまりチャンスがなかったが、彼らも含めて11人以上のレギュラーというのを私は考えています。つまりこちらが信頼できる選手がたくさんいるということを目指しています。
選手たちは好みではないポジションも喜んでやる準備ができているということです。だから、今回の選手交代を純粋に戦術的な交代と考えないでください。彼らのまじめさに対する褒美であると考えていただいてもいいです。自分のクラブのポジション以外でもできるということをみせてくれました。もちろん、今野はこれまでも駒野のポジションに入った実績があります。返す返すも残念なのは3人しか交代できないということです」

●シャウキコーチ(エジプト代表):
「今日は、とても進歩した日本のサッカーを見せてもらって光栄でした。この時期、とても大事な試合だったと思います。今回は主力選手、特にアルアハリの選手が来日できませんでした。それにもかかわらず、いい試合ができたといえると思います。ボールを支配していたということは明らかでした。エジプトにもゴールを決めるチャンスがありましたが、全てのチャンスを生かせなかったのは残念でした。
それでも日本のファンもエジプトのファンも、いい試合を見られたといえるのではないでしょうか。サッカーはファンが楽しんでくれることが大事です。また今度、日本またはエジプトで対戦する機会もあると思いますので、それを楽しみにしています。日本のサッカーはとても進歩したという印象をもちましたので、われわれも努力していきたいと思います。日本はとても組織的で、近代的なサッカーをしていました。我々のチームには国際戦にはじめて参加した選手もいたので、強い日本代表から学んだ点も多くあると思います」
Q:今日、日本代表で印象に残った選手は?
「日本の選手はみな結構印象が強いが、大久保選手が特に印象に残りました。エリア内での動き方、監督から教えてもらったテクニックを実践すること、他の選手との協力の仕方や、決定力。世界的に有名な選手になってくるのではないかと思います」

●田嶋幸三専務理事:
「(4-1の勝利?)久々に選ばれた(大久保)嘉人と(前田)遼一が結果を出してくれたことに満足している。ハードスケジュールの中、実際に合宿期間も短くなり、厳しい状況の中、選手たちがいいパフォーマンスを見せてくれた。惜しむべきは1点を取られたくなかったけど、まあいい試合をしたと思う。
(全体にシュートへの意識が高まった?)(嘉人たちの)ああいう姿勢は周りにも刺激を与えたと思う。今日はパスもアグレッシブで正確性が高まり、オシムさんのやろうとしているサッカーに近づいているという印象を受けた。(アジアカップの反省もあったからか?)あの時は暑い中、リスクを冒さずに戦うということで、ああいうサッカーになった。必ずしも同じじゃない。寒くなればそれなりのサッカーになるし、コンディションによって変わる。ボールを失わないことを重要に考えてはいる。
(今年の総括は?)ワールドカップが終わり、最初は国内組中心に若い選手を多くしてチーム強化を始めた。オシム監督のチーム作りは、高原や(中村)俊輔を入れるタイミングにしても、綿密に練られている。アジアカップにしてもパーフェクトではなかったけど、ベスト4という結果を残し、我々のサッカーを展開できた。ジーコ監督から変わって1年目としては、少しずつ目指すサッカーに近づいていると思う。(課題?)来年2月6日にはワールドカップ予選が始まるし、いかに国内組と欧州組を融合させていくか。今は30人以上ノミネートできる状況だし、いい形でワールドカップに向かっていきたい」

●大久保嘉人選手(神戸):
「落ち着いてやれたし、今日はたのしかった。(長居のお客さんも沸いていた?)俺だけのせいじゃないと思う(笑)。ゴールシーンは1点目はワンタッチで打った。DFがついてこなくて、結果瞬間に入ったと思った。ああいうシュートは1年に1回(笑)。2点目はいいボールが来た。DFでボールが見えてなくてギリギリかぶったけど、うまく頭があった」
Q:代表デビューから4年4ヶ月ぶりのゴールですが?
「そういうのは意識してなかった。すげえうれしいってわけでもないし。ジーコ時代のことは覚えてない。(今日は割り切ってやった?)毎回そうですよ。(ゴールへの意識が高かった?)DFがあんまり来てなくて、どんどん打とうと思った。(来年につながった?)点を取ったことはアピールになってると思うけど、その先のことは分からない。代表はリーグ戦の活躍があってこそ。Jリーグで結果を出していくしかない。(どんなタイプのFWか?)俺は何も考えてないFWですね(笑)。カメルーン戦と今日は違うし、今回は今回だから」

●鈴木啓太選手(浦和):
「自分自身、もう少し守備とビルドアップの両方をアップさせていかないといけない。2人のボランチのお互いがどっちかしかできないということではなく、両方できないといけない。それでプレーの幅も広がっていく。自分がレベルアップすることで、代表のレベルアップもある。自信をもってやりたい」

●川口能活選手(磐田):
「いい形で点も入ったし、ボールも支配できてよかった。セットプレーの失点はしょうがない。注意していたけど、相手もうまくタイミングよく入ってきたし。ミーティングでも集中して守ろうと言っていたのに、アンラッキーだった。でもその後すぐに集中して流れの中では取られることはなかった。こういう試合は課題が残った方がいい。出来すぎもよくないし。つねに何か課題があった方がチームは伸びる。(今年1年間の収穫と課題?)収穫はやろうとしているサッカーが少しずつ進歩していること。ボールを失わずに速い攻めもできるようになり、よくなっている。ビルドアップの意識も進歩している。課題はセットプレーの失点。失点はほとんどそれ。神経質になりすぎるのもよくないけど、切り替えて分析していく必要がある。意識だけでも次にやられないようにしたい。90分間の中での守備はよくなってきた。(今年は無失点試合が少なかった?)今はそういう時期かもしれない。点を取られるのはDFやGKの宿命。ゼロに抑えられればラッキーなくらい。自分たちのやろうとしていることがやれればいい」

●前田遼一選手(磐田):
「嘉人(大久保)はタメもできてスピードもあるからやりやすかった。2人の中では適当でいいでしょうという感じだった。練習の時から嘉人と2トップでやることが多かったんで、やりやすかった。(スタメン?)スタジアムに着いてから言われた。全力を出すようにと指示された。(A代表初ゴール?)それはうれしいけど、それ以上に決定機を外している。簡単に入るシュートが多すぎた。FWは結果が大事だし。点を取りたいと思っていた。でもまずJリーグでいいプレーをしないと代表には呼ばれない。帰ってからいいプレーをすることが大事」

●遠藤保仁選手(G大阪):
「結果的にいい形で勝ててよかった。課題とかうまくいかないことはいっぱいあったけど、でもいい形で締めくくれたとは思う。(その課題は?)まだミスが多いし、これから攻めに行く時の1本目のパスの展開がうまくいかなかった。その辺が課題。それとセットプレーで点を取られた。不用意に相手にファウルを与えないことの重要性を再確認できた。余計な失点を与えないことは大事。
Q:大久保選手が21試合目の初ゴールだったが?
「最初は拮抗した状態で、こっちも決定機を作れなくて、もやもやした感じはあったけど、あのゴールで優位に進められた。(大久保)嘉人にとってもチームにとっても大事な先制点だったと思う。(2点目へのクロス?)ドフリーでしたし、マーカーもルーズだったんで、いいボールが蹴れてよかった。(今年を通じての課題?)激しいプレッシャーの中でいかに戦っていくかということ。スイス戦の前半なんかそうだった。激しい中でのボール回しに磨きをかけないといけない。セットプレーもそうだしもっと決定力も上げないと」

●中村憲剛選手(川崎F):
「(今日の収穫?)メンバーが多少代わりつつも、オシムさんのやってきたことができた。FWが点を取ったことがよかった。それでチームに勢いが出てくるから。この3日間、タテにボールを入れる意識を監督もコーチも口をすっぱくして言っていた。FWにもいい形でクサビが入っていたし、いい感覚でできていた。今日はみんな前を向こうと言っていたけど、そういう形でできたと思う。課題は失点。FKのところもパスミスが3本続いてから取って取られる形になった。あの時間帯はタメを作れなくて、押し込まれてFKになった。前半はボールが前に入って押し上げられていたのに、あの時間はパスミスが増えてしまった。(自分自身?)いつも通りボールを受けて当てたりサイドを変えたりボールを蹴ったりしながら、やりやすいようにやった。比較的自由にやれたと思う」

●加地亮選手(G大阪):
「前半押されながらも点が入って、気持ち的にもラクになった。いい時間帯に入って流れ的によくなったけど、ミスが多かった。前にボールをつなぐ段階でミスが出て、攻撃の形が作れない時間帯が多かった。(久しぶりのゴール?)あまり取ったことがないから、たまにはいいでしょう(笑)。(大阪での試合?)地元でやるということで、いいところを見せたかった。(両サイドからの攻めもバランスがよかった?)相手は技術が高いんで、こっちはディフェンスから入って攻めてきたところの裏を狙う作戦だった。でもボールを奪ってからのつなぎがもう少し丁寧にできればいいと思った。(今年最後の試合?)結果的にはよかったし、次につながる。来年はワールドカップ予選が始まるし、予選は長い。しっかり気持ちを持って、戦い抜けるように持って行きたい」

●藤本淳吾選手(清水):
「今日はやっていて楽しかった。こんな感じは久しぶり。今日みたいなパフォーマンスを90分間やって、チームでもポジションを取り戻したい。最初は右サイドに入っていたけど、中澤さんからあまり張りすぎると加地が上がるスペースがなくなるから内側に入れと言われた。ディフェンスラインが引いていたので、左サイドまで出て行った」

●阿部勇樹選手(浦和):
「自分としてはだいぶチームが形になっていると思うけど、まだ90分間その形を続けることができていない。そこに不満を持っている。でも今年1年チームが進歩したことは間違いない」

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2007年10月16日 (火)

日本vsエジプト、前日コメント

●オシム監督(日本):
「会見の前に、協会の対応について一言申し上げたいと思います。監督会見と選手のミックスゾーンの時間が重なっているが、これは選手にも協会にもよくないのではないでしょか。記者のみなさんも、監督担当、選手担当と分かれてしまうのはよくないのではないですか? こちらはいいのだが、記者のみなさんは困るでしょう。こちらは記者が1人しかいなくても喋ります。そうでなければ、もう少し会見場のイスの数を減らした方が、雰囲気はよくなるのではないですか(笑)」
Q:エジプトは主力が欠けているようだが?
「『代表チームはつねに同じメンバーであるべき』というルールがあるわけではありません。エジプトがメンバーを変えてきたからというわけではありませんが、こちらもメンバーを変えることはオプションとして可能です。前回の試合から11人をエジプトは変えましたが、日本もそうすることは可能です。つまり、8月のカメルーン戦やオーストリア遠征のメンバーと、明日の先発メンバーを入れ替えることはできます。しかし、エジプトはエジプトですし、こちらは日本代表です。エジプトにしろ日本にしろ、同じメンバーでなくても11人以上のメンバーで代表を形作っています。しかも普段は控えに甘んじている選手が先発に選ばれた場合、レギュラーの選手よりもモチベーションが高いことが多い。それが普通です。エジプトはそうなるかもしれないし、こちらもその可能性はあります。明日の試合ではこれまでの代表の試合でチャンスのなかった選手にチャンスを与えるかもしれません」
Q:今回のように準備期間が短い中でこういう試合をする際、これまでの経験をどう生かそうと考えているか?
「この試合の前に、本当はもう少し日数をかけたかったんです。そういう計画はありました。ナビスコカップ組をを除いて、他のチームは余裕があったので、活用できないかと考えました。実際、『ぜひそうしてください』と協力してくれそうなクラブの方が多かったんです。が、浦和にとっては簡単ではなかった。浦和の状況を考えたら、彼らは2つ以上の戦線で戦いを続けています。ACLでは準決勝まできていてチャンピオンになれるチャンスがあります。一般論ですが、代表監督は各クラブと戦争するよりも平和である方が得策です。合意の上で計画を進めるべきなんです。なぜなら、代表チームは各クラブの選手に依存しているからです。しかし同時にクラブや選手にとっては、代表に選ばれることが、世界で注目されるかどうかの基準になります。ですから、両者がよい協力関係を築くことは損ではありません。あるタイミングでは代表が、あるタイミングではチームなりクラブなりが犠牲になるし、負担が大きくなる。そのタイミングでのプライオリティがどちらにあるかは適切に判断します。今回はそういう事情だったが、だからといって浦和よりも代表の価値が劣っているわけではありません。いずれにせよ、(ACLで)浦和がチャンピオンになるチャンスをモノにすれば、日本サッカー全体にとってはチャンス。つまり、A代表だけが日本代表なのではなく、U-22代表にしても、浦和にしても、日本のサッカーを代表しているんですから」
Q:準備が短くなり、今回はどういう目的をもって試合にのぞむのか?
「頭の中では試したいことがいくつかあるが、ここで話してしまうと選手に余計なプレッシャーになるので細かい話は差し控えたいと思います。お話できるのは、代表を作る中心的なグループに加わっている選手の数を広げたいということ。つまり11人だけがレギュラーではないし、もっとたくさんのレギュラーがいる状況を作りたいんです。いつも中村俊輔や高原や稲本などの欧州の選手が使えるわけではありません。彼らも年齢的な問題があって、いずれ使えなくなる時がくるでしょう。川口や中澤といった年齢が上の選手の後釜も考えないといけません。誰が出ても見劣りしない、そういうバックアッパーのグループを作る必要があります。その時はみなさんの意見も参考にしたいと思います。代表について、いつも気持ちのよい記事が書けるような、そういうチームにしていきたいと思います」
Q:この時期に試合をやる場合、リーグ戦による疲れもある。選手の所属クラブによって事情は変わってくるが、選手がフレッシュであることも選考の材料になるのか?
「おっしゃる通り、リーグも終了間際で疲労も蓄積しているわけですが、シーズンの何月に試合をやろうが、ある程度の困難はつきものです。それを乗り越えるために、選手がどれだけ意欲をもってやっているか、自分自身のモチベーションを高める能力があるかを観察する機会でもあります。代表はいつでも全力を尽くしてやる必要がある。しかし何を話しても、言い訳に聞こえるかもしれません。今日は試合の前日。コンディションやタイミングについて、これこれがよくないと話すことは言い訳になるのでやめにしたいと思います」
Q:交代枠がいつものテストマッチにように6人ではなく、3人になったことでゲームプランはどう変わるか?
「3人というのは公式戦ではノーマルです。が、なぜこのタイミングでAFCが口出ししてきたのかは理解できません。先方の監督も選手をできるだけ多く試したかったはずです。でも私はあまり気にしてはいません。先発の11人で最後まで戦えるのが理想だと考えるから。それは別にして、責任のあるAFCが決めたことなら、それは従うしかないと思います。同じアフリカでもカメルーンと試合をした時には、彼らも大陸王者経験者だったのに、交代枠が3人までという制限はありませんでした。今回に限って3人までという理由が分かりません。とはいえ、相手もそういう制限を受けるので、イーブンです」

●ハッサン・アリ・シェハタ監督(エジプト):
「今日このように厚く迎えていただきありがとうございます。日本に来ることをエジプトの選手も私もうれしく思っています。エジプトのいいサッカーをみなさんに見せるためにやってきました。明日対戦する日本代表はアジアでも強いチーム。アジアカップでは残念ながらうまくいかなかったが、とても強いチームだと認識しています。明日はアフリカを代表してきたという意識を持って、いいプレーをみなさんにお見せしたいと思います」
Q:アルアハリの7人と欧州の2人が来日しなかった理由は?
「アルアハリの7人と欧州の2人が来ないというのは私が決めたこと。個人的な判断だ。アルアハリの選手たちはアフリカカップを戦うのに忙しい。12月のFIFAクラブワールドカップに3年連続で来日できるように集中した方がいいと私が判断した。アルアハリの戦いはエジプトを代表することであり、代表チームとしても応援すべきこと。日本のチーム(浦和)もアジアチャンピオンズリーグで試合をすることになっていて、主力4人が出場しないと聞いています。選手たちに来なくていいと言ったのは私の判断です。だからといって、今回来日している選手たちが二流ということはなく、みな一流です。明日の試合には適切な選手たちだと信じています。9人が来ないことが明日の結果に影響することもないと思います。逆に力を見せてくれるのではないかと思います」
Q:今回のメンバーで見てほしい選手は?
「この質問に答えると、オシム監督にこの選手に注意してくださいと言うことになる。明日はエジプト全員のプレーに注目してほしいです」
Q:日本のビデオを見て印象は? 決定力など全体にどう思うか?
「ビデオはあまり見ていません。アジアカップを通してよく観察しましたが。最後に見た試合はスイス戦(オーストリア遠征・3大陸トーナメント)。日本の選手たちはスピードと体力があるというのが第一印象です。それを踏まえてエジプトの選手にも技術練習をさせました。明日はエジプトのファンにも日本のファンにもいいプレーを見せるために、日本の強いチームに対していい試合をすること。それが目標です」
Q:エジプト代表はアフリカネーションズカップを目指しているが、アルアハリの選手が来日しないのはチーム強化にとってマイナスだと思う。今回の試合の位置づけは?
「先ほどの質問の答えを言い忘れましたが、9人が参加しないことを心配して、この試合を延期してもらおうかと思いました。でも9人がいないことでキャンセルするのではなく、他の選手も強化していく必要があると思いました。エジプト代表が弱いということではありません。知られていない選手のプレーが明日、注目されるでしょう。今回のチームには18~20人の選手がいますが、その他にも30~40人の選手がいて、ケガ人が出た場合には代わりの選手もいます。明日の試合にもその中の選手が出るので、どうぞ見てください」
Q:DF4人、FW6人の登録だが、明日のゲームの戦い方は? どう考えているのか?
「その質問に具体的に答えることはできませんが、ご存知の通り、エジプトは攻撃的なプレーが特徴です。昨年のアフリカネーションズカップで優勝したのも、攻撃的なプレーを貫いたからです。守備を強めるためには中盤の枚数を増やすのも1つの考え方。それでFWを6人、DFを4人にしました」

●駒野友一選手(広島):
「相手のビデオを見て、ディフェンスラインとFWの間が結構空くと思った。前からプレスをかけてくるけど、後ろがついてこない。だから僕らは前へボールを動かすことを意識したい。つなぐところはしっかりつないで、奪って、相手より前に走りこんでいければいい。そのへんを体にしみこませて、いろんな状況でやっていくことを考えたい。
(エジプトの印象?)しっかり後ろからつないで、自陣のペナルティエリア付近でも慌てて蹴らずにつないだり、ドリブルしたりしてくる。前からプレスをかけていけば、いいところで取れる。ボールをつないでいるうちに失うことも多かったんで、プレッシャーをかけてついていければいい。(アウトサイドからの攻め?)自分が得点に絡むシーンは確かに少ないし、この大会でいい形に持っていきたい。チームとしても自分としてもいい形で終わって来年につなげたい。相手のシステムは3-5-2と4ー4-2の両方ある。試合当日にならないと相手の形も分からない。どう対応できるかが問題」

●山岸 智選手(千葉):
「エジプトは結構つなぐチームだった。1人1人の能力が高くて、ボールも持てるし、前の選手にでかくていい選手がいる。でもアルアハリの選手は全然来てないんですよね。(2003年のワールドユースで対戦した?)あの時も1人1人がでかくて、技術がしっかりしている印象だった。海外のチームはみんなそうだけど。それとアフリカのチームはスピードもある。それを組織立ってどう止めるかがポイントになる。(前線と最終ラインで2対2や3対3の練習が多かった?)僕らが奪った後、どれだけ前に当てて組み立てていくかが今回の攻撃の狙い。意識付けの練習だった。(タテの意識が高かった?)横、横というパスになるとスピードの変化が出てこない。タテに入るだけでスピードアップできることが大事だと思う。自分が入ったら、前線で落としたボールを逆サイドでもらうイメージでやろうと思う。真ん中はどこの国も強いし、サイドをどう崩すかが1つのポイントになってくる」

●大久保嘉人選手(神戸):
「(久しぶりの長居スタジアム?)久々ですね。去年の最後の方は長居第2だったし、ここでやるのは1年くらい経っているかも。でも別に変わってませんけど。(今日は前田と2トップを組んだ?)特に注意することとかなく、何も考えずにやった。(先発の可能性?)うーん、たまたまああなった組み分けでしょう。でも遼一(前田)とやると、キープできるし、パスもできるし、動いたらボールが出てきそうな気がする。やりやすい。エジプトはパス回しがうまいチームだと思った」

●鈴木啓太選手(浦和):
「エジプトは1人1人うまい。ヨーロッパにも近いし、アフリカでもあるし、アラブの血筋もある。それがうまく融合されてる感じ。アジアではサウジに近い感じかなと思う。どうなるかはやってみないと分からないけど。(この試合で確認したいこと?)チームとして今年はアジアカップの後、カメルーンやオーストリア、スイスという比較的強いと言われているチームとやった。その中で2勝1分という結果だけど、内容は明らかに足りなかった。それをどれだけこういった場で確認できるか。それからワールドカップ予選に向けて大事な試合。今、やっている方向をしっかり確認したい。(これで今年55試合目くらい?)そういうことは1年通してやって、ああこれだけやったんだと思えればいいこと。今は明日の試合に集中したい。相手のシステムもやってみないと分からない。でも僕はポジションうんぬんはあまり関係ないと思う。サイドに何人選手がいるかじゃなくて、3人必要なら3人いればいい。崩せるならどんどん攻撃に参加すること。リスクをケアしながら、今やるべきことを考えていくべき。守備に関しては1対1が基本だし、非常に重要。守れるならそれでいいんだけど、上のレベルとやったら勝てない。周りが助けることが大事。スイス戦も失点しているし、修正しないと」

●遠藤保仁選手(G大阪):
「(明日の最大のテーマは点をとること?)確かにそう。基本はサイドからできるだけ数的優位を作っていくこと。今年最後だし、特に前の選手が勝負を仕掛ければいい。貪欲にシュートを狙っていけばいい。(自分自身も今年1点?)そうですね。代表ではまだまだ点が少ないし。もっとシュートを狙わないと。前目だし、積極的に行く必要がある。それプラス、連動して動くこと。個人の力でいければいいけど。2人3人と絡めばチャンスは作れるし、必ず相手も崩れる。それをやり続けていきたい。(FKのトリックを練習していた?)毎回やろうとしたらできるけど、難しい。状況を見つつ、1つのオプションになれば有利に進められる。状況を見てやっていきたい。(明日は2トップか3トップか分からない?)オシムさんはもともと急に変わることが多いし、失点しないことがまず第一。お互いいいところを出し合えればいいし、フォーメーションは関係ない」

●今野泰幸選手(F東京):
「エジプトのビデオは練習前に見た。技術があって、しっかりボールをつないでくる印象だった。システムは固定しないみたい。3トップだったり、2トップだったり、4バックだったり、3バックだったり。そのあたりは試合の中で対応していければいい。(今日もセンターバックがマンツーマンだった?)そうとは限らない。練習に関してはどちらかといえば攻撃だった。ボールを取った後に早く前に当てろと言われていた。(疲れ?)他の人のことはよくわからないけど、自分はあまり感じていない」

●播戸竜二選手(G大阪):
「(久々の代表戦?)何か特別なことがあるわけじゃないけど、楽しみは楽しみ。(背番号は11番?)別にない。(佐藤)寿人がいないからだろうし、俺はいつも余り番号だから(苦笑)。それにちゃんと名前が入ってるわけじゃないしね。(FWは2トップと3トップに分かれていた?)特に監督からの指示はない。それは毎度のこと。誰でもどこでもできるようにということだと思う。そんなに意味はない。(エジプトのビデオ?)コートジボアール戦を見た。相手にドログバやカルーがいたから(笑)。エジプトのことは分からない。ただ、そのコートジボアールに0-0だったから、間違いなく力はあると思う。(積極的にプレスをかけていた?)チャンスがあったらどんどん行きたい。前からボールをを取りにいって監督から褒められたし。褒められるのはそのくらい。そこを頑張らんと」

●山瀬功治選手(横浜FM):
「エジプトのビデオは一応見た。個人個人のイメージは見る限り。来てない選手もいるから実際には違うのだろうけど。チームのコンセプトは人が変わっても一緒だと思う。主力が来てないことは問題ではない。しっかりとボールをつないで組み立ててくるチームという印象だった」

●中澤佑二選手(横浜FM):
「今年最後の試合。失敗を犯さない試合にしたい。相手のメンバーに関しては誰が出てきても変わらない気持ちで試合にのぞみたい。相手がどうこうではない。仮に僕と阿部ちゃんがセンターバックに入るのだったら、アジアカップのような失点は絶対にやってはいけない。ワールドカップ予選が始まるし、来年は始動も早い。今回も予選を見据えた試合ということで、気持ちの部分でしっかりやりたい。ワールドカップ予選を経験している選手が引っ張っていければいいチームになると思う」

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2007年9月11日 (火)

スイス 3-4 日本、いろんなコメント

●オシム監督(日本代表):
Q:なぜ最初からあのようなプレーができなかったのか?
「説明するのは難しいです。ハッキリ言えるのは、我々がオーストリアに遠征して欧州のチームと戦ったということ。みなさんもご存じでしょうが、特にスイスはそれほど知られていないチームではありません。最近はオランダやアルゼンチンと対戦して非常にいい成績を残しているし、欧州でもかなりレベルも高いチームです。こちらの選手たちもスイスのチームや選手についての情報は持っていましたし、試合前にそれほど細かいことを言わずとも、それなりの知識がありました。
 試合序盤は、もしかすると、日本の選手が相手のことをリスペクトしすぎていたのかもしれません。もちろんスイスは最近、いい結果残している。それで相手を恐れていたというわけではないでしょうが、リスペクトしすぎていたのかもしれない。選手には当初、戸惑いがありました。コンビネーションを重視するのか、キープをするのか、守るだけなのか…。守るだけというのは非常に難しいですが。相手のFWも非常に背が高いわけだし、守るだけではやられていたと思います。残念ながら最初の2失点は、非常に安っぽいものでした。相手に簡単に機会を与えて、こちらがミスをしてしまったということですが、0-2からこのような結果を残すことができたことについては満足しています。
 正直、ここまでいい結果を残せるとは思ってはいませんでした。2失点した後、ある程度チームプレーが向上して、チームとしてのまとまりを証明することができた。それはよかったと思います。ハッキリ言えるのは、日本が1対1での状況で勝つのは難しいからこそ、数的有利な状況を作り出してプレーしないといけないということ。自分たちの武器として、これから磨いていかないといけない組織力、それからコンビネーションプレー、そして相手チームよりも多く動くこと…、こうした部分をより多く見せることができたと思います。

(ここでオシム監督の携帯電話が鳴り出す)私の妻が『今どこにいるのか』と聞いています(笑)」

Q:ハーフタイムの指示は? 特に相手にリスペクトしすぎたことについては?
「もちろん、論理的に指示を出せれば一番いいのですが、実際には選手たちにそうは言いませんでした。怒って指示をしたんです。欧州の選手ならダイレクトで指示を出すことができますが、日本人相手に怒りながら、感情を出しながらメッセージを与えるのは難しいです。後半に改善されたいくつかの点はあったが、実際には前半の25分からチーム状態は向上したと思います。
 スイスにとっては危険な状況だったと思います。比較的早い時間帯に2点を取って、ある意味、安心してしまったのですから。そこで1点を返されてから、心理的には難しい状況になったのかもしれません。日本としては、もちろん後半がよかったというのは正しいことですが、前半25分くらいから、ゲームをコントロールするという意味で、スイスと日本の立場が逆転しました。このように前半と後半があまりにも違うゲームというのは、10年に1回くらいのこと。正直なところ、自分としては2-4で負けていても許していたと思います。
 重要なのは、どのような試合をするか、どのような勝ち方をするか、どのような負け方するかです。最終的なスコアというのは、そこまで重要ではありません。ただし、最後に思っていたのは、軽々しいプレーはできる限りしないこと。もちろん、攻撃に関しても、守備に関しても、できる限り効率的なプレーをすること。それが重要だと思います」
Q:スイスという強いチームと対戦したことで、チームに新しい力は見えたか?
「確かに、相手のレベルもあることなので、信じられなかった選手たちの一面が見えることはあります。それはいい面でも、悪い面でもあります。例えば、中村俊輔を前半で交代させようかと考えることがありました。しかし、ロッカールームで選手たちの様子を見ていて、それでまた判断が変わることもあります。松井についても、前半いいシーンあったけれど、それ以外のプレーについてはどうだったか…。ハーフタイムの様子を見て、そこで選手を代えるのかどうか。監督としては、後半の3分、4分、5分くらいはトライさせてみたいと思いました。このまま前半と同じように、いいプレーが見られないかもしれない。そうすれば交代しよう…。そう考えて選手をピッチに送り出すと、突然、人が変わったようにいいプレーをすることがあります。サッカーとは難しいもので、どのような状況になるのか全く読めません。後半は自分たちにとって非常にいい展開になりました。全体にスペースが多くあったし、比較的簡単にボールを回すことができました。ボールがないところでの動きもよかった。最終的に自分たちが勝つことができたわけですが、得点というのはあくまですべてのプロセスの結果。運がよかったこともあるし、場合によってはとてもクレバーなシーンもあったかもしれません」
Q:オーストリア、スイスと対戦して、いい内容で試合を終えることができた。この結果によって、日本の評価もよくなり、今後もマッチメークもしやすくなるのでは?
「おっしゃる通り、このような試合をすることで、欧州でのマッチメークは楽になるでしょう。ただし、日本にとって最も重要なワールドカップ予選を突破するためには、欧州ではなくアジアの相手と戦わなければなりません。アジアには欧州とは全く異なるメンタリティ、文化、プレースタイルがあります。
アジアには旧ソ連の国々、アジアの国々、インド、マレーシア、インドネシア、香港、台湾などいろんな国々があり、こうしや相手と日本は対戦しなければいけません。プラスアルファとして、オーストラリアというまったくメンタリティと文化の違う国も追加されたんです。日本代表はある意味、アジアで勝つことを義務づけられています。日本という国は世界的に見てもカリスマをもった国だと思います。だからこそ、いろんな国のチームがライバル心をもって挑んできます。
そのような非常に難しい状況の中、いろんな要素も含めて、相手が私たちとの対戦を楽しみにして、モチベーションを上げてきます。日本は孤独な中でやっていくことになります。その場合、ポジティブになるかもしれないし、ネガティブになるかもしれない。近い将来、日本の力を一気に付けることは難しいかもしれません。日本がアジアで実力を伸ばしている唯一の国ではないですから。
欧州のみなさんはあまりご存じではないかもしれませんが、アラブ諸国をはじめアジアの国々はどんどん力を伸ばしている。イエメンであったり、ブータンであったり、インドであったり、欧州でほとんど知られていない国であっても、彼らもいいサッカーをしています。特にアラブ諸国はいい監督を招へいして、非常に速いスピードでレベルをアップさせている。アジアで勝ち抜くということは欧州とは違った難しさがあるんです。そこで私たちが勝ち抜いてこそ本当の価値があると思います」
Q:この大会で優勝できたことについては?
「もちろん勝てばうれしいですよ。残念ながら受賞式の写真を撮らなかったので、みなさんの写真を期待しています(笑)。0-2から追いついて勝てたことについては、チームのモラルがいいという証明にもなるでしょうし、それ以外の要素もあったと思います。幸運もあっただろうし、相手の選手がいることを忘れてはなりません。相手は2-0でリードしていたわけで、最後までボールを回して試合をコントロールできたかもしれない。にもかかわらず、彼らは違う判断をし、失点した。パニックとはいわないが、こちらの方試合を有利に展開することができたのです。つまり、スイス人も人間だということなんです」
Q:選手たちが「後半にスイスの足が止まった」と言っていたが?
「簡単な答えは『偶然』ということです。そうすれば長く話す必要はありません」
Q:偶然で済むなら、監督いらないのではないですか?
「その通りです。全てが偶然だけなら、サッカーに監督は必要ありません。ですが、偶然についてもいろいろ哲学することできます。どんな偶然も、自分たちがサポートすることによって、幸運を自分たちのほうに引っ張ることができるんです」
Q:昨日の会見で「こういう強い相手と戦うことは、どの程度のリスクを冒すかという判断を磨く機会となるだろう」といっていたが、リスクの掛け方についてはどうだったか?
「前半の初めはまったくリスクを冒しませんでした。そのため、日本の選手は罰を受けました。が、後半は神風のようなプレーをしたので、最終的には勝つことができました。簡単にまとめると、こうなります(笑)」

●ヤコブ・クーン監督(スイス代表):
「まず日本チームを祝福したい。今日は観客にとって興味深い、非常にいい試合になったと思います。もちろん監督としては、これほどスリリングな展開というものは望んではいませんでした。いくつかの大きなミスもありました。ビデオを見て、もう一度さまざまな角度から分析したいので、ここで選手を批判することはしたくありません。今日、7つもゴールがあったというのは、それだけ多くのミスがあったということでもある。これからチームのコーチ、スタッフと一緒に、それらのミスを分析して、改善のポイントを探していくことにしたいと思います。
 特に前半と後半のプレーの差が大きくなってしまった。前半に関しては3点目を奪うチャンスがありましたが、残念ながらオフサイドの判定になった。自分としてはオフサイドだったとは思いませんが、そこは審判の判断を尊重しなければなりません。審判よりも自分たちの選手がどのようなミスをしたかということを分析すべきでしょう。前半のスイスは、非常にいい、自信をもったプレーをしていました。後半、日本に1点を返されたことによって、心理的な影響をうけ、自分たちのパフォーマンスが低下したのだと思います。
今回の10日間のオーストリア遠征は非常に重要でした。我々はユーロ2008のホスト国で予選はないが、選手にはまだまだ厳しい競争があります。2008年春に最終メンバーを決める際には、今回のオーストリア遠征での選手のパフォーマンスが重要な参考になると思います」
Q:交代でチームのバランスが崩れたが?
「我々の最大の目標は、ここでいいプレーすることではなく、ユーロで素晴らしいチームにするということです。そのため、全ての選手にチャンスを与えることが必要だった。彼らは自らのパフォーマンスを見せる機会が得られたでしょう。こうした過程の中で、スイス代表として最も素晴らしい20人のフィールドプレーヤーを選ぶことが重要なんです」
Q:失点のきっかけを与えたベーラミについて?
「私のポリシーとして、このような場で選手を批判はしたくありません。冷静に、客観的に今日起きたミスについて分析し、それについてディベートして解決方法を見つけていきたいと思います。もちろん選手たちのパフォーマンスのレベルの違いもあったが、重要なのは、こちらがチームとしてまとまることです」
Q:前半25分くらいから日本が盛り返した理由は?
「そこまで時計をみていませんが、前半はこちらがよかった。いくつか選手交代があって、チームのバランス崩れ、パフォーマンスが悪くなったかもしれません。ですが、何度もいうように、われわれの最終目標はユーロです。このような親善試合は、もちろん勝つことも重要だが、様々な選手を送り出し、それをチェックすることも重要なんです」

●中村俊輔選手(セルティック):
「(前後半で全然違うサッカー?)ウチが変わったというより、相手が落ちたというか。ヨーロッパのチームにはよくあることだけど、前半飛ばしてて、スコットランドもそうだけど、後半は止まったりするチームもあるから。左サイドバック(3番)が変わったのもあるけど、向こうが少し止まったのはある。
(スイスの入り方?)あれは日本の理想だと思う。みんなが連動して守備をするから、誰が誰をマークするって形じゃなくて、ちょっと5mずれるだけでプレッシャーがかかっている。日本は1人について、それからやっとプレッシャーをかけにいく。そこらへんが違う。前半の方が収穫はあるね。
(前半のボール回し?)うーん、裏に出ようという発想もあるけど、そのタイミングでパッと誰かが裏を向くかという問題もある。走るタイミングも作りづらい。逆に顔を上げて見ると誰も走ってないってこともあったし。そのへんが形になってくると、ああいう相手でもいろんな攻撃ができると思う。
(後半盛り返せた理由?)一番はやるサッカーを変えなかったこと。ハーフタイムに自分たちのやってることを続けましょうという感じで。あと監督はサイドで2対1を作ることを忘れるなと。みんなちゃんと2ー1で1点差になった時、もっと点を取りに行く意識を持っていたのがよかった。2-1でいいんじゃなくて、もっと行くんだという。
(2戦やって?)今回もすごく大きかった。ヨーロッパが相手だったし。こういう相手にはこういうことをした方がいいというのはわかった。チームの個人個人のプレーの特徴もさらに理解できたし。例えば啓太なら、前への決定的なパスは出さないで、闘莉王に下げるパスが多い。ならば、闘莉王に下げている間に誰かがもう走り出さなきゃいけないとか。そういうことが分かったから、自分が何をするかも考えられる。闘莉王が上がるタイミングも分かったのは大きい。10日間みっちり練習できたのは収穫だと思う」

●鈴木啓太選手(浦和):
「スイスといってもやれるとは思っていた。でも自分自身は活躍できるところまでは行っていない、まだレベルアップしなければいけないと思う。
(スイスの強さ?)正直、カメルーンの方が強かった気がする。自分はそう思うけど、実際のところはどうなのかよく分からない。ただ、組織だったプレーとか、1人1人の能力は高かった。ベストのメンバーで戦っていたらどうなっていたのか…というのはある。後半、3番と5番が抜けたことが大きかった。ハーフタイムにも3番と5番には注意しようと話していたから、いなくなったのは残念。いいチャレンジをしたかった。
(稲本君との関係?)特に発見はない。もともと分かっていたところはあるし。
(ボール回しの課題が出た?)それはそうだと思う。でも誰のせいというのはない。もう少し全員が少しずつ動くことは必要かもしれない。でもつなぐだけがサッカーではない。相手がプレスをかけてきたら1本のパスも有効になる。ボールが回らないというのはどこかにスペースが空いているということ。うまくサイドに展開することもできる。状況に応じて考えることの大切さを改めて感じた。プレッシャー自体はコロンビアの方が激しかった。初めてこういうレベルの高い相手とやったという感じはしない」

●稲本潤一選手(フランクフルト):
「前半は雰囲気というか、向こうの速いペースに戸惑うことがあった。セットプレーもあまりやってなかったし、そういうところで失点してしまった。踏ん張れるプレーができたら違ったと思う。それでもボールをつないで行ったら、前半と後半が逆になった。結果が出たことはよかった。しっかり僕とか(鈴木)啓太とかが前を向いてスペースにボールを出すことが後半はできた。押し上げもできた。
(前半戸惑った理由?)チームとしての経験とか、前が1人でボールを取った後に速さを出しにくかったりとか。
(ハーフタイムの指示?)観光に来たわけじゃないし、0-2で終わるわけにはいかない。しっかりボールをつないで、人とボールの動くサッカーをしようという話だった。後半にこっちが先に点を取ったことが大きかったと思う。松井も勝負してくれて、1対1の勝負ができたことがよかったと思うし、全体のパフォーマンスもよかった。
(ミドルシュート?)向こうは1トップだったし、打ちやすかった。セットプレー以外のチャンスも作らせなかったし、それは自信を持っていいと思う。ただいらないファウルとか、セットプレーのケアとか課題はまだまだある。今回、オーストリアもスイスもアウェイ状態で戦ったのはいい経験。自分としてもしっかりゲームに出れたのが収穫」

●松井大輔選手(ルマン):
「仕掛けるのはもちろんだし、ペナルティエリアに入ることも大事だと思っている。そこからしかゴールは生まれない。
(PKを取ったシーン?)その前にFKを与えたので、どうしても自分でゴールを決めたかった。相手が嫌がることをしていかないとチャンスは生まれない。オシムさんのサッカーは選手としては辛いけど、魅力はすごくある。
(ハーフタイムの指示?)もっと冷静につなげ、いいゲームをして終わろうじゃないかという話。俊さん(中村俊輔)とヤットさん(遠藤)がいるんで、自分を見てくれている。裏にいけるボールが出てくると信じて、裏に抜けることだけを考えてプレーしていた。よかった部分も悪かった部分もある。悪かったことを見直すことも必要。最後に点を取る取らないは個人の問題。どこで仕掛けられるかを考えていかないといけない」

●巻誠一郎選手(千葉):
「自分は主役になるような選手じゃないし、脇役だと思う。でも今日はちょっと目立ったかなという気がする。前半は相手に慣れるのに苦労したけど、前半の終わりくらいからやれるようになってきた。
(PKを取ったシーン?)引っ張られなければ自分で決められると思ったんだけど…。でも勝ってよかった。セットプレーの時は闘莉王さんと中澤さんのいないところを狙っていた。その2人に一番強い選手がつくので、そこを外せば穴ができることは分かっていた。結果として自分のところには弱い選手が来て、最終的に振り切ることができた」

●山岸智選手(千葉):
「チームの後半の流れがよかった。それを崩さないように集中してやっていたらあの結果になった。
(オシム監督からの指示?)動き回って裏へ裏へ出ること。守備を忘れずにタテの動きをしろということだった。
(もう1点を取りに行く気持ち?)相手ももう疲れていたし、動けないのが目に見えていた。だから俊さんが持ったら裏を狙う意識はあった。あの時も憲剛君が持った時、裏が空いていて突っかけていった。
(前半はロングパスが多かった?)相手のプレスが厳しい中、ロングボールが多くなるのは仕方ない面もある。もっとつないでやるのが監督のサッカーだけど。
(ハーフタイム?)確かに監督は怒っていたけど、2点ともやられたのはセットプレーだったし、崩されてやられたわけじゃない。後半は自分たちのサッカーをしようと言っていた。前半はボール回しができなくて、ロングボールも通らなくて相手に渡ってしまうことが多かった。でも後半は自分たちが動いてパスを回せば通じると思えた。自身を持って次にいければいい。監督も試合前にスイスは今までやった中で一番強いかもしれないと言っていた。そういう相手に対して挑戦する気持ちでやったことを前向きに捉えたい」

●中村憲剛選手(川崎F):
「(ワンタッチ目をパスミスした?)ドキドキどころじゃなかった。申し訳ない気持ちでいっぱいだった。その後、点が入って本当によかった。
(試合の雰囲気?)それを感じる前に終わってしまった。勢いはあったし、攻めになったら行こうと思っていた。そしたらボールが来た。シュートシーンはしっかりトラップしてコースを狙って打ったけど、その後、(矢野)貴章が決めてくれてよかった。あの瞬間、ミートを心がけていた。枠に飛ばすことが一番大事だった。枠にさえ行けば、GKに弾かれたとしても誰かが拾ってくれる。思ったところに蹴れた。ただGKがうまくてびっくりした。
(前後半のあまりに大きな変化?)前半のスイスはすごくバランスがよかった。組織的な守備が目に付いたし、日本もボールを回そうとしているけどうまくいかなかった。だけど後半は落ちてきた。オーストリアもそうだけど、11人で守ろうとすると体力がいるのかなと思った。
(自分が出る時?)いってこいという感じ。細かい指示はなかった。俊さんと代わるからと。前目なんで、とにかくボールを持ったら前に出そうと思った。寿人もヤマ(山岸)もいるし、裏にいける人がいた。スペースが空いたら勝負させようと思っていた」

●矢野貴章(新潟)
「(途中出場で)入ってすぐにセットプレーで、自分のマークする選手(ジュールー)にゴールされてしまったので、何とか自分が点を取りたいと思った。うれしいというより、安心した。(ゴールシーンは)体勢もよくて、(中村)憲剛君のシュートがこぼれるのを待っていた。前回のオーストリア戦は、セカンドボールが拾えなかったので、それを意識したのがよかった。(代表初ゴールだが)1点に変わりはない。それに、まだ1点しか取っていない。続けていかないと意味がない」

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2007年9月10日 (月)

スイスvs日本、前日コメント

●オシム監督(日本代表)
Q:今回の欧州遠征で行ったトレーニングの成果は?
「やっぱり数日間しかやっていないので、十分にできたとお考えになるなら、そうなのでしょう。あなたは私よりお若いようですから、もっと忍耐の気持ちを持ってください。私は十分忍耐をしています」
Q:中村俊輔のポジションについては?
「彼のプレーは私の発明ではありません。彼はあのポジションに慣れていますし、チームでもあのポジションをやっています。彼は自分で選んだポジションでプレーするタイプ。今日もそうだったと思います。私は近くで見てましたよ。(
(Q:中に入っていたように見えたが?)中に入ることを禁止してはいませんので、中でプレーしていました。サッカーは動きながらプレーするもの。ポジションや場所は一定ではない。役割は一緒でも。ああいうポジションの選手には自由を与えています。自由を与えすぎても困る選手もいますけど…」
Q:明日のスイス戦で点を取るためには何が必要か?
「点を取らせてくれとスイスにお願いしましょう。その質問にはお答えのしようがありません。何が必要なのかこちらが教えてほしいです。日本からバレー(G大阪)やジュニーニョ(川崎F)を呼んできましょうか。呼んできても確実に取れるとは限りませんが。相手のあるスポーツですから、明日はスイスに対して『どうして日本に得点を与えなかったのか』という質問をすることになるかもしれません。我々には相手がいます。こちらはチャンスの回数をたくさん作りたいですが、それすら簡単なことではありません。シュートまで持っていく形をどれだけ作れるかです。選手たちはみな頑張っています。みなさん、選手の身になって考えてください。スタンドから見ているのがいちばん楽です。自分なら何ができるのか考えてみてください。簡単ではないことがすぐ分かると思いますよ」
Q:スイスはオーストリアよりも選手1人1人の能力が上だと思うが?
「アルゼンチンやオランダにも勝ったチームです。私が監督になって以降、最強の相手になるかもしれない。カメルーンも強かったですが、違う意味でスイスも強い。質の違う強さをスイスは持っています。欧州の中でも、実力は7~8位くらいでしょう。20~30人の中から、どの選手が出てもおかしくない、そういう選手層の厚さがあります。選手リストを見て、どのクラブに所属しているかを見れば、質の高さが分かるでしょう。しかも今のメンバーは3~4年、一緒にプレーしている。一晩ででき上がったチームではないのです」
Q:そのチームに対して、速い攻撃をどれだけできるかが重要になるのか?
「スピードも必要です。ただし、攻撃は最大の防御ともいうが、簡単ではありません。また、走るのが速い選手のプレースピードが速いとも限りません。走るスピードとプレーするスピードは別物です。それにスイスも、日本がどんなチームか、どんな選手がいるか、研究しているでしょう。いずれにせよ、スピードは必要ですが、我々の側にスピードのある選手が揃っているとはいえません。スピードで解決できなければ、別の方法を考えるしかありません」
Q:では、組織で崩すということか?
「私たちも旅行に来たわけではありません。組織というものは多少なりとも考えているつもりです」
Q:特定の選手に自由を与えているということだが、それが与えられているバックグラウンドは何か?
「私はどの選手からも自由を奪ったことはありません。しかし自由を与えられた選手は、いつどこでどのようにプレーするか、自分で判断しないといけません。自分勝手というわけではないのです。それだけではチームの利益にはなりません。自由を与えて、何かできる選手と、何もできなくなる選手がいるのです」
Q:今、この時期にスイスと対戦することは、今後に向けてどのようなメリットがあるのか?
「あらゆる試合に、何かしらの意味があります。明日、試合をしないほうがいいと考えるのでしょうか? 意味がないという答えを期待しているのであれば、それは相手に対して失礼なことです。ただでさえ欧州選手権の開催国としてモチベーションの高い相手です。そういう相手と対戦することに、どういう意味があるか、申し上げるまでもないでしょう。日本に残って大学生と練習試合をしていた方がよかったのでしょうか? あえて答えるなら、こういう強い相手と戦うことは経験になる。いつ、どの程度のリスクを冒すか、そういう判断を磨く機会となると思います。リスクを冒す戦いを避けるつもりはない。結果も大事だと思います。リスペクトは必要だが、怖がってはいけません。選手たちが怖がるようなら、いいゲームはできません。怖がらなくても、簡単な試合にはなりませんが…」
Q:強いスイスと対戦するのに、できるだけいい試合をしたいということ、そしてできるだけ多くの選手に経験をさせたいということ、両方の思いがあると思うが、どうバランスを取るのか?
「質問が複雑ですが、それは文字通り、チーム作りに何が必要か、何を考えなければいけないか、というポイントを突いたものだと思います。選手の経験もそうだが、年齢のバランス、若返り、そうしたことも考慮しなければいけません。若い選手だけでもいけないし、ベテランばかりだと走れない。そういう選手たちのバランスを考えてベストチームを作るべきなのです。もちろん、対戦相手が変われば、出す選手も変わります。相手がどんなプレーをするか、それに対応できる選手ということになります。どんな相手でも、同じメンバーではない。そういう答えでよろしいでしょうか」

●松井大輔選手(ルマン)
「明日は激しい試合になると思う。ボールをつなげないかもしれないけど、何ができるか。今日の練習? やっと慣れてきましたね。やっと終わりに近づいたというか。トレーニングはこのくらい(の負荷)がいちばんいいですよね。やっと調子も戻ってきたし、このままいけるといいと思う。
オシムさんとも何回か話しました。直接言葉が通じるとコミュニケーションしやすい。1トップ、2トップの時について話した。どうしても1トップの時はディフェンスもやらないといけなくなる。明日はスイスが相手だから、ディフェンスに時間を割くのが長くなるかもしれないけど。でも監督は何をしろというのは言わない。情報を提供しつつ、自分で判断しろという感じ。こうしなきゃダメというのもない。だから監督の話を聞きつつやりたいと思う。自分らしさをチームに取り入れていければいい。その結果として代表というチームになればいい。1人1人には個々の能力もあるし、いいところを出せば展開は確実によくなる。スイス戦の先発? いや、分からないですよ。先発だったらやりやすいけど。自分としては積極的に前へ行きたい。ゴールに絡む仕事ができればいいと思う」

●田中マルクス闘莉王選手(浦和)
「スイス戦の守りのポイントはディフェンスラインとボランチの間を空けないこと。距離感を大事にしないと。相手のクサビのボールもそうだし。セカンドボールを拾われたら後ろに余っている選手がいない。危ないと思っているエリアでボールを持たれたら、スルーパス一発で点を取られるし、どうしようもないくらい守れなくなるかもしれない。だからボランチとDFの絡みをしっかりと抑えていかないと。
(Q:明日は鈴木啓太(浦和)がいない布陣の可能性があるが?)啓太はずっとやってきているけど、代表っていうのはコンセプトがあるし、やらなきゃいけないことがある。誰が入ってもやってもらわないといけない役割がある。啓太のようなサポートに入れる選手はハシ(橋本=G大阪)くらいだけど。でも違う選手が入った時、2対2までなら自分たちで何とかできる。セカンドボールを拾われて3対2になった時は厳しい。三角形を作る形になれば何とかなる。レッズでは啓太がいない時は阿部がやってるけど。まあ、どんな状況になっても、自分がいちばん強いのは守備というのを分かってもらえるようにやりたい」

●山瀬功治選手(横浜FM)
「スイスについては、ビデオとかのイメージはあるけど、やってみないと分からない。同じようにやってくるとも限らないし。まあ、情報が頭の片隅にあれば、反応しやすいのかなと思う。単純に裏に抜けていくだけじゃダメ。そう簡単に裏を取れないと思うし、どこかでひとひねりは入れないと。裏に回る前にボールに触れるかが大事。Jリーグでもボールを持った時に前にボールを動かすことは意識している。そういうプレーを入れられればいいと思う。ドリブルでもクサビのパスでもいいと思うし、そういうことを誰かができるかできないかで、攻撃のリズムが作れるか作れないかになる。僕がボールに絡む時にはゴールに向かって行きたい。必ずそうなるとは限りませんが…」

●中村俊輔選手(セルティック)
「右足の状態? 痛いけど何とかなる。右も左もだけど。最近、運が悪いね。今日は右ひざをひねった状態で着地したから。でもまあ、ネンザ系には強いから、大丈夫です。
今日の最後の布陣については、自分たちで考えろと監督は言っていた。最初、ビブスをつけたチーム(敵側)がいて、これに合わせて付いてみろと。まあ、だいたい分かるでしょう。俺が右で、松井君(ルマン)が左で、山瀬(横浜FM)が下で。4-2-3-1というより4-3ー3ぽくなると思う。相手は4-2-3-1で、ダブルボランチが並んでて前に1人いる。だからその1枚にイナ(稲本=フランクフルト)がついて、ヤット(遠藤=G大阪)と山瀬でダブルボランチにつく形になると思う。
松井君にはだいたい意見を伝えた。左に入ると縦にグイグイ前へ行くから、絶対にセンタリングで終わってくれと。そしたら自分も中に入っていくからと。山瀬はどっちかというと飛び出したりするタイプ。横浜FMのゲームもよく見てるから。ボランチというよりトップ下っぽくもできるし、タイミングよく上がってワンツーとか使えればいいし。山瀬が前へ行って、松井も行ったら、今度は誰もいなくなって速攻を食らうのがいちばんよくない。回すところはゆっくり回さないといけない。パスを出す時もタイミングを見はからって、いい状態で出すとか。ヘンに取られ方が悪かったり、仕掛けるタイミングがずれるのも問題。だからゲームを落ち着かせる役目を俺がしたり。あとはポジションチェンジで自分が真ん中へ行って、ヤットと近くで相手のボランチとストッパーの間でうまく動くとかを時間帯によってやりたい。
明日の布陣は、オシム監督のことだから分からない。自分のポジションのメインは、やっぱり右の方になる。タイミングを見ながら中に行って、ボールを回せていないようだったらヤットの近くへ行ったり、山瀬君に開いてもらったり、右と左で松井と変わってみたり、様子を見ながらになるね。
スイス相手にどう点を取るか。個人の力とか言ってるけど、やっぱり連動しないと難しい。あのくらいの相手になれば1対1でもきついから。ただ仕掛けるような動作をしない限り崩れていかない。つっかけつつ、人が動くことを前の方でできればチャンスはあると思う。速いセンタリングも大事だね。加地(G大阪)とかも速いボールを入れるべきだと思うし。スイス戦は楽しみ。今までやった中でいちばん強い相手だと監督も言ってたし、どれくらいやれるかを計るいいチャンスだと思う」

●中村憲剛選手(川崎F)
Q:スイスはフレイがケガしていて4-2-3-1で来るようだが?
「そういう話はしてましたね。それに合わせて今日の練習では自分のいるほうのチームが4-2-3-1でやった。(3大陸トーナメントの)スイスvsチリ戦を見たけど、チームとしてボールの流れが非常にいい。もうチャレンジですよ。試合に出たら思い切ってやりたい。まあ、スタメンで出たいですけど、今は出た時にしっかり仕事をすることがいちばん大事。いつでもやれる準備はしておきます。ミドルシュートもどんどん打ちたい。後半の時間帯はスペースも空くだろうし。
(Q:今日の練習では、パス回しもよかったが?)それが自分の仕事だから。出して受けて出して受けて、テンポを作れればいいし、ミドルシュートを打つのがプラスアルファ。あとディフェンスも大事。明確に課題と仕事が分かっているから、注意してやりたい」

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2007年9月 7日 (金)

オーストリー0-0(PK4-3)日本、いろんなコメント

●オシム監督(日本代表)
「私からコメントはありません。質問がなければ、もう遅いので、そろそろ家に帰ろうかと思いますが…」
Q:オーストリアを離れて数年経つが、オーストリア代表はどのくらい進歩したと思いますか?
「まずは、このような美しいスタジアムができました。私がいた時にはなかったものです。サッカーのレベルも上がった。全ての分野において言えることですが、人生も同じでサッカーも進歩しているのです。みなさんは今日のパフォーマンスには満足していないようですが、20年前のサッカーと比べれば圧倒的に進歩しています。ノスタルジックな要素をみなさんお持ちでしょうが、それにはネガティブなものも含まれています」
Q:アジアカップと同様、日本のクオリティの高さが見られたと同時に、問題も見られたと思いますが?
「どのような質問ですか? もちろん私も同じものを見ていました。どう答えればいいのでしょうか? 私もよく観察していたから分かりますが、パフォーマンスに問題があるからといって、選手をチームから外したとしても、それでパフォーマンスが上がるものではない。サッカーはそんなに単純なものではありません。非常に複雑なものなんです」
Q:ヒッケスベルガー監督が、日本はオーストリアよりレベルが高いといっていましたが?
「2人とも立場が違うので、自分としては逆のことを言いたいです、こちらにも修正点がありました。オーストリアもそれなりのプレーをしていたと思います。確かにコンビネーションやカウンターなどでうまくいかないところはありましたが、それらは全て個人的なミスによるもの。スペースがなかったり、トラップミスしたり、細かいミスがありました。ただし、守備を固めてカウンターという方向性は間違いなかったと思います」
Q:相手の監督が「16m(ペナルティエリア)のところではダメだった」と言っていました。が、オシム監督は「内容が大事だ」と言っていました。それは「しっかりしたシュートチャンスを作る」という意味だったと思いますが、そこでの課題はありましたか?
「もしかしたらピッチの両サイド16mを狭くしたら、日本はもっと点が取れるかもしれないですね。もちろんボール奪ってからゴールに向かうまでも距離がある。もっと効率よくチャンスを作らないといけません」
Q:「16mまでは素晴らしいのに点が取れない」というのは,欧州でプレーできるようなFWがいないということですか?
「根本的に優秀なFWというのは、どのチームにも必要です。ただし、たとえばバルセロナなどを見ていても、彼らは素晴らしいFWが沢山いるにもかかわらず、毎年新しい選手を探しています。これは全てのチームに当てはまること。質の高い優秀なFWを探し求めることはどこのチームも苦労している。我々にはフランクフルトでプレーしている、非常に優秀なFW(高原直泰選手)がいるが、彼だけに頼ることはできません。ケガやレッドカードで出られない状況も考えて、今日の試合はある意味、いいテストになったと思います。もちろんイングランドやイタリアなどでも、優秀なFWというものは求められています。JリーグではFWのポジションはよくブラジル人選手がスタメンでプレーしているので、日本人の個の高い能力を持ったFWが出てくるのは難しいかもしれません。ブラジル人が日本人になるには、少なくとも6~7年はかかる。その時期には、私は死んでいるかもしれません(笑)」
Q:オーストリアが前半38分頃からブーイングを受けたことについてどう思いましたか?
「数年前なら驚いたが、今は驚きません。素晴らしいではありませんか。観客は38分までブーイングしなかったのだから。そこまで待ってくれたのですから、やさしいと思います。チームによっては試合が始まってすぐにブーイングを受けることもある。場合によっては、試合が始まる前からブーイングが起こることもあります。だから38分までブーイングなしでプレーができて、幸せだったのではないでしょうか」
(ここでヒッケスベルガー監督がコメント)「もしかしたらウォーミングアップからブーイングしてくれたら、試合中は疲れてやめるんじゃないでしょうかね」
Q:PK戦でまたロッカールームに引っ込んだが、これもノスタルジアによるものですか?
「PK戦になると、自然に体がロッカールームに向かうのです」

●ヒッケスベルガー監督(オーストリア代表)
「みなさんがご覧になった通り、客観的に見て、日本は自分たちより高いレベルの相手だった。0-0というスコアは運がよかった。PK戦で勝ったが、パフォーマンス面でまだまだ向上できる部分がある。我々の選手には、あらかじめ日本の情報を渡していたので、どんな展開になるか想像していたと思う。日本はオーストリアまで来て、新しいスタジアムの写真を撮りに来たわけでない。彼らは優秀なカメラを作るだけでなく、優秀なサッカーをすることを証明した。
日本の中盤は我々より素晴らしい。ペナルティエリアまではこちらが押されていた。ただし、日本には決定力のあるFWがいない。オシムにとってこれは難しい問題だ。が、こちらも中盤に優秀な選手がいない。オーストリアの問題は、中盤の選手の能力だけでなく、ボールがないところでの動き、フリーランニングの不足である。日本のような、いいコンビネーションを見せることもできなかった。
 スタジアムのブーイングは理解できる。しかしブーイングが我々の大きな助けになるわけではない。後半のパフォーマンスは多少なりとも向上したが、まだまだ満足できるものではない。今日は私自身にとって長い夜になる。ビデオを見て、どうしてこういうプレーをしたのかを考えるからだ。明日の昼にも会見が予定されているが、そこでもう少し詳しい話ができると思う。どうしても今、聞きたいことがあれば答えるが、ないようなので、ここで切り上げたい」

●中村俊輔選手(セルティック)
「今日のオーストリアには勝てたか? うーん、欲を言えば。まあ、ピンチはなかった。有名なクラブでやっている選手も少なかったしね。今日やってみて、アタッキングエリアに入った時にFWとの連携がよくなるともっといいと感じた。あそこまでは持ち込んでいるわけだから。誰かが前に張っててダイレクトで出してワンツーして、それを使うフリして別に展開するとかね。全体によく動くんだけど、そうやって工夫をつけていかないと、ゴールのところで単調になってしまう。ゴールへの動き方はよかった。矢野君(新潟)もよかったし。俺らがボールを預けてまた戻してという形が多かったけど、それはフォーメーション上、仕方のないこと。全体にまだ息が合わないところもあったのは課題だけど。松井君(ルマン)が入っての感想は、ドリブルで前まで持って行ってくれること。回した方がいい時もあったけど。チーム全体がいい形を作ろうとしすぎるところがある。シンプルにやれって監督は言うけど、松井君みたいなタイプは今までいなかったし、1人であそこまで持っていけるから、出た時は周りがサポートしてあげられればいい。松井君みたいにどんどん自分でやっていっていいと思う。自分もシュート打ったり、センタリングを上げたりしたつもり。戦術を実践しつつ、個人の判断を出していけば、もっとよくなる」

●遠藤保仁選手(G大阪)
「全体的にタテに間延びしてしまった。それで能活さん(川口=磐田)のキックが多くなった。もっと自分たちが高い位置でボールをもらうようにしたかった。まずはしっかりボールを回すこと。どうしてもディフェンスラインが下がったり、中盤も僕やシュン(中村俊輔=セルティック)が下がってしまった。そのあたりは修正が必要だと思う」

●田中達也選手(浦和)
「僕が最初のチャンスを決めていれば、チームとして残り時間をもっと楽に戦えたと思うので、申し訳ない。コンビをもっと高めていけばさらによくなると思う」

●田中マルクス闘莉王選手(浦和)
「今日の試合はウチが主導権を握っていた。だけどチャンスのところでリスクを冒すのが足りなかった。内容は悪くないけど、それプラス自分が何をやれるか。アウェーだったし、こういう雰囲気に慣れるのが久しぶりだったけど、やれる自信を持ってやったつもり。でも、もうちょっとチャンスのところで体を張ってリスクを冒すようなところだったり、自分を含めて飛びこむところだったり、そういう攻めをしていかないといけない。正直、自分はもっと上がりたかったけど、自分の仲間を信じることも大切。チームとしてはいい方向へ向かっていると思う。もう少しチャンスのところを生かすようにはしたい」

●川口能活選手(磐田)
「相手の守備がしっかりしていたし、相手が高かったんで、クロスを何本か上げたけど相手の組織的守備を崩しきれなかった。みんな時差もあるし、完璧なパフォーマンスを求めることは酷だとは思う。でもそういう中で選手たちはスキルを出していた。全部が全部うまくいかないけど、やろうという姿勢は見えたと思う。ただ、勝負に行く部分が足りない。散らすパスだけになってしまう。そこは修正する必要があった。散らすだけの攻めが多かった中で、松井(ルマン)が途中から入ってアクセントになったし、攻撃にリズムが生まれてきた。ああいう形だと変化がつけられると思う」

●矢野貴章選手(新潟)
「前半はちょっとバタバタして、起点を作れない感じだったけど、後半はある程度、戦って起点になれた。攻撃も徐々にいい形になったと思う。最初はボールの起点を作るポイントがなかなかできなかった。ポジションごとの動きも少なかったし、中盤の人との出入りがもっとできたらいいと思った。ハーフタイムにそういう話をして、修正できたと思う。くさびが入った時は、あのくらいのプレッシャーはくると思っていた。初めの方はそのタイミングがつかめなくてドタバタしてしまった。田中達也(浦和)さんとの連携については、試合に入る前からお互いの距離、タイミング、動き出しを話し合っていたけど、練習でなかなかプレーする時間がなかったし、難しかった。こういう状況でも決定的な仕事をしたかった。それができなくて悔しい。オーストリアの印象は、ちゃんと組織的に守ってから攻めようとしてくるチームだった。体格も違ったし、プレーの精度も違った。そういう相手に決定的な場面が作れなかったことが課題かな」

●今野泰幸選手(F東京)
「PKを蹴ること? 大熊さん(コーチ)に言われた。
試合に出る時の指示は何もないです。自分で考えるということじゃないですか。時間もなかったし。急だったんで、いつも通りやられないようにして、チャンスがあれば攻めようと思った。外から見ていて早く点が入らないかなと思っていた。チャンスが多かったんで。
PKの時のGKの位置は見ていない。アウェーの雰囲気ですごいなあと。次に向けては、まだ整理できていない。監督からも指示があるだろうし、明日からの練習をしっかりしたい」

■松井大輔(ル・マン)
みんな1対1で行こうとしていなかったので、自分は行きたいと思った。1人、2人と抜ければよかったが、抜けなくて、もうちょっと。チームとしてパスは回るので、あとは最後の仕掛け。ポゼッションでもいい時間帯はあるし、タイミングや状況によるけれど、そこを選手が分かればいい。
(途中出場するまでベンチで)見ていて歯がゆかった。もっとガンガン行っても、失うものは何もない。自分はそういうことをやったつもり。でも、あまり存在感は示せなかった。まだ時間が足りない面はある。まだまだ動けていない。正直、全然満足していないけれど、次につなげられたらいい。

■稲本潤一(フランクフルト)
チーム全体として、シュートやスピードの変化が足りなかった。ベンチからサイド攻撃や、速いクロスを入れろという指示が出ていたが、あれだけでかい人がゴール前にいるとなかなか崩せない。でも後半になって(中村)憲剛が入って、シュートの意識は出ていた。自分も、もう少しシュートの意識を持てればいいと思う。

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2007年9月 6日 (木)

日本代表 vs オーストリア代表試合前日のオシム監督(日本代表)記者会見コメント

●イビチャ・オシム監督(日本代表):
Q:この間の会見でスピードについて語っていたが、オーストリア戦に向けて何か具体的な戦術はあるのか?
「スピード以外に、何に基づいて戦術を立てるというのでしょうか? そこで何を話したかは覚えていませんが、スピードについて語るとすれば、そういうことになります。スピードはサッカーの基礎。走る速さ以外にも、考える速さ、反応の速さ、いろいろあります。あなた方のニュースも、スピードをもって読者に届けられれば、沢山のお金がもうかるのではないですか。スピードは大事です。ただし、スピードだけでは十分ではない。単にスピードだけで勝負するなら、陸上選手になればいいのですから」
Q:フィジカルについてですが、オーストリアは非常に体が大きい。コンビネーションだけでは日本の裏を突けないだろうから、背の高い選手を中央に集めて放り込む戦法も想定されますが、何か対策は?
「オーストリアに背の高い選手はいるが、FWはそれほどでもありません。もちろん、平均身長は日本よりも2~3cmは高いだろうが、それほど決定的な差ではないし、大きなハンディだとは思っていません。それ以外のプレースタイルを考えないといけません。あらかじめ、どの選手を出すか分かれば対策も立てられますが、現時点では向こうのスタメンが分からないので、こちらがどう戦うか話すことはできません。スタメンが分かっていれば、もっと沢山のことを話せますが」
Q:チーム発足後、初の欧州での戦いですが、アジアでの戦いとの違いをどう考えますか?
「それは戦ってみないと分かりません。試合が始まれば、みなさんも見ることができるでしょう。一般論としてのアジアと欧州のサッカーの違いは語れますが、それが正しいかどうかは実際にやってみた方が分かります。この遠征は2試合あるわけだから、それが終わればより良く理解できるでしょう。試合前にたくさんお喋りしても、あまり意味はないと思いますよ」
Q:かつて仕事をしたオーストリアで試合することについての感想はありますか?
「個人的にはいろいろなことを考えます。が、それはプライベートな問題です。試合をするたびに新しい発見があるはず。サッカーに限った話ではなく、私は日本でも何年か過ごしているので、オーストリアは久しぶりです。つまり、かつてオーストリアのクラブで監督をしていたことよりも、今は日本の監督として日本の選手がいい試合することを期待しているということです。もちろん結果を軽視しているわけではありませんが、結果よりも内容が重視される試合があってもいい。とくに今回のようなケースではそうです」

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2007年8月22日 (水)

日本 2-0 カメルーン、いろんなコメント

オシム監督会見

ご覧の通り、何ができて何ができないかが、はっきりした試合だった。また、強いリーグのチームでプレーしている(カメルーンの)選手と、そうでない日本の選手との違いもはっきりした。もちろん身体能力の違いもあるし、コレクティブ(組織的)かどうかの違いはそれほど大きくはなかったと思う。カメルーンのような強いチームと対戦する機会はなかなかないから、ここで選手が何かをつかんでくれればと思う。フィジカルの違う相手との戦い方、ボールをめぐっての競り合い、そういった経験を積んでもらえたと思う。カメルーンのような対戦相手は、日本には存在しない。体格の差などのハンディについては、もっと走ったり、コンビネーションを使ったりして補わないといけない。
今日の試合では、中盤で簡単にボールを相手に渡してしまった。ボールだけでなく、ゲームコントロールできない時間帯が長く続いたのは、皆さんがご覧になった通りだ。そういうところで、強いチームはミスをしない。必要のないところ、本来すべきでないところでミスをして、ボールを相手に渡してしまったのは反省すべきだ。
ただし、一部の選手が予想以上に興味深いプレーをしてくれたのは収穫だった。昨日話したように、(前日練習では)DFのための練習をしていて、攻撃のための練習はほとんどしなかった。(この日の試合は)しっかりと守備を固めれば、強敵に勝つこともできるという例だったかもしれない。スタメンの11人がスタミナがある間は、いいサッカーができたと思う。もちろん、それだけでカメルーンに勝てるとは思ってはいなかった。これはテレビのインタビューでも言ったことだが、今日の試合は序章、第2章と、まったく違う展開のサッカーの本を書いてしまったようだ。ただしその本は、行間を読まなければならない本である。
――スタメン11人はスタミナあるうちはよかったが、遠藤などは後半疲れてしまった。また強じんなフィジカルの相手にけがをする選手もいた。これは予想していたことだろうか?
そうした問題があるのは秘密ではない。遠藤が立ち上がりから終わりまで、速いテンポでプレーできれば理想的だ。しかし、これまでと違う点にも気付いてほしい。カメルーンの選手は、個々がボール扱いがうまい。彼らがリードされている展開では、チーム全体が攻撃的になっていた。しかし、われわれは残念ながら、攻撃的なグループ、守備的なグループに分かれてしまっている。中盤では、サイドの右と左はまずまずだったが、カメルーンがプレッシャーをかけてきたら、問題がどんどん出てきた。特に中盤の攻撃的な選手とFWの選手は、所属チームでディフェンスすることに慣れていない。もちろん守備だけでなく、強い相手に対して攻撃に行くことは、さらに難しかった。
例えばラインの高さ、あるいはDFを含めてどれだけミスをせずにパスを回せるか。それらを比べてみても、いかに日本がつまらないミスをして、相手のチャンスのお膳立てをしていたか。つまり純粋にスキルが低いということだ。パス、ボールタッチのテクニック。本当に基本的なところだが、いかに実戦の中で力を発揮できるかどうか。この分野では、日本のサッカーはまだまだ子供であると言わざるを得ない。プロの国際試合で起こってはならないミスが起こってしまった。
私も場合によっては、「危ない時には観客席に届くくらい遠くにボールを蹴れ、常にエレガントである必要ない」と選手に言う用意はできている。しかし、守備陣がパニックに陥って「とにかくクリアだ」と、タッチラインの外にボールを蹴り出すことは感心しない。その点について話すと長くなるが、今日の試合で見ることができたのは、就任からこれまでの1年間、選手に分かってもらおうと話し続けたことの内容の一部ではなかったかと思う。コレクティブなプレーの中で、個人のクオリティーをどう結び付けるか。強い相手と対戦するときに、個々のクオリティーが問題になる。カメルーンの選手との1対1でのボールの奪い合い、スピードの比較。さまざまな部分で考えるべきポイントは少なくなかったと思う。
もちろん、よかった点もある。一つは現実を直視する、客観的にサッカーを観察することが大事だということを、今日のような試合の後、選手も記者の皆さんも身に付けられたならば、それは歓迎すべきことだ。しかし強豪カメルーンに勝ったからといって、日本が世界チャンピオンになったかのような錯覚をしてしまったら、話はまた振り出しから始めなければならない。今日の試合をどう評価するかについては、メディアの皆さんにお任せしたいと思う。
選手同士の関係、走る量と質、自己犠牲のプレー、プレーへの意欲。それらはトップレベルに近いものを日本の選手は出していたと思う。ただしそれは、十分ではないことを認めなければならない。より高いレベルのサッカーをする上では十分ではない。選手たちは、リーグ戦の日程が詰まっている中でよくやってくれた。アジアカップで出場した選手は、疲労がまだ取れていなかったのかもしれない。休暇もなしにJリーグ、今日の試合と続いていた。しかし、アジアカップに出場した選手は何とか走れていたが、そうではない選手がエネルギー切れを起こす時間帯があったことは、何とも皮肉なことだ。
いずれにせよ今後、様子を見なければならないし、錯覚しないようにしたい。短いニュース速報、例えばCNNのニュースなどで「日本がカメルーンに勝った」と報じられたら、そこで日本はカメルーンより強いと思ってしまうかもしれない。どういう内容の試合だったか、ニュースを読む時間のない人はそう思ったかもしれない。だが毎回話しているように、最近のサッカーは結果がすべてだ。どんな試合だったか、良かったことも、悪かったことも、翌日には結果しか残らない。
――前半は4バック、後半は3バックになっていたが、守備の練習だったのか? それとも勝つためだったのか?
予定を立てていても、相手があることだ。向こうは後半の頭から2トップで来た。それに対応したものだ。その点について、細かくは選手たちとこれから話したい。私の印象では、選手がよく考えた結果、そうしたのだと思う。つまり2トップに対して、最後列で1人余らせる守備を選択した。そういう選手の意思は尊重すべきではないか。ただしその際、中盤で選手が1人減るわけだ。その減った分、選手が余計に走るなり、工夫したりすべきなのだが、それができていなかった。遠藤が守備的な位置まで引かないといけない。もちろん悪くないプレーだった。しかし、阿部のポジションで遠藤がしっかりした守備ができるとは私は思わなかった。阿部や啓太(鈴木)が、遠藤のような攻撃能力を備えて、守備をできればよかった。あるいは、阿部や啓太といった守備のできる選手が、遠藤のような攻撃力があればよい。しかし天は二物を与えずというか、特に日本では、まだ選手の役割分担がはっきりしている。モダンなサッカーに追いつくには、攻撃も守備もできる選手を増やしていかないといけない。
 今日は、カメルーンに勝ってしまった。皆さん、五輪代表の試合を見たくないですか(笑)。
――スタメンの選手が疲労していなかったら、最初のメンバーで最後までいきたかったのか?
基本的にはそういうことだ。スタッフ、コーチの間では、3人の攻撃的なグループを、後半の頭から別の3人に交代させる計画はあった。これは事前に選手には話さなかった。しかし前半を見ると、スタメンの3人はいいプレーしていた。そこで後半は、様子を見ることにした。しかし、あるところで交代を決断した。代えてみて、少々残念に思ったのは事実だ。結果として、3人を交代して6人を試すことができた。田中達也、大久保、前田の3人は、もっとスタミナがあってコンディションがよくて、最初のプレーのリズムを維持できたら、もっと長くプレーさせていた。ハーフタイムで特に攻めの選手には、力をセーブせずに、できるところまでやれと指示した。もし後半に投入した3人を先発させていたら、また違った試合になっていたかもしれない。ひょっとしたら、今日のスタメンの選手よりも、もっといいプレーをしていたかもしれない。逆に、今日のスタメンの選手が、あまりパッとしないプレーをする可能性もあった。自分のチームがリードしているときに、攻撃の選手が途中で入って、いいプレーをするのは難しい。相手の守備力が高い場合は、なおさらだ。カメルーンが追いつく、あるいは逆転するという展開になれば、交代が失敗したと言われるのは決まりきったことだ。そこでわれわれは、皆さんがどんな記事を書くか気にはしないだろう。

カメルーン代表ニョンガ監督

今日はいい試合だった。2つの偉大なチームの対戦だったわけだが、日本はわれわれの弱点をうまく突いてきた。まず、今日のわれわれはキレがなかった。中盤での弱点を突かれて押し込まれてしまった。こちらは疲れていて走ることができず、中盤で止められてしまった。
 試合の取っ掛かりが大変だったが、後半になると日本に比べてこちらがアドバンテージを握っていたと思う。最後まで(ゴールを)決めることができなかったが、後半は頑張っていたと思う。
日本について言えば、将来性のあるチームだと思う。何年後かになれば、われわれと肩を並べるだろう。日本は今後、質の高いサッカーを発展させるだろう。敏しょう性に富んでおり、しっかりした意思を持って戦えるチームになると思う。日本は若いチームで、今後、試合を重ねることで成熟していくだろう。ただし戦術面では、あまり変化がなかったと思う。今回の試合でも同じ戦術で、バリエーションが感じられなかった。もっとバリエーションを持たせるべきだろう。今後、とてもいいチームになる条件は、すべてそろっている。あとは練習することだと思う。よりハイレベルになるためには経験を積んで、(戦い方に)バリエーションを持たせることに重点を置くべきだろう。
われわれは、今回の試合から学ぶことができた。あとはそれを練習することで改善していく。どのチームにも言えることだが、いろいろなことを疑問に思いながら、よりよいパフォーマンスができるようにしていきたい。
――カメルーンは満足いく出来ではなかったと思うが、パスが流れたのはコンビネーションよりも、疲れによるものだったか?
われわれのチームは一緒にプレーすることに慣れており、しかもコレクティブ(組織的)である。一番の問題は、試合会場でウォーミングアップができず、芝の状態を確認できなかったため、最初は戸惑ったことだ。つまりコンビネーションの問題ではない。それからフィジカルな意味でキレがなかった。パスが流れたかもしれないが、本来なら楽々とパス回しができるはずだ。われわれはアフリカのトップチームであり、選手もハイレベルなリーグでプレーしている。今日の問題点は何よりもキレがなかったことだ。
それから、今回一番残念だったのは、カメルーンの本当の姿を見せられなかったことだ。もっとも、数カ月後にはわれわれの国に来てもらう計画がある。現在、カメルーンのスタジアムが現地の日本企業によって改修中なのだが、そこに日本代表をお迎えするという話が出ている。このことについては、両国の責任者が話をしている段階だ。ぜひ、具体化することを期待したい。

■田中マルクス闘莉王(浦和レッズ)
(中澤とのコンビについて)中澤というより、みんな一丸となってやった。高さは計算できるし、経験もあるし、そういうところはよかったんじゃないか。でも最後は5バックになってしまったのがつらい。アジアカップでは、内容はよかったけれど、結果が出なかった。監督は内容にこだわっているのかもしれないけど、結果を出しながら内容をよくしていくのが一番。
(得点について)自分よりでかい選手ばかりで、高さで勝つのは難しい。相手より前で触れれば、何とかなると思っていた。遠藤からいいボールが来たので触るだけでした。GKが出てきたのは分かっていた。狙い通りに行ってよかった。

■山瀬功治(横浜F・マリノス)
(試合を)落ち着かせる時間をどこかで作れればよかったけれど、行ったり来たりの展開になってしまった。途中から出る選手は、何とかチームを落ち着かせるのが仕事。今日は流れの中では何の仕事もできず、不完全燃焼のゲームだった。
(プレスの掛け方は)所属チームも違うし、やり方も違う。どこに追い込むかも違ってくるので、どうしても違うタイミングになってしまった。ゴールという結果はあったけど、大事なのは内容。ゴールは後半40分くらいの間のほんの1、2秒でしかない。40分通して、どうだったのかが大事。

■大久保嘉人(ヴィッセル神戸)
先発はアップの前に言われた。ポジションはMFでもFWでもなくて「そのへんにいろ」という感じ。前半は、どこまで下がっていいのか分からず、きつい部分もあった。ハーフタイムに監督に確認したら「好きなようにやっていい」と言われた。チーム(神戸)と同じようなイメージでやってみた。ノーゴールという結果は仕方がない。

■加地亮(ガンバ大阪)
フィジカルが強くて、速い相手と対戦したのは、いい体験だった。(流れの中からのゴールがなかったが)とにかく勝てばいい。課題は常にあるし、勝った中でも見つけながら修正していくことが大事。今日はもう少し、冷静につなぐべき場面があったのに、蹴るサッカーになってしまった。
 こっちのフォーメーションと相手のフォーメーションを判断して、変えていくことに気を使った。最初は4バックで、相手も3トップで来たので4のままで行った。後半ずるずる下がってしまい、中盤も薄くなってしまった。でも前半は収穫が多い試合だった。

■遠藤保仁(ガンバ大阪)
前半はサイドも突破できていたし、そんなに悪くなかった。後半は、もっとボールキープができればよかった。勝っている状況だから、もっと落ち着いてやれればよかった。(後半3バックにしたのは)相手が2トップで来たから、3-5-2っぽくした。(中盤で)キープすることを考えると4-4-2とか4-3-3がよかったけど、失点しないという前提があったから。
簡単にボールを失う場面も多かった。もっと正確につなげればよかったと思う。前の3人はスピードがあるし、できるだけ相手の裏に行けるようなパスを意識した。ただし相手のDFも速かったので、結局は裏より足元でもらう回数が多かった。
(ゴールシーンのアシストは)闘莉王の動きは見えていた。そこまでは狙ったつもりはないけど。

●鈴木啓太選手(浦和):
「暑かった。どうしてドームの屋根を締めたんだろうという感じだった。相手の力、個人の能力が非常に高かった。そういう中でどう崩すか。トレーニングでもやっていて何回かいい形ができたことは自信になる。もう少し自分たちのプレーができたらよかったけど。阿部とのボランチは、前半うまくできていたと思う。中盤のうまさもあったけど、後半はそれほど優位性を使えなかった。後半はサイドも引いて5バック気味になってしまった。中盤ががら空きになり、しんどかった。そこは課題。(アジアカップ後すぐのゲームだったが?)結果はよかったけど、個人個人の差は感じますし、2-0という結果、点差だけみるといい結果だけど、そういうゲームではなかったと思う。どうポジションを取るのか、どこで数的優位にするのかという課題が残った」

●大久保嘉人選手(神戸):
「先発はアップの前に言われた。ポジションは中盤でもMFでもFWでもなかった。俺はFWじゃないし、そのへんにいろという感じ。前半はどこまで下がっていいのか分からなかったんできついところもあった。それでハーフタイムにオシム監督に聞いたら、好きなようにやっていいといわれた。チームと同じようなイメージでやっていたけど。(代表20試合目でゴールがなかった?)ノーゴールという結果はしょうがない」

●遠藤保仁選手(G大阪):
「前半はそんなに悪くなかった。サイドも突破できていたし、後半はちょっと…。もっとボールキープができればよかったけど。勝っている状況だし、落ち着いてやれればよかった。(後半は3バックだった?)相手が2トップできたからその対応。3-5-2っぽくした。キープを考えると4-4-2とか4-3-3がよかったけど、失点しないという前提がある中でしょうがないと思った。前半は前の3人が裏へ積極的に出て行ったし、守備も大きな混乱がなくよかった。でも簡単にボールを失う場面も多かったから、もっと正確につなげればよかったと思う。前の3人はスピードがあるし、できるだけ相手の裏にいけるようにパスを意識していたけど、相手のDFも速いし、結局は裏へというより足元でもらう回数が多かった。勝負できる3人だったからよかった。ゴールシーンに関しては、闘莉王の動きは見えていた。そこまでは狙ったつもりはないけど。(流れの中からのゴールがなかったが)セットプレーはアジアカップから引き続きいい感じできているけど、流れの中はね。自分も1本あったし、崩せる形はあった。フィニッシュの問題が大きい。チャンスを増やせばさらによくなると思う」

●山瀬功治選手(横浜FM):
「落ち着かせる時間をどこかで作っていけばよかったけど、なかなかできなくて、行ったり来たりの展開になってしまった。本来、途中から出る人というのは何とかチームを落ち着かせるのが仕事。ボールを落ち着かせることをできればいいと思ったいたけど、今日は流れの中では何の仕事もできていない。不完全燃焼のゲームだった。プレスをかけることに関しては、チームも違うし、みんなやり方も違う。どこに追い込むかも違ってくる。プレスに行くにしてもどうしても違うタイミングになってしまった。相手のボランチにつながれた時もコースを限定するとか何とかしたいと思ったけど、そのへんもまだまだ。ゴールという結果はあったけど、大事なのは内容。ゴールは後半45分くらいの間のほんの1、2秒でしかない。45分通してどうだったのかが大事だから」

●田中マルクス闘莉王選手(浦和):
「湿度の高さはやばかった。Jでやっていて分かっているけど。代表に来たら慣れないといけないと思う。しっかりJでやらないと。今日は何とかできたと思う。(中澤とのコンビの手ごたえ?)中澤選手というより、阿部ちゃんとかみんな一丸となってやった。高さは計算できるし、経験もあるし、そういうところはよかったんじゃないか。でも最後は5バックになってしまってつらいですね。この間のアジアカップでは内容がよかったけど結果が出なかった。監督は内容にこだわっているのかもしれないけど、結果を出しつつ内容をよくしていくのが一番いい。そういうことを理解したうえで頑張りたい。得点については、自分よりでかい選手ばかりだったし、高さで勝つのは難しい。相手より前で触れれば何とかなるんじゃないかと思っていた。ヤット(遠藤保仁)からいいボールが来て触るだけでした。GKが出てきたのは分かっていた。あの位置ならちょっと体をひねらないといけないけど、狙い通りに行ってよかった。自分は守りだけじゃない。攻撃ももとめられている。これからもそういう部分を見せていきたい」

●加地亮選手(G大阪):
「相手のフィジカルが速いし強いし、いい体験だった。体に染み付いたというか。(前半の終わりにいいチャンスメイクをしてましたが) チームが勝てば、どういう形でも勢いはついていく。(流れの中からのゴールがなかったが)取れればもちろん一番いいけど、とにかく勝てばいい。流れでもセットプレーでも点を取ったら問題ない。これで負けていたらまたどうしてかといわれる。課題はつねにあるし、勝った中でも見つけつつ修正していくことが大事。今日はもう少し冷静につなぐべき場面があった。蹴るサッカーになってしまった。攻め込まれると人数もくる中で焦ってしまう。(闘莉王が入って?)相手がうまくて速いし、最初は3トップできた。そのカバーとかポジショニングをどうするかを判断しながらやった。こっちのフォーメーションと相手のフォーメーションを判断して変えていくことに気を使った。3枚への変化、相手が2トップにしてきたから。入りは4バックで考えていてどうなるかと思ったけど、最初は3トップで来たんで4のままで行った。後半ずるずる下がってしまったのは相手に当てはまってしまったということ。中盤も薄くなった。でも前半は収穫が多い試合だった」

●前田遼一選手(磐田):
「シュートを打てなかったのが残念だけど、ボールにいっぱい絡めたのがよかった。(いい落としをしてましたが)ヘッドはあまり勝てなかった。達也(田中)と嘉人(大久保)とかがタイミングよく入ってきてやりやすかった。先発はアップの前に言われた。3トップの真ん中でやったけど、センタリングにあわせられなかった。もうちょっとコミュニケーションを取らないといけない。もっとゴール前で時には相手に怖がられるようなことをしないといけない。アップの時には嘉人たちとプレッシャーがきつかったらダイレクトで、はたこうという話をした。(代表初出場ですが)長かったけど、そんなに特別な感情はない。次はチームで結果を残せるようにしたい。代表にも定着したい」

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2007年8月14日 (火)

カメルーン戦メンバー発表 オシム監督会見

<カメルーン戦 日本代表メンバー(※14日発表分)>
GK:川口能活(磐田)、楢崎正剛(名古屋)
DF:中澤佑二(横浜FM)、田中マルクス闘莉王(浦和)、加地亮(G大阪)、駒野友一(広島)
MF:橋本英郎(G大阪)、遠藤保仁(G大阪)、中村憲剛(川崎)、鈴木啓太(浦和)、阿部勇樹(浦和)、今野泰幸(FC東京)

登壇者
田嶋幸三(日本サッカー協会 専務理事)
イビチャ・オシム(日本代表チーム 監督)

田嶋 キリンチャレンジカップは今年2試合目になりますが、非常に素晴しい対戦国とやれることになりました。カメルーンはFIFA(国際サッカー連盟)ランキング15位、現在日本が36位です。今まで日本が戦った中で、一番ランキングが高いチームになると思います。カメルーンとは2001年のコンフェデレーションズカップで、そして2003年にも大分スタジアム(現:九州石油スタジアム)で戦っていますが、今回来日が予定されているメンバーの顔ぶれを見ますと、ヨーロッパのトップチームでやっている選手ばかりです。非常にいい試合、そしてチームにとっていい強化になると思っています。

オシム 私の手元にはもうひとつ別の選手名簿、カメルーンのものがある。どちらの名簿について説明すればよいか。カメルーンの選手について話した方がいいだろうか。大事なのは相手を研究すること。カメルーンに対して、どういう選手がふさわしいかだ。
まじめに話をしよう。カメルーン戦のメンバー選考のリストだが、次(9月)にオーストリア遠征も控えているので、基本的にはアジアカップのメンバーを元にしている。もちろん、アジアカップに選ばれていない選手に関しても(選ぶことが)ないわけではない。ただ、アジアカップに参加していたメンバーのグループは信用してよいと私は考えている。
 もちろん、タイトルを取るという期待に応えられなかったわけで、(ジャーナリストの)皆さんやファンの中にも失望している人がいるかもしれない。ただし、私個人としては4位という成績、もちろん実力的にはもっと上だったと思うが、結果としてそういう成績を残すことができた。内容は4位よりもっとよかったと思っているので、選手たちに対する信頼を私は失っていない。もちろん、アジアカップのメンバーのリストは閉じられたものではない。まだこれから出入りがある、つまり競争が行われることになる。
きょう発表したメンバーと、まだ発表していないメンバーがいる。とりわけアジアカップに連れて行った選手、そうでない選手、攻撃的なポジションの選手たちについては申し上げておかなければならない。おそらく何人かは(カメルーン戦までに)新しい名前が入るだろう。しかし、最終的に誰になるかはまだJリーグの試合が2節あるので、その結果を待ちたいと思っている。それは、実際的な理由からでもある。1試合だけ見るのでは足りない。つまり、その試合だけでアピールができた、できないという判断では十分ではない。ただし3試合待つのでは少し長すぎる。それ以上にけがをする危険が高まる。だから、2試合、最低土曜日まで様子を見ようと。その時点でもっとはっきりとしたビジョンが見られると思う。なるべく早くリストを手にしたいというジャーナリストの皆さんのお気持ちは分かるが。しかしそれは同時に、チーム作りの作業にも影響を与えるわけだ。
少し話は変わる。これまで記者会見はサッカー協会が主催してきたが、逆に皆さん方のグループ、記者クラブでもいいのだが、記者の皆さんたちが主催、イニシアチブを取って、アジアカップでどういうことがあったのか話をする会見を開こうという提案がなかったことが私は非常に残念だ。私は、何か説明しなければならない責任を感じている。同時に皆さん方が書いた記事、あるいは持っている印象について、私たちに伝える責任もあるのではないだろうか。私たちはお互いに共同作業をしている。私たちは私たちの仕事に責任を持つ。皆さん方は自分の書いた記事にきちんとした根拠と、論拠と論理、そういうものをはっきりさせる必要がある。こういうことを日本で言うと、気を悪くされる方がいらっしゃるかもしれないが、しかしそこをやらないと、代表チームと記者たちの間の本格的な協力関係というのは始まらないと思う。本来は同じ方向、同じ目標を持っているのだと思う。

――アジアカップが終わった後の総括的なコメントとして、個人で状況を打開できる選手、あるいはスピードの中で技術を発揮できる選手が足りないという話があったが、選手選考の基準をアジアカップ以前と変えたということはあるのか?

オシム 個人能力については一晩で改善されるものではない。日本だけでなく、世界の強豪国でも個人技術とチームプレーの関係については同じ悩みを持っている。今回はアジアカップの総括ではなく、カメルーン戦の話だと思ってやってきた。今日、私はアジアカップの話をする会見があってもよかったのではないかと言ったが、今の質問はそういう会見が開かれたときにもっと詳しく聞いてほしい。つまり、二言三言で片付けるには時間が足りない。例えば、個人的な能力とは何かということから説明しなければいけない。つまり、開かれなかったアジアカップについての総括の記者会見がまたあれば、その時にお話しする。

――Jリーグの残り2試合を見て残りのメンバーを選ぶという話があったが、そうすると現時点で選ばれた12人は次の試合のパフォーマンスとは関係ない、つまりチームのコアとして固定されたメンバーだと理解していいのか? また、残りのメンバーはこれまでに選ばれていない新しい選手がたくさん入るのか?

オシム もちろん、その2試合の結果だけで判断するわけではない。ほぼ毎日のように、選手についてはディスカッション(議論)をしている。私は日本語が読めないので新聞は読まないが、スタッフや皆さん方自身が毎日、新聞を読んでいるだろう。ジャーナリストの仕事というものには、プレッシャーをかけてメンバー変えさせるというのも含まれていると思っている。われわれの側ではそのプレッシャーをかわすのではなくて緩和する、それが私たちの仕事の一部だと思っている。つまり、変えるということを目的にして変えるのではなくて、変えたら新聞が売れるという結果になるわけだ。そうではなく、基本的なコンセプトとして、われわれスタッフも、それから皆さん方ジャーナリストも同じ目線で選手に対して、観察できるようになるのが理想だ。しかし今回はパフォーマンスより負傷の方を心配している。誰もけがをしたくてするわけではないが、負傷者が出た場合の心配をしている。スタッフミーティングでは何人もの名前が出ている。FWの選手も。攻撃的な選手で誰が話題になっているかというのは、皆さん方も見当を付けているのではないだろうか。攻撃の決定率の問題は日本だけでなく、世界中の問題。だから、(名前を)挙げろと言われれば、10人でも20人でもそれ以上でも名前を挙げることはできる。皆さん方の頭の中にも、候補が何人もいるはずだろう。しかし、それがチームとして当てはまるのかどうか、どういう状況でどういう対応ができるのか。そのイメージを持たないと、選手のクオリティーを話題にしてもあまり意味がない。ハンサムであるかないか、どのチームでプレーしているか、記者の質問に答えるかどうかという基準で選んでも仕方ない。試合で得点したかどうかはもちろん大事だが、それ以外も考慮しなければならない。つまり、チーム状態がいい時には、ゴールも生まれやすい。

――オーストリア遠征を控えたこの時期、カメルーンと対戦することにどういうメリットがあるのか?

オシム どの試合が重要で、どの試合が重要ではないかをここで申し上げるのは危険だ。もちろん、カメルーンが強豪なのは皆さん知っているだろうが、今年一番重要な試合だと申し上げたら、皆さんはどう感じるだろうか。9月にオーストリア、スイスともに日本を招いて対戦することで、自分たちのクオリティーを測ろうとしている。この試合も、簡単な試合にはならない。客観的に見ると、カメルーン戦は選手に経験の場を与えるという意味で重要。ワールドカップ(W杯)のアジア予選には、カメルーンのようなチームはいない。オーストリアやスイスのようなタイプのチームもいない。つまり、W杯予選の対策のための試合ではなく、選手のクオリティーを上げるのに、よい機会となるだろう。カメルーンは確実に強豪で、強い相手だ。選手にとっては、よいチャレンジの機会となる。ただし力の差を考えると、オーストリア、スイスの方が近いので、試合内容としては、そちらの方がよいものになるかもしれない。

――今回のように12人だけ発表するのは、できるだけやりたくなかったのか。それはジャーナリストから、もしくは何か別の圧力があったからこうなったのか?

オシム プレッシャーではなく、サッカー協会の職員がそうしたらどうかと。つまり、記者会見の日程を設定するのは協会の仕事だが、メンバー選考の権利は私にある。もし私が協会の職員であったなら、この場にノーネクタイでは来ない(笑)。選手について言えば、今回発表したDFやMFについても、多くのリストがある。つまり(選ばれた)この選手たちもボーっとはしていられないということだ。守備的なポジションについては、彼らがベストだ。もし「自分の方がいい」と思うDFがいたら謝るが、同じようなレベルの選手が5~6人いるのは間違いない。

 一方、攻撃的な選手については、そらで言えるくらい候補はかなり多い。名前を挙げろというなら、20人ほど挙げることができるが、20人全員を呼ぶわけには行かない。誰かを落として、誰かを決めなければならない。もちろん、中村俊、高原は含まれていない。国内に限っての選手選考だからだ。会見の設定については、何もそれが圧力だとは思っていない。もしそういうことであったら、このリストがそれに対する回答である。

――最終的なメンバーは何人の予定か

オシム フィールドプレーヤー16人とGK2人。欧州には、もう少し多く連れて行く。ここで選んだ全員が、オーストリアに行ければいいのだが。しかし、遠征には欧州組も何人か呼ぶ。長距離を移動していない、疲れていない(欧州の)選手を見ることができる。欧州遠征の時期には、ユーロ(欧州選手権)の予選が迫っているので、欧州のリーグも休みになる。日本代表の試合に出場するにあたって障害はない。

――カメルーン戦以降、年内のA代表の試合はUー22代表の試合と重なるため、彼らを呼べない。U-22以上の選手の見極めの第一歩となるのか

オシム 質問がよく分からない。あなたの考えを拝聴したということでよいか?
 A代表に優先権があるので、本来ならばU-22やU-20の選手を呼ぶことはできる。あなたが何を挑発したいのか、よく分かった。
 私がもし、今年の始めにカレンダーを作る立場であったなら、同じ日にU-22の試合を入れなかっただろう。しかし、今の段階で決まっているので、五輪代表がある程度の優先権を持っている。なぜかということを、ここで話すまでもないだろう。
私は日本人ではないので、なぜそれほど五輪にこだわるのか理解できないが、日本人の気持ちは尊重しようと思う。五輪の本大会に出場するのが大事だということは理解している。それに今回は、A代表は公式戦ではなく親善試合である。ただ、同じ日に試合があることは残念だ。つまり、若い年代の選手をA代表に呼べない。カメルーンという強豪と戦う際に、1人でも2人でも若い選手が一緒にプレーできれば、彼らにとっては貴重な経験の場になっただろうと思う。カメルーン戦は、特に若い選手にとっては経験だけでなく、選手としてのレベルアップのチャレンジの場として迎えることができればよかったと思う。しかし、協会が決めたことだ。五輪予選に優先権があることは私も承知している。A代表に呼んでもいいと考えている、何人かの若い選手たちが、強豪と対戦するチャンスを逃してしまった。来年のW杯予選では、若い選手を使えればと思う。なるべく早く、北京五輪の出場権を確保してもらって、A代表にも五輪代表にも、両方ハッピーになればいいと思う。おそらく近い将来、またこのようなA代表の試合に五輪代表の試合が重なることはない、と信じている

――協会が会見の日程を決めたとか、スケジュールが重なったとか言われているが、協会の代表である田嶋さん、ネクタイをしていないが、そのことについてコメントを

田嶋 まずネクタイをしていない理由について。あまりにも暑いので、と監督が言うのでそれに合わせました。しっかりとしたネクタイを千田さん(通訳)ともしていたんですけど(笑)。監督というのは、選手選考の権限を持っているので、われわれがそれについて口出しすることは一切ありません。記者会見については(報道陣の)皆さんに対してのこともあり、開いたと聞いています。この12人だけの発表でいいのかも話し合いました。オシムさんが常に言うのは、Jの選手にモチベーション持たせたい、残り2試合でどれだけ頑張れば、ここ(A代表)に入れるかもしれないことを含めて、活性化も狙っているということ。そのため、あえてこうした形をとらせていただきました。試合日程が重なることについては、インターナショナルマッチデーというのが決められていて、その中でやると、こうならざるを得なかったというのが、シーズン始めのマッチーメークの状況です。これはFIFAのデータ、AFC(アジアサッカー連盟)のデータと重なった中での結果です。われわれとしても、今後こういうことがないような形にしていかなければならない、と思っています。

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2007年7月29日 (日)

大会終了後のメディアアクティビティにおける監督・選手コメント(07.07.29)

日本代表は29日、帰国に先立ち、インドネシア・パレンバンにおいて行われたメディアアクティビティで、AFCアジアカップ2007を振り返りました。

オシム監督コメント(抜粋)】
「試合が終わってからの分析は、手遅れである。いいタイミングで分析をしないと役には立たない。終わってから分析が始まるのではなく、私は常に毎日適切な時間に分析はしている。その積み重ねで、より完璧な分析ができるのである。終わってからの分析は、自分が最後に見た試合に大きく左右されるから、気をつけた方が良いだろう。つまり、日本代表が負けた試合を基準にすると、全体的につまらない試合をしたかのように思ってしまうかもしれない。いま、特に何かを分析しないといけないというのはない。試合内容は、これまで1年間、私が話してきたことが表れたと思う。時々、女房は変えたいと思うが(笑)、自分自身は変えたくない。それがベストがどうか断言はできないが、いまの方向でよりエレガントで効果的な方向に進めればいいと思う。それはオシムのスタイルではなく、いまのサッカーの方向なのである。ヨーロッパの強いリーグのチームは、同じ方向性を目指している。しかし、そのリーグの選手と日本代表の選手には差がある。日本代表の選手がヨーロッパの一流選手のような役をして、その役に扮して演じるということはできると思う。そして、ある期間は、それがうまくいった。しかし、今度はその役を演じるのではなく、自分自身が良いプレーヤーになるべきである。
ポジティブな評価をできる点は、ひとつはJリーグの試合直後に合流して、準備期間のない中ある程度の戦いができたのはいい経験である。結果的に6試合戦うことができた。それぞれの選手は、多く走り、ファイトし、いい試合をした。ただ、ほんの少し幸運が足りなかった。幸運以外で日本のサッカーに欠けているものは、きょう始まったものではない。この大会以前、何年も前から日本サッカーが抱えてきた点が、不足している点なのである。個のレベルアップなしには進まない。サッカーというのはそういう特別なスポーツなのである。
(4ヶ国で主催したことに関して)初めて主催した国々ばかりである。サッカーの人気、底辺を広めるためには、このようなことがあってもいいと思う。今回は、ある種の試みだった。ただ、アジアという地域で行うことにおいて、気温、湿度などを考慮した場合、夏に開催するというのはいかがなものかということを申し上げておきたい。サッカーの素晴らしさを伝えるのが目的なのであれば、普通にサッカーができるコンディションを整えるべきだ。

【川口 能活選手コメント(抜粋)】
「サッカー漬けの毎日だった。アジアの大会というのは独特の戦いがあって、初めて経験する選手も多かったし、経験という意味ではいい勉強になったと思うが、チームの底上げはしていかないといけない。ただ、1年経って、着実に進歩しているが、足りなかったところがあったから勝てなかった。暑い中で集中するのは難しいが、この大変さを活かすことが大事だと思う」

【中澤 佑二選手コメント(抜粋)】
「チームとしての方向性は見えたと思うので、あとは個のレベルのアップ。上にあがるにつれ、(対戦相手の)個が強くなってきている。僕が若い選手の評価をする立場ではないが、(初めてアジアカップを経験した若い選手たちは)移動も大変だったし、がんばったと思う。良いプレーと悪いプレーが自分の中でわかったと思うので、それを次までにどこまで修正できるかが重要だ」

【中村 憲剛選手コメント(抜粋)】
「結果は4位だったが、このような経験をしたのは初めてだったので、個人的にはアジアの国との真剣勝負で得るものが多かった。6チームと対戦し、どれもタイプが違い、引いてくる相手もいれば、ガツガツくる相手もいた。それに対して、試合ごとに自分の役割が変わっていく中で、暑い中でミスをしないでボールを回すというのが大切だった」

【中村 俊輔選手コメント(抜粋)】
「優勝はできなかったが、どの試合でも日本の形ができたので、個人の感覚としては悪くないと思う。アジアカップというだけで、前の大会と比較しすぎるのは良くない。残りの3年をどう活かすか、どう変わるか。今回の反省を活かして、強い国と戦って前に進まないといけない」

【高原 直泰選手コメント(抜粋)】
「自分たちが、こういうサッカーを目指しているという根本的なものを、今後はより膨らませて、もっといろんなバリーションなり、攻撃の質なりを上げていく必要がある。今大会に限っては、自分たちの目標は果たせなかったが、チームの骨格は見えてきたし、監督が考えるサッカーの浸透度を選手が汲み取って、質をあげないと監督が考えているところに追いつかないと思う

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アジアカップ韓国戦後、いろんなコメント

●オシム監督(日本代表):
Q:敗戦の原因を何だと感じているか?
「ゴールを挙げられなかったことだ。ただし正確には負けたとは思っていない。PK戦まで行ったのだから。それはサッカーにおいて負けにはならない。質問に何か意図が隠されているように思うが…。つまり0-0、延長も0-0。負けたのはPK戦だけ。幸運と集中力の差だけだった。
 昨日の会見でも話したが、負けた場合にはチームをいじるという原則がサッカーにはある。それが一般的になっている。私はそれと反対のことにトライした。負けてもチームを変えなかったのだ。レギュラーの選手たちにもう一度、チャンスは与えられるようにした。私が選んだメンバーがよかったのか悪かったのか、もう一度見たいという考えが方針としてあった。結果については選手には何も文句は言いたくない。個人的にそう考えている。
 戦術的な選手の配置については、1人の選手が複数の役割を担わなければならないスタイルを取っている。選手がもう少しだけ個人のテクニックを上げることができていたら、さらに2~3人のよりスピードある選手を使うことができた。加えて、これは極めて大事なことだが、より優れたFWがいたら…。これには注釈があって、今のFWがよくないといっているのではない。もっと優れたFWがいたらという仮定の話だが、それに多少の経験を積んだ選手がいればもっとよかっただろうと思う。
 これはアジアカップの結果だが、これでサッカーが終わるのではない。今大会の内容として、約20日で6試合をこなした。これがハードであったことが1つ。厳しい条件の中で選手はよくやってくれた。日本よりもはるかに強い相手と対戦することができなかったので、つねにこちらが主導権を取ることができた。
 私の話をどう解釈するかはみなさんの自由だが、まだお聞きになりたいというのならもっと話すこともできる。しかし、これ以上は沢山だと思う人もいるだろうから、このへんで一応のまとめにしたい。これが敗因についてのコメントです」
Q:選手交代が固定化しているように感じられたが?
「もちろん交代のオプションは数多くある。背の高い選手と対戦するなら試合展開はキック&ラッシュに変わる。他の選手はハイボールを蹴ることになる。そういう勝負になれば韓国の方が強いだろう。背が高く、ジャンプ力もある。だから、別の方法を採ろうと思った。プレーを通じてディフェンスラインの裏のスペースを使う、あるいはビリヤードで言うところのフリッパーショット(ボールを早く動かすこと)などだ。それは何度か成功した。背の高い選手の後ろのスペースにボールを運ぶことができたと思う。しかし、その方法を採った結果、疲労も早い時間に蓄積されてしまった。そのためアイデアが沸かなくなり、テクニックが不正確になり、コンビネーションもうまくいかなくなった。選手交代の結果がよかったかどうかはフィフティ・フィフティだったと思う。
 今日は高原を長く残した。フィジカル的には無力であったにもかかわらず残したのは、彼は疲れていても、何とか試合を決めてくれるではないかと期待したからだ。その意味で、矢野の投入は遅すぎたのかもしれない。あの時、相手のディフェンスがパニック状態になった。最後の時間帯で2~3のチャンスを作ることができた。だから、幸運とフレッシュな状態が少し足りなかったといえる。もちろん、もっと背が高くてジャンプもあるとか、個人能力が高い選手などがいれば、こちらがゴールを決めてPK戦の前に試合を決めていたかもしれない。それが選手交代についての説明だ。
 もちろん、他にも代えたほうがよいと見受けられた選手はいた。鈴木啓太、中村俊輔、駒野、加地。そういうところだ」
Q:これで大会が終わったが、試合内容を受けて、日本が変えていかなければならない課題は何か?
「それについては、これまでの答えの中で触れているはず。今日はあえてリスクを冒してメンバーを組んだ。今日の試合を含めてこの大会はそうであったわけだが、相手が2トップできても2ストッパーで対応し、その隣にサイドがいるが、事実上真ん中の2人のストッパーとボランチ2人のうち1人の3人で中央を守る。そういうリスクのある守備をしつつ、中盤のプレーメーカーを自由にさせる。もちろん、クオリティの違いもあるし、相手の戦術にもよる。その時点で使える選手が、どんな能力を持っているかにもよるが、そういうリスクを冒しながらプレーするサッカーが、日本人には合っていると思う。そういうものを見たいと思う方には、変えるべき点が見えると思う。
 もちろん他にも解決策はあるかもしれない。たとえば今日、あらかじめ韓国が2トップでくると分かっていたら、われわれは坪井を加えて3バックでスタートしたかもしれない。しかし、そうではなく、最初は1トップに2人で対応し、中盤の真ん中は3対3で試合が始まった。韓国のチーム力はサウジよりはるかに上だったと思うが、2ストッパーとボランチでも大きな破綻はなかったと思う。もちろん、人間だからミスは出る。サウジ戦で負けたが、もう一度、同じチャンスを与えた意味はそこにあった。もっとも、そのチャンスを生かせたかどうか。チャンスは3度ないかもしれない。私の故郷サラエボの諺で『同じチャンスは2度来ない』というのがある。それを2回与えて結果を出せなかった人間には、もうチャンスはないかもしれない」
Q:オーストラリアには勝ったが、サウジと韓国に敗れた。このことについてどう思うか?
「私が何と答えれば満足するだろうか?」
Q:素直な気持ちを答えていただければ結構です。
「サッカー監督とジャーナリストとは思考回路が違う。つまりサウジに負けたことと今日の敗戦、つまりPK戦での敗戦について『2回続けて負けた』、つまりチームがカタストロフィー(破綻)に陥ったという雰囲気を作ろうとしてるのであれば、そしてオシムをクビにしようというのであるのなら……」
Q:そんなつもりはないが(笑)
「ありがとう(笑)。興味のある方は、日本がアジアカップで優勝した当時の映像と、今日の試合の映像とを比べてみてほしい。細かいところまで、よく比べてほしい。その分析の結果、どちらの日本代表のほうがよいサッカーをしていたか、感想を言ってもらえるとうれしい。負けた勝ったではなく、試合の内容を見てほしい。
 もちろん、トルシエ、ジーコといった歴代監督、そして当時の選手に対しては私は敬意を持っている。しかし、どちらのサッカーがいいサッカーをしていたのか。もちろん、違う意見の方もいらっしゃるかもしれないが、私は私の考えを持っている。今日の試合は…こういう比喩は顰蹙(ひんしゅく)を買うかもしれないが『2回ズボンを下ろして見せるべきでないものを2回見せてしまった』ということになるだろう(苦笑)」

●高原直泰選手(フランクフルト):
「2列目から積極的に飛び出していく形を試合前からやっていたけど、うまくいった部分がある反面、攻めあぐねて相手の中盤の守備、プレッシャーによって自分たちのつなぐサッカーがエンストしてしまった面もある。サウジ戦もそうだったけど、プレッシャーがかかった中でいかに自分たちのサッカーをやるのかということも1つのポイントだと思う。もちろん今日にしてみれば、コンディションとかいろんな問題はあったけど、そういう中でも自分たちがやらなきゃいけなかった。ここで結果を出すことで自分たちの内容とか、そういうものを証明したかった。今日の結果は残念だったけど、とにかくこの大会で得たものをまたゼロにするのではなく、ここで得たものをもっともっとよくする形で続けていければいい。今日もそうだけど、相手が1人少ない状況で自分たちがチャンスを作りながら勝ちきることができない、押し切ることができないということは自分たちの弱さだと思う」

●山岸智選手(千葉):
「絶対この結果で納得はできない。初戦に先発で出してもらえて、それから4試合出場できなかったにも関わらず、今日先発のチャンスを与えてくれて、監督の期待がまだまだあると感じられた。そういう期待に応えられなかったことは僕もやりきれない思いだし、満足できない。(移動に2日かかったことでの疲労?)僕はこれまで試合に出ていたわけではないし、体が重いとは思わなかった。もう少し前の選手がゴールに直結プレーをできればよかった」

●水野晃樹選手(千葉):
「これからが大事。こういう悔しい思いをしたんで。こういう気持ちを次につなげていかなきゃいけない。自分にとっても出場機会があったけど、必要な時に出られず、そこに対しては悔しい思いをした。自分の未熟さも感じた。難しい試合で使われるように上を目指してやらなきゃいけない」

●坪井慶介選手(浦和):
「大会を通じてみんなよく走った。前回は出ることもできなかった。それを考えるとよくなかった。これを生かすのは自分次第。悔しさもよかったこともある。生かすも殺すも自分次第。こういう立場でチームの中での年齢も上だし、チームのことを考える割合も多かった。その分考えてやっていることが多かった」

●中澤佑二選手(横浜FM):
「(引いてくる相手に苦しんだ?)でも結局は崩せなかった。仕方なかったのかな。ゴールネットを揺らすことはできなかった。オーストラリア戦を含めて10人になった相手をどう崩していくかということは、もっと考えていけないといけない。例えばミドルシュートとか、ただのクロスを上げるだけじゃなく、相手が嫌だと思うようなプレーをしなければいけない。相手が守ったら崩せないでは、これからもアジアの戦いは厳しくなる。守って崩せないとみんな守ってくることになるから。
(チームの成長は?)どうかなあ。そのへんはまだ分からない。まだまだ伸びる可能性はあると思う。チームとしての方向性については、通用する相手とそうでない相手がいた。サウジのようなチームを相手にした時は今回のような形だけでは崩せない。そのことをみんなが感じていれば大会は意味があったし、もっとチームが強くなっていくと思う」

●加地亮選手(G大阪):
「(疲れていた?)延長まで行けばね…。(ミスが多かった?)それは疲れより技術の問題だと思う。反省しないといけない。(今大会を振り返って?)押した展開でやれたのはよかったけど、最後のところで決め切れるところだったり、パスの精度だったりが今ひとつだった。こういう大会というのは勝てば乗っていくけど、結果が出ていないから。サッカー的に悪くなくても結果がついてこなかった。全て結果。今回は押してて結果が出ないけど、前回は内容が悪いのに勝ったということ。大会を通じて思ったのはミスを減らすこと。全体的にまずはそこ。集中力の問題もあったと思う。90分ずっとミスせずにはできないし、疲れた中ではミスが出るのも仕方ない。そういう中でも勝てるようにならないといけない」

●遠藤保仁選手(G大阪):
「PK戦はもうしょうがないね。その前に決定機があったし、10人になってからもチャンスを作れた。点を取れればよかったけど、残念です。攻撃陣のパスミスが多くて、流れが止まってしまうところがあったのは反省点」

●羽生直剛選手(千葉):
「(PK戦の最後のキッカーになってしまったが?)僕のミスです。あれで試合が終わり、大会が終わった。それだけです。(6人目のキッカーは決まっていた?)6人までは名前が挙がったんで。正直、蹴りたくなかったけど、あえて名前を挙げてくれたから、何かの意味を感じて蹴るようにした。こういう機会が初めてだったけど、蹴る時は集中して決めるつもりで蹴った。(出るタイミングも難しかった?)相手が少なかったんで、ディフェンスラインの背後に出るとチャンスになると思った。そこで起点を作ることを心がけた。中盤とディフェンスラインの間で受けて起点を作ることも大事だった。(今日も決定機があった?)初戦でもビッグチャンスを逃したし、僕の感覚では入る時は全部入る。入らない時は全部入らない。そんな感じ。今大会では初戦の重みをすごく感じた。あそこで点が取れていればその後は伸び伸びできたと思う。チームに貢献できなかった」

●鈴木啓太選手(浦和):
「相手の情報の中からウイークポイントをどう突くかが大事だった。どの大会、どの試合でも一緒なんで。僕はアジアカップという公式戦に代表として初めてのぞんだ。この大会が一番の目標でないとは言っていたけど、最終目標でないとはいえ結果を残せなかったことは悔しいし残念。責任の重さもすごく感じる。それでも自分はまたサッカーをするしかない。今大会を通じて、引いた相手をどう崩すかという課題に直面した。大会でやってきたことをビデオを見直して『ああだこうだ』と言っていれば、120分の試合なら3倍くらい時間がかかると思うけど、細かい作業をしていくしかない。Jリーグとはまた違った大会だったけど、自分の中でイメージを持ってやったり、トレーニングの中からチャレンジしていくことが大事。もっと高いところを見なければいけない」

●川口能活選手(磐田):
「国際経験ではもっとタフさが必要だと感じた選手は多い。タフさをチームとして求めていくべき。そうはいってもみんなよく頑張った。ベトナムは特に暑かったし、この移動も僕自身、経験したことのないものだった。そういう中でみんな頑張った。でも勝つためにタフさが必要だと思う。
 PK戦に関しては僕が悪い。1本でも止めていれば羽生があんな思いをすることがなかった。ああいう状況でも止められるようにしたい。方向は何本かあっていたけど、結局は止められなかった。もっと練習してもっと止められるようにしたい」

●呉章銀選手(韓国):
「1人退場して厳しい試合だったけど、みんなで1つになって戦った。(足がつって途中交代?)久しぶりの先発で感覚的によくなかった。できる限りやった。日本にはうまい選手が沢山いるけど、日韓戦というのはそういうのは関係ない。韓国がメンタル的に強かった。気持ちで勝ったと思う」

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2007年7月27日 (金)

日本 vs 韓国、試合前日、いろんなコメント

●オシム監督、川口能活選手(磐田):
Q=今回のAFC(アジアサッカー連盟)のオーガニゼーションをどう思うか?
(オシム)「その件については、それほど重要ではない。いい質問だが、重要なのは今であり、明日の試合のことだ」
Q=決勝戦ではなく、3位決定戦を戦うことになった難しさをどのように考えるか?
(オシム)「まず、このような遅い時間に集まっていただき、みなさんに感謝の言葉を申し上げたい。みなさんは日本が決勝に行くと信じていたが、準決勝で敗れたので、ここに来なければならなければならなかったのだろう。選手に代わって、ありがとうと申し上げる。もしそこで、準決勝の敗戦の責任が誰であるのかとお探しであれば選手に聞かないでほしい。すべての責任は私にあるのだから」
Q=ワールドカップ予選の方が大事なので、今大会は練習と考えているのか?
(オシム)「その質問に何を言わせたいかの答えが含まれている。決勝前夜の会見であれば何を言ったか分からないが、3位決定戦の前夜なのでそれは言わないでおく。しかし、日本はベスト4に入ったのだ。これは結果として悪くないのではないか。これがワールドカップ予選の結果だとしたら、本大会の出場権を獲得したことになる。しかし予選は毎回難しくなっている。それぞれの国がレベルが上がっているからだ。5位の国のことも考えなければならない」
Q=3位決定戦は大事だが、フレッシュな選手にチャンスを与えることは?
(オシム)「何が聞きたいのか。つまり、3位決定戦が大事なら若い選手は使わない。大事でないなら使う。そのどちらなのか?」
Q=3位決定戦が大事だから、選手をどう使うかと聞いているんです。
(オシム)「2つの質問は意味が違う。中村俊輔や高原や遠藤を明日プレーさせたら、疲れた選手を使うことになる。もし使わなかったら『どうしていい選手を使わなかったのか』ということになる」
Q=勝つためにどうするかと聞いているんだが?
(オシム)「誰が勝つと言ったのか? いつでも勝てる方法があるなら教えてほしい。そういうものは存在しない。私に何を言わせたいのか分からないから、非常に答えにくい質問だ。『私が何を考えているか』と言いたいのなら、そのように聞くべきだろう。あるいは、『どう戦うか』なら選手に聞くべきだろう。ここでケンカをしても始まらないので、これで切り上げるが…。つまり、選手が疲れているという状況を前にして、考えなければならないのは誰を使うか、使わないかということ。それは今、ここで話すことではない」
Q=敗戦の責任は自分にあるということだが、もし明日負けたら、具体的にどういう責任を取るつもりなのか?
(オシム)「どういう意味で聞いているか分からないので答えられない。私自身は決められない。他の誰かが決めることだろう」
Q=川口選手に伺います。残念ながら決勝には進めなかったが、どういうことを考えて明日の試合にのぞむのか?
(川口)「韓国と決勝で試合ができないのは残念。けれども、3位決定戦だからといって負けられない。韓国とは、これまでも大事な時に戦ってきた。韓国という存在があってこそ、日本も強くなっている。とにかく明日は移動とかスケジュールの問題もあるが、その全てをはね返せるような試合にしたい」
Q=日韓戦は日本にとって特別な意味合いがあるが、それに対しての意気込みは?
(オシム)「私は日本人でないので、どんな特殊な試合なのか、逆にみなさんに伺いたい。私が思うに、韓国に日本以上にモチベーションがあるということだ。これは日本は難しい。とはいえ、これは日韓戦である以前に3位決定戦。どちらか勝つかは運不運にも左右される。どちらが勝ったから、負けたからといって、日韓の代表監督のどちらかの首を挿げ替えるという雰囲気があるというのなら、それは非常に残念なことだと思う」
Q=川口選手に伺います。ここまで韓国はあまり点が取れていないが、彼らの攻撃陣の印象はどうか?
(川口)「試合を見たが、たまたま入っていないだけで、相手のDFに当たったり、コースが少し外れたりしているだけ。ちょっとの差だと思う。イラク戦でも主導権を握っている印象を受けた。やはり一瞬の気も抜けない試合展開になると思う。彼らは守備が安定しているので、点を取るもの難しい。クロスからの攻撃も迫力がある」
Q=疲れもあるし、相手のモチベーションも上回っている中、日本にとっては何が重要になると思うか?
(オシム)「まず、相手のモチベーションは高いが、日本もそれに負けてはならないということ。韓国にはJリーグでプレーしている選手も何人かいるが、特に彼らは日本に対してモチベーションが高いだろう。韓国が勝ってFIFAランキングで日本を上回れば、彼らの日本における価値、尊敬が高まるという考えもあるだろう。つまり彼らは、日本で生活の糧を稼いでいるわけで、ここで評価が上がればもっとサラリーが上がる。それは選手が普通に考えることだ。彼らの側が日本選手の個々についてよく知っているというのも我々には問題だ。それはある意味、向こうのメリットだが、こちらも彼らを知っているというデメリットもある。よくお互い知っているので、試合がオープンになる可能性も否定できない。だから、お互いに危険なプレーをする覚悟で戦うだろう。付け加えるなら、これは日本に来てから気が付いたことだが、韓国選手の方が運動能力が高い。背が高く、ハードなプレーができる。そういうことを聞いてはいたが、日本に来てから初めて確認できた。それを我々はハンディキャップだと考えないほうがいいだろう。我々にハンディキャップがあるとすれば疲労である。明日の試合では、こちらが動き回って、こちらの方がフレッシュだと思わせられる状況でプレーしたい。それができないようであれば、日本は不利になるといわざるを得ない。私はジレンマに立たされている。みんな選手は出場したがっている。立派なことだ。しかし、選手1人1人がどこまでできるかを私はまだ判断していない。
 どうか理解してほしい。選手が人間であることを。みんな試合に出たいし、疲れていても『できる』と言う。その気持ちを否定することはできないが、実際に出て動けない、力がでないということもあり得る。その結果、試合に負ける。もちろん、その選手を使った監督に責任がある。そんなジレンマに立たされているのは、他ならぬ私だ。みなさんは明日、どういう選手が出るか楽しみにして、どうかゆっくりお休みください。私は夜中起きてアスピリンを飲みながら明日のことを考えようと思っている。
 明日が日韓戦ということは、もちろん承知している。が、私の選手は人間である。人間として『活躍したい』、『出たい』という自然な気持ちだ。しかし監督の仕事として、出たいという選手を単純に満足させるべきなのか。そのために勝つ、負ける、おそらく負けるかもしれない。そこで監督として何を選択すべきなのか。よく監督はそうした選択を誤ることがある。だから誤らないように、私は考えている最中だ。その際、選手を何かの部品でなく、人間として考えるようにしている。人間性を大事にしたいということだ」

●ピムファーベーク監督(韓国):
「グループリーグを戦ったインドネシアに戻ってこられてハッピーだ。いいトレーニングができている。マレーシアから移動してきたばかりだが、選手たちも調子を上げてきているし、コンディションを回復するのにまだ24時間残されている。日本のようないいチームと対戦できることは、情熱をかき立てられる。素晴らしい試合になることを期待している。もちろん、両チームともにジャカルタに行きたかった。が、負けてしまったことは仕方ない。3位決定戦の準備はできている。日本も準備ができているだろう。明日はこの美しいスタジアムで美しい試合を見せたいと思う」
Q=5試合を通じてストライカーが得点を挙げていないが、どうするのか?
「彼らは明日、得点するだろう」
Q=決勝トーナメントは2試合とも延長、PK線までもつれたが、選手たちの疲労や負けたことによる落胆はあるのか? 明日の試合ではこれまでのサブを起用するのか?
「もちろん、2試合連続でPK戦までもつれたことは言葉では説明できないほど大変なことだ。これに打ち勝つかどうかは、気持ち次第である。選手たちはOKだ。私のもとにはコーチがいるし、私も韓国で長くコーチを勤めてきた。我々に問題はないし、非常にいい状態だと約束できる。メンバーの変更に関してだが、我々には素晴らしい選手、3人の素晴らしいGKがいると、私はいつも話してきた。明日はフィットした最強のチームで試合にのぞむつもりだ。明日の試合に勝って3位になりたい」
Q=アジアカップ後、韓国代表の監督を続けるのか、それとも辞任するのか?
「すでに決心したと言ったはずだ(準決勝に進めなければ辞任すると話していた)。そして決心したことを変えない男だとみんなに理解してもらえていると思っている。明日の試合に勝って3位になること。それが今、一番重要なことだ。我々は韓国のために、そして名誉のために戦う。それは私の状況よりも重要なことだ」
Q=明日の試合に勝って3位になったら次回大会の予選は免除になるが、それを目指して戦うのか?
「2011年のことは遠すぎてわからない。私が監督を務めているかもわからないし、現在の選手たちがプレーしているかもわからない。今、重要なのは、明日の19時35分のこと。試合に勝利することだ」
Q=大宮、京都とかつて日本で監督を務めた経験があるが、その面は明日の試合で有利に働くと思うか?
「対戦する国で働いていたことはアドバンテージになる。私は日本の長所も短所も知っているし、アジアカップの試合も全て見ている。100%準備はできている」
Q=これまでの試合でMFを変更し続けているが、なぜか?
「相手や選手のコンディションによって変えている」
Q=弟のロバートが大宮で監督を務めているが、彼から何かアドバイスは受けたか?
「何も聞いていない(笑)。弟とはよく電話で話してはいるが、今回の試合のことに関しては話していない。私は日本で働いていたし、サッカーに興味を持っているから、インターネットでフォローしているよ」

●遠藤保仁選手(G大阪):
「(中村俊と並ぶボランチか?)100%ないと思う。大事な試合だし、ここで試すようなこともないだろうから。もし使われるのなら100%の力でやりたい。もともと僕はボランチだし、やりやすいから。(韓国の情報は?)全く確認していない。だいたいイメージはできている。知っているメンバーはほとんどいないけど、今日はミーティングをやっていない。明日ゆっくりとやると思う。ここまで来たら、自分たちのサッカーを信じてやるしかない。相手より勝ちたい気持ちを出せるかどうかだ。(移動中にみんなで話した?)全体的にはない。特に出ているメンバーとはちょこちょこ話した。(反省点は?)失点シーンがセットプレーだったり、2対1でボールを取れなかったりしたんで、修正したい。韓国戦に向けて気持ちを切り替えたい。(移動してきて明日ゲームだが?)しょうがない。日程的に厳しいことは最初から分かっていた。自分たちが招いた結果だし、できるだけいい状態でやれるようにしたい。今後、もしかしたらこういう状況があるかもしれない。連戦で暑い中でやってたし、プレッシャーもあって体的にも気持ち的にも疲れているけど、最後の試合だし、次のアジアカップへ向けて大事な試合。相手が韓国だし、向こうも強い気持ちで来る。こっちも強い気持ちで行きたい」

●矢野貴章選手(新潟):
「(韓国戦は)どちらも決勝戦には行けなかったけど、大事な試合。勝ちたいし、その中でチャンスをもらえたらしっかりプレーしたい。(今大会に出て得たものは?)今はまだつかめていない。試合に少しずつだけど出て、経験していることが、僕にとってはプラスになると思う。韓国との試合は激しい試合になると思うし、やっぱり日韓戦は負けられない。厳しい試合になることは間違いない。すごくフィジカルコンタクトが強いし、スピードがある人もいる。タカさん(高原)と組んだ場合には、2人の距離とスペースを空ける動きに気をつけたい。空いたスペースに動いてチャンスをつかみたい。与えられた仕事をきっちりこなしたい」

●中村憲剛選手(川崎F):
「今日の感じでは出れるかどうか分からないけど、自分の中で何があってもいいように準備していく。今日はかなり涼しい。ハノイの暑さとは全然違う。でもグランドを走ると汗が出てきて、じめじめしている。(移動疲れは?)ずっと移動していたわけじゃないし、昨日も練習なしで今日も休めたし、移動もそんなに長くはなかった。(体調は?)分からないけど、体的に軽く動けるようにストレッチして、いつも通りのぞみたい。韓国とやる時は気持ちが大事。相手も準決勝で負けてがっかりしているだろうと思う。この大会の最後だし、しっかりと結果を残したい。非常に大事な試合になるだろうし、この大会は全部出たいと思っているのでしっかりやりたい。受けに入るんじゃなくて強い気持ちで行かないといけない。先制点が大切になると思う」

●中村俊輔選手(セルティック):
「韓国は何年か前からオランダ的なやり方でやっている。サイドにうまい選手がいるし、いい選手も多い。フィジカルも強いし、ヒディングの流れでこのまま今も来ている。オランダサッカーを継承しているし、選手1人1人がダイナミック。いいプレーをしてセンタリングを上げて、中の大きい選手に当てるという感じでやってくる」

●伊野波雅彦選手(F東京):
「(明日出場したら?)1試合も出ていないけど、いろんな国の試合を見てきた。明日は気持ちの問題。どっちが強いかで結果は決まる。気持ちが伝わるプレーをしていきたい。(U-22代表のキャプテンとして?)そういう立場もあるし、チームの雰囲気のいい部分を浸透させていきたい。U-22とは監督も違うし、違うサッカーなんで。でも長い期間合宿をやって、課題も見つかった。課題を修正すればやっていける。(課題とは?)それは自分の中にとどめておきます」

●駒野友一選手(広島):
「(オシム監督と喋っていたことは?)2回切り返しをしろということ。1回切り返してクロスを入れるのはできているけど、サウジの3点目のような2回切り返して中に入れるという形をやってみろといわれた。他のチームにやられたことはやり返せとオシム監督に言われた。あとはいつも通り。最後は勝って終わりたい。最後だし、疲れは言い訳にできない」

●加地亮選手(G大阪):
「明日は出るかどうかわからないです。(移動は大変だった?)それはある。体的にもよくはない。でもその中でできることをやるしかない。疲れは気持ちでカバーするしかない。明日の試合はどれだけ気持ちを出せるか。とりあえずはやるしかないでしょう」

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2007年7月25日 (水)

サウジアラビア戦後、いろんなコメント

オシム監督会見
サウジアラビアに「おめでとう」と申し上げる。それはまず言っておかねばならない。同時に、日本の選手もよくやってくれた。負けたわけだが、試合の最後まで全力を出してくれた。残念ながら疲労が上回ってしまった。特にチームの重要な選手にそれが起こってしまった。疲労から集中力が失われたり、アイデアが出なかったり、それが残念。サウジアラビアは結果として勝ったわけだが、こちらは2回追いついて、3回追いつくことができなかった。今後、克服しないといけない課題もあるだろう。だが日本の力が劣っていたとは思わない。試合の内容からいえば、チャンスの数ははるかに多かった。ただし向こうの方が運があった。こちらの得点が決まらないうちに疲労がたまってしまった。つまり、効果的に(ゴールに)結び付けるプレーができていなかった。彼らは3回のチャンスを全部、得点に結び付けた。こちらの集中が途切れた時間帯に、それが起こった。そういう内容だった。向こうの(攻撃の)3人と、こっちのDFの3人の関係をスコアが表している。
――日本は、スローなビルドアップだったのはなぜか?
スローなプレーにはそれなりの理由がある。最初の理由は疲労だ。もう一つの理由は、速いプレーを許されなかったこと。(サッカーは)相手なしで自由にできる競技ではない。確かにプレー全体がスローだった。中心選手が疲れからアイデアを欠いていた。つまり疲れていると、アイデアがわくのもスローになる。
――克服しなければならない課題とは?
何を解決しないといけないか、話すと長くなる。それはわれわれのベストな部分を、さらによくしなければならないということだ。世界のサッカーに沿った発展をしないといけない。最もアイデアのある選手たちは、よりスピードがあり、より多く走ることができて、選手の全面的な能力を備えている。全面的とは、さまざまな役割を果たすことができるということ。つまり今の中心選手の中には、自分にはできない、あるいは苦手なポジションがあるということだ。誰とは名前を挙げないが、よく試合を見ていれば誰について話をしているか分かると思う。
――1試合も失点ゼロに抑えられなかったのは、何が原因だったのか
どういうシーンで失点したかを分析しないといけない。もう一つ、われわれはリスクを冒してプレーしていたということだ。だからリスクを冒すということは、失点する確率が高いということだ。相手の2トップに対して、2人のストッパーで守備を長い時間続けたわけだ。そのリスクを冒すことで、もう一つ別のポジションでフリーになる選手が1人出てくる、という考え方だ。それがプレーメーカーだったり、素晴らしい選手だったりするわけだが、逆にリスク回避してリベロを置く、つまり3ストッパーを相手の2トップに付けるとするならば、中盤での数的優位を失われることになる。そのどちらを選ぶかだが、私は今のサッカーの信奉者である。その方が魅力的ではないだろうか。その方がオープンなゲームになるし、美しいフットボールになる。残念ながら、何かが伴わなかった。何が足りなかったかは、お分かりだろう。

サウジアラビア代表ドス・アンゴス監督会見
非常にタフで、ベストゲームの一つ。今日の勝利をうれしく思う。これまでわれわれに対して「幸運だ」と言ってきた人々に対し、ひとつの答えが出せただろう。今日の勝因は、選手たちのスキル、能力、そしてボールポゼッションが良かったことだと思う。
(選手が疲れていると言っていたが)協会が素晴らしいフィジオセラピスト(理学療法士)をブラジルから用意してくれた。彼はグレミオのスタッフで、困難なジャカルタからの旅において、いい対応をしてくれた。
 今日の勝利は中東のサッカーにとってハッピーなことだ。イラクにとっても決勝進出は祖国に幸せをもたらすことだろう。サウジアラビアとイラク、2つの国にとって幸せなことだ。

■中澤佑二(横浜F・マリノス)
同点に追いついても、相手のたった1回の攻撃をはね返せなかった。相手を勢いづかせてしまい、止められる能力がなかった。相手のいいところを出させてしまった。ドリブルが得意なら、それをやらせないようにしないといけなかった。
 同じことを繰り返していたら成長しない。しっかりと振り返って、ワールドカップ予選につなげたい。

■中村俊輔(セルティック)
サウジの2トップは強烈だった。いい2トップがいることで、ほかの8人が守備に専念できる。ずっと8人で守っていて、やりにくい相手だった。向こうの守備も、よく日本を研究していた。相手の戦術にはまってしまった。追いかける展開では、タフさが必要になる。
 個人技を出すタイミングがまだ難しいが、チームの基盤は見えた。手ごたえがあったし、大会に参加できてよかった。
(3位決定戦で当たる)韓国とはやってみたかった。本当は決勝でやりたかったけれど。

■鈴木啓太(浦和レッズ)
失点してはいけない時間帯にやられた。後半の頭や、攻めようとしている時間での失点が痛かった。疲労の問題ではなく、自分たちのミスが多かった。失点シーンも、人数がいる中でやられている。目立つのはフィニッシュの部分だが、実際はその前から始まっている。いろいろなミスが重なった結果として失点した。サウジは非常に日本を研究していたと思うし、強い相手だった。
決勝に行きたかったが、これが現実。負けるべくして負けた。自分たちの力をしっかり出せなかった。サウジはいいチームだったが、非常に悔しいし、残念。

■川口能活(ジュビロ磐田)
みんな頑張っていた。やろうとしているサッカーを体現しようとしていた。ゲームの流れをいかに変えるかは、代表チームに限らず重要なこと。それは交代選手だけの責任ではなく、出ている選手が変えられるようにならなければいけない。常に同じリズムで戦うのではなくて、流れを読み取って、ボールの運び方なりを変えられるチームにならないと。このチームは、まだそこまでには達していない。

■川淵三郎(日本サッカー協会会長)
残念だが、これも勝負。弱点があるからこれだけ点を入れられる、とオシム監督も言っていた。今日の気候は過ごしやすくて、サウジに有利だった。逆に日本は4試合の疲れが出たのでは。最後に1点取られたのを取り返せなかった。
オシム監督のサッカーへの理解度は深まっている。結果は残念だが、チームはいい方向に向かっている。あとは負けたことをどう生かすかだ。サウジには、9番(マレク)のように1人で突破できるFWがいる。ああいうFWが日本にも育たなければいけない。3連覇はそう簡単ではない。日本のやるべきサッカーを追及して、最後まで頑張った。チームづくりの過程としては、順調に来ている。それは評価していい。

●駒野友一選手(広島):
「今日もセットプレーから2得点をあげ、1失点している。改めてセットプレーの重要さを痛感した。リードされている状況でも、今までと変わらずにボールを前に入れて、周りが動いていこうという形だった。相手の3点目が入ってからは、サイドにスペースができていた。だけど、それは向こうにうまく誘導されていたのかもしれない。サイドはスペースが空いていたけれど、中央は固められていた。3位決定戦もしっかり戦っていきたい」

●高原直泰選手(フランクフルト):
「内容はよかった。ただ、最後の部分でうまくいかない面があった。サウジアラビアは決定機をしっかりモノにした。その差だと思う。自分たちがやれること、やるべきことは明確になっていた。ただ、今日に限ってはミスも多かったし、自分たちのプレーをすることができなかった。まだ始まったばかりのチームだし、これで終わりではない。まだまだ先は長い。確かに相手は厳しかったけど、こっちは動いていないし、ミスも多かった。リズムをつかめずに、ミスから失点してしまい、後手後手に回った。チームとしていい形で何とか2度、同点に追いつけたことはよかった。ただ、3点目が同点に追いついたすぐ後だったのがすごく痛かったと思う」

●阿部勇樹選手(浦和):
「2点目の場面はポジション的にカバーに行くのか、ニアを切るのか…。(迷ったのか?)自分的にはニアを切った。ニアを切りながらセンタリングに対していければと思ったので。ボールがすばらしかったとしかいいようがない。それを決められてしまって、目の前にいたのは自分だし、何とかカバーして、シュートを打たせないプレーをしなければいけなかった。3点目は個で完全にやられた。完全に見たまんまだと思う。
(サウジのFW?)イメージしていたのより能力が高かった。全て抑えられたら完璧だけど、そこで抑え切れなかったということ。DFは1つのミスで失点につながってしまうので。それくらいで重いところだと思うので。それを止められなかったのが全てだった。最後のところで止められていたら失点はなかっただろうし…」

●加地 亮選手(G大阪):
「(足?)問題ないです。しっかり頭の整理をしたい。(相手攻撃陣の守り?)その問題から失点したのではない。ミスからの失点だった。相手には一発があるから、(得点した9番と20番について)技術もしっかりしていたし、足元のうまさ、速さを警戒していたけど、やられてしまった。反省している。自滅という感じは確かにある。ミスとミスの連発。そのツケが回ってきた感じ。(疲れ?)みんな確かに疲れてましたよね。(相手は元気だった?)相手はしっかり守りきってからのカウンターをしていたのに対し、僕らは攻めているのに崩せなくてカウンターを食らう。その方が精神的に来るものがあった」

●遠藤保仁選手(G大阪):
「決定力の差が出たし、一発目のセットプレーなんか、今大会を通して修正できなくて残念だった。また次に切り替えていきたい。(最終ラインが深かった?)後半と前半では違うけど、人と人との距離が開いてテンポよくボールを回せなかった。相手に合わせてしまった。(疲れとプレッシャー?)相手のプレスはそんなに速いとは思わなかった。自分たちの責任。今日はあまりうまくいかなかった。人と人が離れて流れるようなボール回しができなかったし、つまったらサイドチェンジというのも相手にバレていた。もう少し強引に前へ行ってもよかったかなと思う。そこらへんを考えながら今後はやりたい。
今日は相手にあわせて守るつもりだった。相手の中盤が攻め残ることもあるから。でも取られてカウンターってのも多くて自滅気味だった。ミスを少なくしてシュートで終わることができず、相手を崩しきれなかった。センターバック2人が2トップにつくのはリスクもあるし、僕らより相手の方が仕掛けてくるから、啓太(鈴木)がカバーしながらやっていた。1対1でも前を向かせないようにと心がけたけど、スペースができた。3点目なんかは2対1で数的優位だった。ああいう時はボールを取らないといけない」

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2007年7月24日 (火)

アジアカップ2007,サウジ戦前、いろんなコメント

オシム監督&中村俊輔会見

――明日の試合は組織対個という構図で見ているが、どう考えるか
オシム どちらが組織的というのか。
――日本が組織を主体としていて、サウジアラビアが個人技を積み重ねるサッカーをしてくると考えるのだが
オシム サウジに組織がないと?
――そうではない。傾向としての話だ
オシム サウジに組織がないとここで申し上げたら、ただでさえモチベーションが高いサウジをさらに元気付けることになるのでは? あなたのは質問ではなく、コメントと理解する。あまり良い質問ではない。
サウジは、非常に良いチームだ。監督も代わった。去年(のアジアカップ最終予選)も強かったが、今年は新しいチームでやっている。完全に新しいチームになったといえる。よりアグレッシブでモダンなサッカーをする。何人か、こちらとしても対応が難しい選手がいる。
――中村選手、シュートが足りない、もっと攻撃的なサッカーを目指すと言っていたが
中村俊 攻撃のバリエーションを増やすということ。ロングシュートとか、いろんな形ができればいいと思ったので、そういう話をした。
――明日の試合結果をどう予想するか
オシム どういう意味の質問なのか分かりかねる。何と答えればいいのだろう。明日は必ず勝つと約束しろと? それより試合の中身について、ここでは話をしているのではないか? 試合は明日に迫っているのだ。われわれが勝つか、サウジアラビアが勝つか、明日になれば分かることだ。私はそういう予想を事前にはしない主義だ。
――サウジアラビアにはスピードのある選手がいるが、メンバーを入れ替えることで対応するという考えはあるか
オシム どんなチームにも、スピードのあるFWはいる。サウジのFWはもちろん優れている。それでも、必ずDFを入れ替えると考えるのなら、もしかしたら質問者はDFを代えろと言っているのかもしれない。しかし、こちらのDFも能力があるから、必ずしも代える必要はないと思う。そこで仮に選手を代えて負けてしまったら、代わりに入った選手の責任になってしまうではないか。
――歴史的にサウジはアジアカップで一度も日本に勝っていないので、彼らのモチベーションを警戒していると思うが、日本の選手のモラルについてはどう思うか
オシム それは日本の選手の意識についての質問か? それともサウジと日本との関係の歴史についての質問か? 歴史よりも未来、特に明日の試合のことを聞いた方がいいだろう?
――では、そちらで
オシム しかし未来の話をするのなら、過去を忘れてはいけない(笑)。
――中村選手、ことしは走り方が違っているように感じられる。自身ではどう考えるか
中村俊 ポジションも違うし、走る質が変わってきている。基本的に距離は変わっていないと思うが、タイミングとか、自分がもらうだけではなく(スペースを)空ける動きとかを増やそうとしている。距離の問題ではなく走る質。(パスを)出す側からもらう側の意識を持つようにしている。
――中村選手、今大会は苦しんででも勝ち続ければいいと言っていたが、ここまでの収穫を挙げるとすれば何か
中村俊 今までは監督が変わってからなかなか代表に参加できなかった。今回初めて長い期間、一緒に練習したりして、今の代表のサッカーをやりつつ、連係もとりつつ、チームとして結果を残さないといけないし、個人としての結果も残さないといけない。オフ明けで大変だったが、とても充実している。今は自分に一番足りない、ランニングすることとかを、勉強ではないけど、やっている最中。それをやりつつ大会も勝っていく。そんな感じです。
――サウジの20番ヤセルについて、どう思うか
中村俊 テレビで見たが、何人かいい選手がいる中で、危険なプレーヤーであることは間違いないと思う。
――中村選手、今大会は走る意識や守備意識も高まっているが、それはオシムのサッカーの中で意識が変わっていったのか
中村俊 昔から代表でも守備をしていたし、今は憲剛(中村)が前にいったときに自分が後ろでバランスを取っている。ボールがないところのランニングの意識とかは、セルティックに行って考えるようになった。ただしオシム監督になって、もっといろんなアイデアが出てくるようになった。
――中村選手、オーストラリアは強いと言っていたが、明日のサウジ戦についてはどう考えるか
中村俊 準決勝は難しい。これで負ければ3位決定戦だし、ちょうど5試合目で疲労もたまってきている。そういう意味で難しくなるが、タフな試合になるのは間違いない。技術的なものも大切だが、タフなメンタルも絡んでくると思う。
――組織と個人技のバランスについてどういうイメージを持っているか
中村俊 個人のプレーを出すタイミングについて勉強している。サイドで1対1で抜ければセンタリングを上げられるが、後ろに戻してもう一度やり直した方がいい形ができるんじゃないか。今はそういう練習をしている。だけどペナルティーエリアに入った時に、いいアングルでほかの選手がいなかったら、個人のキックフェイントだとかを使うべきタイミングで使おうと思っている。でも、今はなるべくボールを動かして攻めて、サイドチェンジをしてもっといい形にできないか、そういう意識を持ってやっている。
――監督、決勝の相手についてはイラクと韓国のどちらが望ましいか
オシム こういう質問に答えることになるとは思わなかった。われわれは、明日の試合について会見をしているはずだ。つまり、韓国とイラク、どちらと対戦したいかを考えるよりも、明日の試合をどうやって勝たなければならないかという時なのに。今日だけでなく、これまでの会見で私が話してきたことが、いったい何だったのか。非常に残念な思いである。
――オーストラリア戦は相手のフィジカルへの対応が課題だったが、次のサウジ戦での日本にとっての課題は何か
オシム 相手が変わったから、選手も全員入れ替えようか? 皆さんには意見を言う自由はある。つまり、そういう方向への誘導尋問かもしれない。同じ選手が出るなら疲れている。それで負けるかもしれない。つまり、疲れた選手を使った監督が悪い。選手を入れ替えて負けたら、それを決断した監督が悪い。つまり明日負けたら、その責任者は誰かと探すまでもない。責任者は、ここにいる。つまり監督がすべての責任を取るということだ。

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2007年7月21日 (土)

オーストラリア戦後、いろんなコメント

オシム監督会見

――PK戦を見ていなかったのか。心臓は大丈夫か?
 病気でなくても、心臓に悪いので見なかった。私はここでは死にたくない。故郷のサラエボで死にたいので、発作を起こしたくない。だから見なかった。それに、私が(PK戦を)見ていると勝てないというジンクスがある。
――オーストラリアの選手が1人退場し、日本にアドバンテージがあったのに、なぜ120分でも勝てなかったのか?
なぜなら、私たちのサッカーが完成の域に達していないからだ。ハンドボールや水球では、退場者がいる間に点が入るが、サッカーはそうでない。サッカーは足でやるスポーツなので、よりボール扱いが難しい。それほど正確なパスを出せるなら、もっと楽に勝てるのだが。またサッカーはビリヤードとも違って、狭いスペースにボールがうまく転がるわけでもない。それよりも、われわれの内容がよかったことを、もっと見てほしい。いつも心掛けているサイド攻撃は機能していた。オーストラリアに優秀なGKと優秀な4~5人のDFがいたことは、われわれの責任ではない。それに疲れもある。1人退場で少なくなるのも、サッカーにはつきものの事件であるから、われわれの側に責任があったわけではない。それに少ない方のチームが、モチベーションを強めて、しっかりしたプレーをすることもある。むしろそれが普通だ。人数が1人少ない方が勝つことだって、世界中のサッカーではよくあることだ。アンリ(※フランス代表FW、バルセロナ所属)という選手がもし日本にいたとすれば、10人になったとしてもカウンターによって勝つ可能性がある。それにオーストラリアにはキューウェルが途中から入ってきたし、1対1で勝負する選手もいた。個人的には、日本がこの試合でしたこと以上に何ができたか、ということを教えてほしい。退場者が出る前も、出た後も、日本の方がいいプレーをしていたことは事実だと思う。ひょっとすると、別の見方ができるのかもしれないが。
――守備が非常によかったが、中澤と阿部が非常によい仕事をしたのでは?
専門のジャーナリストがそうおっしゃるのなら、信用するしかない。ありがとう。
――次のゲームはさらに難しくなるのではないか
その通りだ。
――PK戦の模様を控え室で見ていたようだが、ベンチを引き上げる前にどのようなことを考えたか? そして勝利が決まった後は?
ロッカールームでは見ていない。情報も入ってこなかった。特に感想はない。私が見たくないというのに、生中継を見ていたというのはおかしな話ではないか。
(勝利を知った後は)喜んでジャンプして天井に頭をぶつけそうになったが、このとおり元気で生きている。
――オーストラリアは後半の最後は疲れていたし、日本の選手も疲れがあった。もう少し早く選手交代してチャンスを増やすことは考えなかったか
PKの前に(勝負が)決まればよかったが、そうしたくても相手がそうさせてくれなかった。それが答えでよいだろうか。
――フィジカルで上回る相手に勝利したことで、就任以来のテーマである「日本化」の手ごたえは感じたか?
勝ちはしたが「日本化」するというところまでは、まだできていない。怒らないでほしいのだが、よく日本人のジャーナリストからそういう質問を受けるが、意図が分かりかねることがある。オシムが監督で勝った方がいいのか、それともオシムのせいで負けた方がいいのか。つまり、日本を応援する立場で記事を書いているかどうか、はっきりしてほしい。結論を急がないでほしい。まだ時間はある。私としては、結論をできるだけ先に引き延ばそうと思っている。つまり、皆さん(ジャーナリスト)と反対のことをしようとしているのだ。
――いつも「満足してはいけない」と言っているが?
私が「満足してはいけない」と言っているのは、それ以上進歩しないことになってしまうから、監督として満足してはいけないと申し上げた。しかし、本心とは別に、ここで「満足した」と申し上げようか? この会見を終わらせるためにはそうした方がいいかな(笑)。あるいは、私が(「満足した」と)言ったと記事を書いても構わない。

●田嶋幸三 日本サッカー協会 専務理事
「ちょうど去年の今日、オシムさんと契約した。その日にベスト4に入ったことは大きい。でもリベンジという意識はあまりなかった。これから韓国も中国も何度も戦うんで、1回1回リベンジとは言っていられない。相手は10人になってからもタイトに守ってきた。ウチも暑さの中、中盤もトップもそれなりの仕事をした。なかなか勝負をかけられないでいたが、PKで勝ったことは大きい。こちらも昨年とはメンバーがほとんど変わった。そういう中で対等にやることができた。それだけ選手層が厚いということ。オーストラリアとはこれからも何度もやっていく。今回の日本はこの環境に適応したサッカーをやっていた。テレビで見た人には物足りなかったかもしれないけど、あそこで勝負に出たら墓穴を掘ることになってしまう。そういう展開を耐えて勝てたことが大きかった。
(オシムさんがPK戦を見ていない?)でも喜んでいましたよ。ロッカールームから出てきた時は喜んでいたから。もう1試合、きちんと勝つようにしたいと思う。(内容で圧倒した?)日本の中盤のスキルは高い。戦術的にも中盤が余って数的優位を作る形をしっかりやっていた。グループリーグからずっとそうだが、日本のサッカーをしたと思う。いい形で高原も点を取り、最後まで自分たちのサッカーをした。高原は本当のストライカーだね」

●鈴木啓太選手(浦和):
「(勝った時は)正直、うれしかったです。(守備面について?)相手の研究はもちろんできていたし、前半は危ないシーンもあったけど、やるべきことはハッキリしていたし、相手の情報への対応はある程度できたと思う。(ブレシアーノのマークとビドゥカのケア?)チーム全体としてだいたいはできた。サイドバックの加地君や駒野が中を絞りながらケアをしていた。うまくいったと思う。オーストラリアはサッカーをよく知っていた。個人個人もそうだったし、今までの相手より組織だっているというか、パスをつながせるところとボールを取りに行くところはハッキリしていて、もちろん強かった。次やったら勝てるとはいえない。それだけの相手だった。
(失点の時間帯?)難しい時間帯だった。セットプレーは彼らの武器。警戒はしていたけど、やられた。それでも焦らなかったし、すぐに取り返すことができて落ち着けた。でも今日の勝利の価値を大きくするのも、小さくするのも自分たち次第。これからだと思う」

●川口能活選手(磐田):
「(PK?)集中力を切らさないようにやっていた。その前の試合はみんな頑張っていたし、何とかそれに応えたかった。佑二(中澤)中心に守りも集中していたし、タカ(高原)も決めてくれた。そんな頑張りになんとしても応えたかった。PK戦は運もあるけど、GKの責任も大きい。何とかモノにすることができた。相手のオーストラリアの選手はプレミアでやっている人が多かったんで警戒した。
(何で止められたか?)分からない。こういう試合をモノにすることの積み重ねが大事。まだ2試合あるし頑張りたい」

●今野泰幸選手(F東京):
「(出た時?)中が偏っていたんで、サイドから入れたり揺さぶって揺さぶって点を取れるかなと思っていたけど。試合の中で決めておきたかった。(自分の役割?)まず守備でファウルをしないように。相手には一発があるから、しっかり対応したかった。攻撃ではサイドで出たんで、クロスを入れるのか1回戻すのかをしっかり判断すること。そしてアシストできればよかったと思う。((中村)俊さんへの決定機のパス?)90分以上頑張ってきたんで、ああいうシュートを外してしまうのもしょうがないと思う。(内容では圧倒していた?)でも僕は守備の選手なんで、最悪なことを考えてまずはスペースを埋めることを考えた。カウンターを出させないことを考えなきゃいけないなと思ってやった。監督からの指示は特になかった。すぐに入れと言われただけ。(イメージ通り?)そうだったけど、惜しいチャンスがありながら同点にできなかったのが残念。PKじゃなくて崩して勝ち越して勝ちたかった」

●巻 誠一郎選手(千葉):
「(得点シーン?)その前の失点の部分が問題。あの直前でマークが変わった。そこまでは阿部がアロイージについていたのに、阿部が前へ行って、自分がアロイージについた。それでやられたから自分のミス。それを取り返すためにも、早く同点にしないと厳しいなと思っていた。タカ(高原)さんのシュートはタカさんがうまかった。あの時間帯に失点してすぐに同点にできたのはよかったし、気持ちを落とさずに攻めようという気持ちを持てたことはよかった。(課題?)全体にフィニッシュの部分。相手のセンターバックをどう引き出すかというところ。前半はうまくいっていたけど、10人になってから相手がベタ引きになり難しかった。引いた守備陣の手前のスペース、(中村)憲剛とか、(中村)俊さんとか、ヤット(遠藤)さんとかのところでスペースをうまく作ってミドルシュートを打つとか、そういう動きがよりゴールに近づくと思う。危険な動きが加わるとゴールへの選択肢も増える。今日は早い時間帯に相手が中盤とディフェンスラインをつながせない守備をしてきたことで慌てた部分がある。でも今日の勝利は後から出る人も仕事をしてくれるという安心感があって得られたもの。チームみんなの勝利だと思う」

●高原直泰選手(フランクフルト):
「(苦しい時間帯の同点弾?)今日は切り替えしが引っかかることが多かった。そういうシーンが沢山あったけど、ここぞというところでああいうプレーができてよかった。(失点した時?)まだ時間があったし、まずは同点に追いつくこと。取られてから早く追いつけたからこそ勝てたと思う。(気温は)今までの中では涼しかったかなと思う。(立ち上がりの時間帯にミスが続いた?)相手も最初は動けるし、プレッシャーもある。そこをしっかり抑えられれば問題はないと思った。あとは高さがあるからそれを注意した。(ゴールシーン?)オーストラリアのビデオを見た時、キックフェイントに簡単に引っかかっていた。で、実際にやったら簡単に引っかかってくれた。シュートはGKを見て動けばよかった。すぐに追いつけたんで、流れが悪くなるところを持ちこたえることができた。同点になってすごくよかった。(オーストラリアをやっつけたという印象?)これから何度も当たる相手だと思う。でもこれから対戦するかもしれない相手に何度も負けるのはよくない。そういう意味でPKだけど勝ててよかった」

●佐藤寿人選手(広島):
「時間は20分ちょっと。そこでしっかりと点を取ることを求められていた。だから点を取れなくてくやしいけど、勝てたことはよかった。ホントに最初から出ていたFWの2人が運動量多く走っていたんで、息切れすると思った。そこで自分にチャンスが回ってくるかもしれないと考えていた。(決定的なシュート?)DFが来ているのは分かっていた。ニアに低くて速いボールが来たけど、DFに寄せられた状態でうまくボールを捉えることができなかった。プレッシャーがきた時、どれだけシュートをコントロールできるかだ。ここまできたら頂点に立ちたい。一番強い相手に勝ったんで、勢いに乗っていきたい」

●中村憲剛選手(川崎F):
「試合を重ねるごとによくなってきているし、チームとして1つになっている。(前半相手がワンボランチ気味だった?)ワンボランチで、2トップとダブルオフェンシブハーフが自分と(鈴木)啓太のところにきた。そのオフェンシブの2人をはがして前へ行けばチャンスになると思っていた。それでフリーランニングを増やしたら、相手はあんまりついてこなかった。真ん中のプレスはきつかったんで、それを頭に入れつつ前へ出るように心がけた。ウイングの(中村)俊さんとヤットさん(遠藤)がいい形で入ってくれるから、ゆっくりとうまくボールを回そうと思った。
前半はボールを走らせつつ、仕掛けられる時はスピードアップしようと意識した。2トップを最終ラインの2人で見つつ、ブレシアーノを啓太が見て、自分は5(クリナ)を見た。ビドゥカのポストプレーが一番怖い。彼を挟み込むことが課題だった。ゴール前に運ばれるシーンが怖かったんで、そこをしっかりとケアした」

●中村俊輔選手(セルティック):
「攻撃のバリエーションは確実に増えてきている。今日は自分たちが走ってボールを動かすことをやっていたけど、暑いという部分があった。暑くなければオーストラリアももっと走るしパワーが出てくる。特殊な大会だと始まる前から言っていたけど。今日は今日だけど、もっと気温が低い時にどうなるか詰めていく必要がある。そういう意味では参考にならないかな。相手の3バックは分かっていた。ブレシアーノがトラップする回りを警戒していた。そこを(鈴木)啓太が見ていたんで、自分はサイドをケアした。
(同点ゴールにつながったクロス?)一応、起点になったからよかった。本当は中に入れるのをやめて回そうと思ったけど、あの時間帯は勝負のパスをどんどん入れないといけない。そうしないと固めてカウンターという向こうのペースになってしまう。前半だったらやめてたけど、あの時は行った。(延長後半の決定機?)中に入ってって、今ちゃん(今野)からボールが来たけど、当たらなかった。両足でジャンプした時、ふくらはぎが初めてつった。GKもよかったけど、『ここでつるか』という感じ。でもPKを決められてよかった。俺は今日は走ったと思うよ。そういう達成感はある」

●加地 亮選手(G大阪):
「(足が腫れている?)今はちょっと分からない。捻挫の可能性があります。オーストラリアはしっかりつないで出てくる力があった。10人になったらやりにくくなった。キューウェルとかスピードでこられた方が嫌だった。(前回の中国のアジアカップを思い出すか?)そうですね。何かありますよね。(ひと山超えた?)とりあえずという感じではありますけど。(オーストラリアを相手にして?)1年ぶりのオーストラリアということで、勝ちたい試合だった。フィジカルはJリーグでは味わえないものだった」

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2007年7月20日 (金)

日本 vs オーストラリア:試合前日コメント

●オシム監督・鈴木啓太選手(浦和):
Q:明日はこれまでにないビッグマッチだが?
(オシム)「最も困難な試合だと思う。アジアカップ全体の状況を客観的に見て、日本が対戦する可能性のある相手の中で、最も困難な相手だ。日本はこれほどの相手と対戦したことはない。そういう機会があったとしても親善試合だ。私が就任して以来、どんな相手でも過信は禁物だし、リスペクトすると言ってきた。これまで対戦してきた中ではガーナがオーストラリアと比べられる相手だろう。しかしそれはあくまで親善試合だった。オーストラリアは今大会前半はミスがあり、気候にも慣れなかったが、だんだん調子を上げてきた。手ごわい相手だ。どんな大会でもどんなチームでもよくない時はあるが、彼らはそれを通り過ぎた。どんな強い国でも全て100%でやれるわけではない。調子の悪い時も勝つ。それが本当の強いチームだ。最近のコパアメリカを見ても、ブラジルが初戦で負けたのに、その後盛り返したというのがあった。オーストラリアがそうならないとも限らない。
つまり、強いチームが悪い状況を乗り越えて、今後良くなる方向に進んでいるということ。我々はまだ調子の悪いゲームを経験していない」
Q:鈴木選手に伺いますが、足の具合はどうか?
(鈴木)「まず今日のトレーニングをやってみないと分からない。たとえ足の調子が良くてもオシムさんが使うかどうか。僕はいい準備をするだけ。ゲームに出るつもりで準備を進めたい」
Q:オーストラリアは手ごわい相手というが、明日のゲームの一番のポイントは何か?
(オシム監督)「ポイントというのはどういう意味でしょうか? 我々には我々のポイントがあるが、オーストラリアのポイントは分からない。だから、試合のどこが一番のポイントになるかは言えない」
Q:昨年はオーストラリアに敗れたが、その後、日本は強くなっているように感じるが?
(オシム監督)「昨年と今年を比べてどちらが強いといったことは言いません。昨年は昨年。今年は今年。1年経って多くのことが変わった。良くなった悪くなったは別の話だ。昨年のオーストラリア戦を私はスタジアムでナマで見ていた。ビデオも見返しているが、同じ選手がたくさん残っている。1年前の印象を言えば、良いチームが勝ったということ。日本人の方には気に入らない言い方でしょうが。日本にはアンラッキーな部分も沢山あったが、日本のサッカーファンがオーストラリアをいいチームと知るいい機会になったのではないか。1年前のゲーム直前と、明日のゲームを控えた今、メディアやファンは違う考えを持っていると思う」
Q:オーストラリア戦の経験を持たない選手たちが今回のチームには多いが?
(オシム監督)「経験が大事であるのなら、オーストラリアの方がワールドカップ経験者がより沢山います。とはいえ、日本も若すぎるチームとは思わない。1年経ってメンバー変更もありましたが、ノーマルな範囲の変更です。昨年のワールドカップに出ていない人も選手としての経験を十分持っている。つまり、試合をするのに十分な経験ということです」
Q:オーストラリアは徐々に調子を上げているが、日本も良くなっている。今は強豪と戦うのは楽しみか?
(オシム監督)「私個人は強い相手とやるのは楽しみです。しかしメディアやファンは勝つことがいい経験だと思っている。私は強い相手とどういう試合をして、どんな内容が得られるかが重要だと思っています」
Q:鈴木選手に伺いますが、あなたの役割はチームの中でも最も重要だと思われます。あなた自身は、ここ数年で自分の評価が変わってきたと思うか? 自分がスポーツ新聞の一面を飾ることがあると思うか?
(鈴木)「20年、30年先だと思うけど…。僕がその時、サッカー選手をやっていれば、そうなっているかもしれない。でも僕の仕事は11人の中の個。僕自身の役割はいい選手といい選手をつなげる役目であったり、自分自身ハードワークしてその先の選手たちが思い切って攻められるようにすること。1つのピースと1つのピースをつなげる役割だ。評価してもらえるのはうれしいことだけど、まだ成長する必要がある。1つの個として試合を決定づけられるようになりたい。例えばミドルシュートを1試合で1本決めるとか。やれることは限られているので、90分の中でやれることをやるだけです」
Q:オーストラリアはフィジカルが強いが、その部分に対してはどう思うか?
(オシム監督)「サッカーの質問と理解してお答えします。こういうサッカーへの質問がもっと多く出てほしい。フィジカル面の違いはもちろん大きい。運動選手としての能力は向こうの方が高い。我々がどう挽回するかは簡単なことではない。それでも方法がないわけではない。オーストラリアはフィジカル能力が高いが、技術やスキルを備えた選手もいる。非常に手ごわい相手だ。対戦相手の身長体重を気にするファンの多い国のチームとしては大きな問題だ。しかし、問題は体の大きさとテクニックの両方ということになる。2つを克服することが明日の大きな課題になる。我々の選手が大きくて動ければいいが、大きければ下手になるだろうし、そういう選手はレスリングをすればいい。しかしレスリングの試合でも多分、オーストラリアの方が強いでしょう」
Q:この1年間チーム作りをやってきて、日本の良さがかなり出せるようになったと思うが、オーストラリア戦ではどうよさを出すのか?
(オシム監督)「会見でこういうことを聞かなくても、あなたとは普段から話をする仲じゃないですか。いつも答えていることの繰り返しになるのが残念です。私個人としてはその種の質問を私に聞かないでほしい。評価をするのはメディアやサポーター。第3者がするべきものであって、代表監督はやりたいことをやって他人からどう評価されるかだ。監督というのは個人的な好みや方針でチームを作っていくもの。進歩しているかしていないかの評価は世論にお任せします」
Q:昨年のワールドカップでのオーストラリア戦は衝撃的な負け方だったが、そのショックが今回の試合にどう影響するのか?
(オシム監督)「1年もの長い間、ショックが続いているということの方がショックですね。そういうショックを乗り越えて生き残ってください。その時のショックは、ショックとして感じた方がご自分自身に責任があると思った方がいい。対戦相手の情報をきちんと入手していなかったということだから。昨年も今日も情報の種類は変わりない。どんな選手がどんなクラブでプレーしているかを知っていれば、昨年のワールドカップでも簡単な相手でないと分かったはず。昨年のワールドカップでもショックを受ける必要はなかったのです」
(鈴木)「まず僕はその試合に出ていないのでショックは受けていません。とにかく昨年のワールドカップで戦っていた選手たちは僕より経験のある人ばかりで、非常に強かったし、素晴らしい選手が揃っていた。それなのにオーストラリアに負けて、日本のレベルがそうなんだとは思った。でも今回は戦う上で失うものは何もない。負けたら日本に帰りにくくなるのかもしれないですけど、チャレンジすることは楽しみ。勝利を目指して100%やるだけだ」
Q:就任から11ヶ月間で日本チームをどのように変化させたのか?
(オシム監督)「誰が変えたんですか? (「もちろんコーチ(オシム監督)がです」と質問者が回答) 
私が代表監督になったからといって、日本のサッカーが変わったとは思っていない。私の存在はそんなに大きくありません。その質問に答えるには長い時間がかかります。ステップバイステップというか、プロセスが必要になる。1年しか経っていないし、まだ初歩的な問題すら解決できていない。デリケートで試合の結果を左右する部分。明日ならばビドゥカをどう止めるか。誰がホテルのロビーで衝突して彼がケガをしないかと考えることもある。さまざまな問題があるし、1つ1つを解決するのは簡単ではない。その1つを取ってみても複雑な解決方法がある。1年前のゲームと今回のゲームでは、ビドゥカを抑える担当は変わらないかもしれない。むしろ同じ選手になるかもしれない。でもオーストラリアはビドゥカ1人じゃない。試合の要素としてはほんの一部。それ以外のことも考えないといけない。全体の対策はここでは話しきれないくらい大変だ。他の選手もビドゥカとは違う長所があるし、特徴を持っている。彼らが集団的にくると怖い。個人能力を比べても向こうが上なわけだから。ただしサッカーは11対11。ビドゥカ個人にマークをつけるということだけで勝負は決まらないと申し上げておきます」

●アーノルド監督&キューウェル&ビドゥカ選手:
Q:明日の試合の展望はどうですか?
(アーノルド監督)「非常に難しいゲームになる。日本はグループリーグでいいゲームをしていて、大変難しい試合になる。我々はベトナムにやってきて、チーム全体がいい状態だ。これまでとは違った環境、文化の中で試合を心待ちにしている」
Q:メンタル面はどうか?
(アーノルド監督)「グループリーグとは完全に違った状態だ。我々が戦ったことのある日本代表とは選手も監督も違う。日本がワールドカップ以降、素晴らしいチームになってきていることは十分分かっている。その相手にベストのプレーを行うことがまず第一の目標だ。我々もタイに勝ったことで自信を持てた。その自信を持って明日の試合にのぞみたい」
Q:ビドゥカ選手に伺いますが、日本についての印象は?
(ビドゥカ)「日本は非常に動きの速いチーム。それが特徴になっている。もちろん我々も日本にはない強みを持っている。いろんな選手がベンチにいるし、オールマイティにいい状態でのぞめると思っている」
Q:ビドゥカ選手に伺いますが、オシム監督とは古い知り合いだそうですね。
(ビドゥカ)「私はオシムさんをコーチとして尊敬している。旧ユーゴスラビア代表で監督をしていた時から憧れていた。グラーツの監督の時もテストマッチをするなど接点があった。私がザグレブにいた時にお目にかかり、非常に近づきやすい人とい印象を持った。そこから交流が始まりました」
Q:明日のシステムは? 4-4-2か3-5-2か?
(アーノルド監督)「こんなに多くの日本報道陣がいる中で、私は言う気はありません」
Q:キューウェル選手に伺いますが、アジアカップで得点を決めることの意味は?
(キューウェル)「サッカー選手は誰でも大会でゴールを決め、いい試合をしていくのを目的としている。アジアカップはまだほんの数試合しかしていないが、そこで準々決勝まで勝ち残ることができた。私は準々決勝を楽しみにしているし、明日のゲームはグループリーグとは完全に違う。非常に厳しい、激しい試合になる。チームとしての意識は高まっている」
Q:ベトナムに来てからのチーム状態はどうか?
(アーノルド監督)「ここまで2日間トレーニングを消化し、雰囲気はとてもいい。選手のモチベーションも高まり、チームの一体感はフィールド内外で高い。チームスピリットは非常にいい状態です」
Q:ビドゥカ選手に伺いますが、グループリーグの入りを失敗したが?
(ビドゥカ)「我々はグループリーグでまずいスタートを切ってしまった。批判されても当然のプレーをしたのは事実だ。しかしその批判がサッカーそのものを超えて展開されたことが悲しかった。我々がサッカーをしていないと書かれたのだ。しかしそのことによって、逆にチームの一体感が深まった。次のゲームではいい結果を残そうという強い気持ちにつながっている」
Q:オシム監督とジーコ監督を比較するとどこが違うと思うか?
(アーノルド監督)「私は他のチームのコーチを批評する立場にはない。ジーコ監督もいいチームを作ったし、オシム監督も同じように日本サッカーに貢献していると思う」
Q:ベトナムの気候には適応できたのか?
(アーノルド監督)「我々は大会前の4週間をシンガポールでの調整に当て、グループリーグをタイで戦って、ベトナムにやってきた。こうした取り組みを経て、湿度や気温に対してはかなり順応している。グループリーグの序盤2試合は温度や湿度に悩まされてきたが、3つの国を移動してきて順応はほぼできてきている」
Q:準々決勝からはPK戦があるが?
(アーノルド監督)「とにかくPKになった場合は、選手が自分に自信を持つこと。能力を信じてPKにのぞむことが不可欠だ。が、まずは最初に90分で勝負をつけることが最優先である」
(キューウェル)「集中力を途切らせることなく、90分いかに戦うかだ」
(ビドゥカ)「PK戦に備えて何かの準備をするのは難しい。今の時点ではPK戦は想定していません」
Q:キューウェル選手に伺いますが、日本のワールドカップ後の変化についてはどう思うか?
(キューウェル)「日本はこの4ヶ月で大きく変わった。新しいコーチが来て、新しい選手もいる。ワールドカップの時とは全く違ったチームに見えます」
Q:ビドゥカ選手に伺いますが、アジアカップに入ってからゴールへの意欲は高いか?
(ビドゥカ)「サッカー選手というのはストライカーでなくても誰もが点を決めたいと思っている。タイ戦で2点取れたのはよかった。2人のストライカーを置く布陣はいつもクラブでやっているし、その方がやりやすい。1人がターゲットになってくれるので、その分、動きやすくなる」
Q:キューウェル選手に伺いますが、あなたの左足はケガをしているが、中村俊輔の左足は絶好調だが?
(キューウェル)「右だろうが、左だろうが関係ない。なぜか左利きの選手の方が才能があると思われるんですかね・・・」
Q:ビドゥカ選手に伺いますが、中村俊輔はやはり脅威か?
(ビドゥカ)「中村というより、日本はチーム全体として集団の力を発揮するところがポイント。彼らは1人1人が集中力を持って役割を果たす。日本というのは伝統的に集団としての動きに長けている。素早く、技術的にも恵まれたチームだと思う。だから我々も勝つために日本の1人1人に注意を払わなければいけない」
Q:日本と準々決勝で当たるのはいい機会か?
(アーノルド監督)「グループリーグの時点では、最初2試合の結果は選手たちにとってもショックだった。関係者にもショックを与えてしまった。現時点でアジアカップの優勝に一番近いと思われる日本と戦うのはグッドタイミングだ」
Q:中村俊輔は一番の懸念材料になるだろうが、彼のところをスペースの使い方がカギになるのか?
(アーノルド監督)「我々も技術面においての練習を続けている。数人の選手の守備強化にも取り組んでいる。セットプレーももちろん練習している。ドイツワールドカップでは67%の得点がセットプレーから生まれた。ペナルティエリア付近からのFK練習も取り入れている」
Q:明日は速い展開で攻めるのか?
(アーノルド監督)「日本はこの3試合を見ていると、ゆっくりと粘り強くサッカーを展開している。我々は速攻と技術を生かした試合運びをしていくつもりだ」

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2007年7月16日 (月)

ベトナム戦後、いろんなコメント

●オシム監督(日本代表):
Q:後半、動きがよくなったようだが、ハーフタイムでの指示は何か?
「私の見方は違うかもしれない。後半がいいとは必ずしも思わない。後半は、相手が動かなくなったので、こちらはボールを保持することができた。相手の力が落ちただけで、こちらが良くなったわけではない。もっと難しい状況でミスが少なかったのは、むしろ前半だったのかもしれない」
Q:ベトナムのパフォーマンスをどう見ていたか?
「ベトナムには2つの顔があると思う。前半のフレッシュなチーム、そして後半の体力が落ちたベトナムだ。彼らはまったく違うチームだった。前半のベトナムはフレッシュでいいゲームをしていた。運動量があり、テクニックを駆使したボール回しで、我々を慌てさせた。グループリーグ全体を通じて、彼らがグループリーグを突破できたのは、それに相応しい力を持っていたからだと思う。後半のベトナムについては、いずれ別の機会に説明したい」
Q:失点した後、選手が慌ててゴールへ動くような動きをしていたことについては?
「失点につながるミスをしたことが問題だ。こういう試合では、いかなる状況が起きても対応できるよう準備していなければいけない。立ち上がりは我々の方が少しナーバスになって、向こうの方がアグレッシブだった。ラッキーだったと言わないが、すぐに取り返すことができたので、その後の展開が楽になったと思う。前半のベトナムは、人数をかけて中盤を支配し、われわれをブロックすることに成功していた。そして、日本選手たちの近くで、ベトナムは数的優位を作り、ある程度ゲームをコントロールした。そこで我々が踏みとどまることができたのは大きい。ベトナムの戦術がどういうものか選手がすぐに理解したので、平常心を取り戻すことができた。選手が自分たちで判断をしたということだ」
Q:今日の試合で最も満足している部分は何でしょう?
「満足するかするかしないかについて、何十回も繰り返すのは辛い。監督が満足してしまったら、そこで進歩は止まる。満足した監督は辞めるしかない。私を辞めさせるために満足させるというのなら、話は別だが・・・」
Q:今大会を通じて、チームが真価しているように感じるが、この過酷な気象条件での試合運びについてはどうか?
「進歩の余地については、沢山ありすぎていちいち話せない。もちろんチームは進歩しているが、それは後になって分かるものも含まれている。
例えば、私が新聞記事を読んでいて、そこに出ている意見というのは『日本はアジアカップの前回王者だから、優勝できて当たり前。グループリーグ敗退などとんでもない』というものだ。そういうプレッシャーを、我々は克服しなければならない。これは大変なこと。ミスをすることが許されないと、選手たちは過度に緊張するものだ。
個人的に気になるのは、ミスや取りこぼしといったものが、日本のジャーナリストには許されないということ。私の知る限り、日本は日本であって、ブラジルではない。ところが、いかなる相手にも勝たねばならないという雰囲気がある。あなた方も誤報することがあるだろう。我々だけがミスをしてはいけないのだろうか・・・」

●巻誠一郎選手(千葉):
「試合によって役割が変わる。チームがスムーズに行くようにするのが僕の役目。中2日だったけど、そんなに気にはならなかった。前半ちょっと暑かったけど、ベトナムも後半になって運動量が落ちたし。どちらに有利ということもなかった。
(1点目?)ボールを触るだけだった。特に突出したことはしていない。ただああいうボールを受けられる動き出しをするのが大事。2点目は相手がボールウォッチャーなる場面がそれまでもあったし。GKが小さかったので、頭を超えた方がチャンスだと思って走りこんだ」

●遠藤保仁選手(G大阪):
「(2試合連続でマンオブザマッチ?)あまりなんとも思わない。FKを決めた印象が強かったんじゃないですかね。今日の自分は何もしていないけど。FKのシーンは、GKのポジションがファーサイドによっていたから、ニアを狙ってやろうと思っていた。
(1位通過?)ハノイの気候に慣れてきているし、次に当たる相手は初めての環境になる。そういう面では有利なところがあると思う」

●阿部勇樹選手(浦和):
「途中押し込まれたのは準備不足。試合の入り方を考えないと。失点しても焦ることなく盛り返せた。最初は中盤からのプレスにいけず、ずるずると下がってしまった。立ち上がりがよくなかったし、フリーの選手も上がってくる。間延びしてしまい、誰がボールに行くのか、誰が人に行くかがはっきりしなかった。でも徐々に修正し、思い切ってチャレンジすることができた。
(今日が一番暑かった?)いや、この前のUAE戦の方が厳しかったと思う」

●中村俊輔選手(セルティック):
「(4ー1の勝利?)最初に点を取られたのが良くなかった。なるべくゆっくり回しているよりは、早く勝負へ行くために前へ動き出していったのがよかったのかなと。あそこで妙な形で回していたら、はまって前半を1-0で終わっていたかもしれない。そうだったら厳しかった。仕掛けに行ったら裏にボールが出た。うまいことつながって点になった。仕掛けろとは監督は言わなかった。自分たち、特に僕がそう思った。
(1点目のアシスト?)相手が寄せてくるのは分かっていた。切り替えしてGK側に巻がいたんで、合わせるだけだった。それでも得点できるボールを出せた。1-1の後はほとんど回して終わった。回しつつ人が動かして仕掛ける段階までは出来てきた。
これだけ暑いから自然と相手のプレッシャーがきつくなくなるけど、涼しい国で元気のいいチームあったらどうなるのか。そういうところまで考えてやらないといけない。自分としてはベストな結果。早めに点差が開いて、イエローカードも溜まっていたし、交代できた。結果として疲労もそんなに溜まらなかった。3点目に関しては、次に誰が何をしてくるか分かるし、連動してたけど、GKが動くからわざと引いてニアを狙って蹴った」

●鈴木啓太選手(浦和):
「ミスをしなければ失点をしなかった。お互いのカバーももっと必要だった。原因というのはDFだけじゃなくて、ボールの取られ方も悪かった。でも今のチームは失点しても経験ある選手たちが慌てない雰囲気を作ってくれる。ベトナム戦はこれからの戦いのヒントになると思う。今日はうまくできた。3点差がついたこともあるし。
(失点場面?)自分に当たって入ったけど、その前も問題だった。CKだったり、FKだったりには必ず原因があるし、UAEの時もそうだった。ミスが重なると失点につながる。できるだけ誰かがカバーできる意思統一をしていきたい」

●加地亮選手(G大阪):
「(試合の入り?)相手も来るとわかっていた。最初は高さのない相手に対して放り込んで、間延びさせるのがプランだった。失点した時間帯はそこがうまくつながらなかったというだけ。立ち上がりの失点だったし、まだ余裕があった。1-1に追いついてホットしたということもなく、慌てずにやれた。そして相手がへばってきたらパスを回して戦おうという約束事だった。実際、失点を除けばプラン通りに行った。
このチームでは蹴り込むこと自体、あんまりやらない。でも今日は相手に高さが無かったんで、ロングボールで対応しようとした。
(グループリーグの課題?)試合ごとに1失点しているんで、まずはその修正。攻撃のバリエーションだったり、確認というか、それも必要。そしてミスを減らすこと。
(1位通過?)それが一番クリアしなければいけない部分だった。4か国中もっとも難しい環境で1位になれてよかった」

●佐藤寿人選手(広島):
「スコアが4-1といういことで、ほぼゲームが決まった中で出たので、個人的にはアピールしないといけなかった。チームとしてしかりしたスコアで終えることが大事だった。個人的には残り何分かでポゼッションしたけど、シュートが打てるところに飛び込みたかった。チームとしては勝ったのは良かった。でもカウンターを食らって後ろの選手が疲れるといけないとケアしていた。
(監督からの指示?)特にないけど、巻さんと変わってタカさん(高原)の周りを動くように心がけた。タカさんをあんまり走らせずないように、晃樹(水野)と自分、羽生さんで動こうとした。最後にシュートがバーの上を越えた時があって、ああいうのはしっかり決めないといけない。でもセットプレーで点も取れたし、失点はアンラッキーだっただけ。ポゼッションしながら攻撃ができたことはよかった」

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2007年7月15日 (日)

ベトナム戦前日、コメント

オシム監督、遠藤保仁選手

「何も言うことはありません」
Q:先ほどベトナムのリードル監督が、明日の試合ではアタッキングディフェンスをすると言った。日本のカタール、UAE戦を見ると、特にアタッキングなDFはしていなかったように思うが、明日はどうか?
(オシム監督)「それについて、私は何と言ったらいいでしょうか? ベトナムの監督として最も大事なゲームを前にして、他のどんな言い方ができたのか? 非常に論理的だ。ベトナムにとって明日は歴史的な試合だろう。今まで内容も伴っているし、ホームだし、ベトナムに有利な条件が揃っている。観客も多いし、彼らは気候にも慣れている。明日のゲームは対戦相手に有利な材料が多い。その上でどんなゲームになるのか言い当てるのは難しい。逆にベトナムにも我々という対戦相手がいる。こうなるであろうというつもりはありません」
Q:1位通過してハノイに残ることがどう重要なのか?
(オシム監督)「1位でも2位でも通過することが第一の目標。その上でハノイに残ることがいいのか、場所を変えた方がいいのか。それよりまずは通過することが大事だ。通過した後にさまざまなことを考える。私の国の諺で『まだ生まれていない子うさぎを森の中に探しに行くな』というのがある。まずは突破してからその先のことを考えることになる」
Q:ハノイに残りたいのか?
(オシム監督)「私は観光客ではないので、ハノイに残りたいとかそうでないとかを言うつもりはありません」
Q:遠藤選手に伺いますが、今のチームの雰囲気はどうか? ベトナムについての印象は?
(遠藤)「僕が言うのも何なんですが、2戦目に勝ってチームもさらに一体感が増したし、勝つことのうれしさ、責任の重さを痛感している。チームはいい状態にある。ベトナム代表はサポーターを味方にして勢いのあるチーム。まずは引き分けは考えていない。勝つことだけを考えて多く走り、チャンスを作って、ゴールに結び付けられるようにしたい」
Q:遠藤選手に伺いますが、オシム監督の下でアタッキングフットボールをやってきたが、オシム監督からそういうサッカーを学んだのか? それとももともと日本のスタイルはこういう形なのか?
(遠藤)「監督からは多くのことを学んでいるし、何よりも僕自身がそれを痛感している。もともと運動量が多かったかどうか分からないが、運動量は増えている。走らないとサッカーはできない。走ることは当たり前のことだと思っている」
Q:明日のカタール対UAE戦の得点経過を選手に伝えるのか?
(オシム監督)「目の前の試合に集中することは第一だ。憶測に基づいて考えをめぐらすのは得策ではない。ホーチミンで何が起きたとか知った時はもう手遅れかもしれない。私を含めてスタッフは計算ができる。必要なことはわきまえているつもりだ」
Q:必要なことはわきまえているとおっしゃったが、状況に応じて選手変更もあるということか?
(オシム監督)「そうではありません」
Q:遠藤選手に伺いますが、蒸し暑い中で試合をするのは大変だが、2試合やって体は楽になったか?
(遠藤)「暑さにはほとんど慣れたし、1試合目もきつかったけど、日本にいる時と変わらずやれた。今は普通にやれている。明日は中2日ということで疲れが残るかもしれないが、次に向けての最高のコンディションを作りたい。みんなも元気だし、勝ったことで気持ち的にも楽になったと思う」
Q:高原のコンディションは問題ないのか?
(オシム監督)「代表のチームドクターはこの中にいませんか? それは私の仕事ではない」
Q:問題ないと思っていいのか?
(オシム監督)「高原がいい悪いではなく、私がその担当ではないということだ」
Q:遠藤選手に伺いますが、3年前の優勝の時と比べてチームの雰囲気、チーム完成度などどう違うのか?
(遠藤)「監督もメンバーも違うし分からないけど、今、オシムさんの下でやるようになって1年が経ち、この大会に来ている。チームとしてやりたいこと、やろうとしていることが明確になってきている。選手も理解してきている。最高点を追求しても届かないとは思うけど、今の段階でもいいところに来ている。あとは精度を高めたい。雰囲気も素晴らしい中でやれている。次に勝ってさらにチームの結束力を高めて行きたい」
Q:オシム監督は選手の健康が心配だろうが、我々はイエローカードが心配だが?
(オシム監督)「イエローカード対策班というのがあります。イエローカードをもらった選手は名乗り出るようにと言ってあります」
Q:遠藤選手に伺いますが、オシム監督のキーワードは走るサッカー。言い換えると『走れば、いいサッカーになる』ことをオシムさんから学んだのか?
(遠藤)「僕自身、間違いなく走る距離が増えたし、ビッグチャンスを何度もつかんだ。オシムさんから学んだことはある。でもただ走ればいいわけでもない。走らずに勝てば一番ラク。頭を使って走らなくていいプレーができればそれでいいこともある。状況によって考えながらやっています」
Q:遠藤選手に伺いますが、準々決勝でオーストラリアと対戦する可能性があるが、これについては?
(遠藤)「先のことは考えていないので。オーストラリアが2位で来るかどうかも分からないし、対戦できればうれしいというしかない。僕自身はドイツワールドカップにも出れなかったし、オーストラリア戦も出ていない。やってみたい国の1つではあるが、今はそこまで先のことは考えられない」
Q:ベトナムのパフォーマンスはどうか?
(オシム監督)「何度もお話しているが、どちらのチームが勝つということを前提に話を進めるのはフェアではない。サッカーは何が起こっても不思議ではない。日本が明日負けたらどうするかと聞く人が1人もいないことが不満だ。数学的にはあらゆることが可能。ポジティブなことばかり考えていても仕方ない。あらゆる状況を想定して、オプションを持っていたい。試合のクオリティ以外のさまざまなことに気を使わなければいけない。いい試合をしてもグループリーグ敗退はある。違った角度から考えてもいいのではないか。試合前に情報を得た方が、終わった後にどうしてこうなったのかと疑問を持つよりいい。今の回答に気を悪くされる方がいるかもしれないが、それがサッカーの現実だ」
Q:イエローカード対策班のことだが、今回のレフリーがJリーグなどと違ったジャッジをしていることを選手に伝えたりしないのか?
(オシム監督)「レフリーはアンタッチャブル。選手には何も言っていない。それより自分たちがいい試合をすることが大事。選手は十分クレバーなんで、判定や観客の応援もサッカーを構成する要素だと知っている。起こりえないだろうネガティブなことを伝えて対策を取らせることはしません」
Q:ベトナムが勝つ可能性があると言ったが、日本が勝つ可能性の方が高いと思うのだが、それには同意していただけるのか?
(オシム監督)「確率の問題ですね。予測はしません。そう考える理由が分からない。我々は何をしたらいいか分かっているつもり。それは我々の問題だ。これから余計なことを口走って、ただでさえモチベーションの上がっている相手をさらに勇気付けることは言いたくない。日本が有利だと私は思わない。不必要なことだと思う。計算上、明日勝てなくても1次リーグ突破はできる可能性はある。これも計算だ。カタールが勝たなければだが…。陳腐ですね」
Q:もしも日本がグループリーグで敗退したらどうするのか?
(オシム監督)「それはまた別の話だ。日本サッカー協会に聞いてください」
Q:日本のやりたいサッカーができない状況もありえるが、その時にどうプレーしたらいいのか? 選手たちのやっていることに満足しているのか?
(オシム監督)「満足してはいけないと前にもお話したと思いますが」

●リードル監督&ヌエン・ミン・フォン選手(ベトナム代表):
「みなさん、おはようございます。明日の試合はベトナムサッカー史上、最も難しいゲームだ。このグループBは今、難しい状況にある。今は日本とベトナム、カタールの3チームが準々決勝進出の可能性を残している。残念なことに我々は明日、一番強いチームと対戦しなければならない。とてもタフで難しいゲームになると思う」
Q:ベトナムはこれまでの2試合でいい試合をし、とてもいいスタートを切った。明日は勝ち点3を取りに行くのか? それとも勝ち点1でOKなのか?
(リードル監督)「私は明日のゲームに関して、30%はアタックに行き、70%は守備的に戦うつもりだ。それと多少のカウンターアタックを狙う。しかしそれ以外の特別なことはない。日本はこの大会でベストなサッカーをしている。パスを回し、非常に素早く動いている。この大会では他のチームとサッカーの質が違う。明日は勝ち点3を取りたいが、勝ち点1でも御の字だ」
Q:非常に難しい試合になるが、どこに注意するのか?
(リードル監督)「日本のカタール戦、UAE戦を見たが、日本はアタッキングフットボールをしている。パスを回し、クロスを入れ、能力の高いストライカーに合わせている。特にゴール前の25mにボールが入った時が危険。我々はペナルティボックスに入るパスやクロスをとめることが重要だ。明日の試合はやってみなければ分からない面もあるし、予想がつかない」
Q:GKとDFがケガをしているが?
(リードル監督)「今朝、短い練習をしたが、GKは25分やったところで練習をやめた。まずはドクターに診せ、その状況を見ながら明日どうするか決める。センターバックの選手も離脱した。彼は100%ではプレーできないが、85%の状態ではある。明日はおそらく先発するだろう」
Q:グループBはイエローカードが多いが、準々決勝進出が決まったらどうか?
(リードル監督)「とにかく明日はドロー以上を勝ち取りたい。私が恐れているのは日本が勝った時。UAEには100%の力でプレーしてほしい。我々が準々決勝に進んだらイエローカードは気になるが、いずれにしてもベトナムらしいサッカーをするしかない。明日は満足行く結果を残したい」
Q:ベトナムのスタイルは非常にコレクティブ。特に守備面がそうだが、明日はそれがポイントになるのか?
(リードル監督)「私のスタイルはいつでもアタッキングフットボールだ。しかしアタッキングフットボールは選手や相手による。日本のような相手に3トップ、4トップではのぞめない。しかし明日は大きなチャンスがあると思っている」
Q:キャプテンのフォン選手に伺いますが、日本チームをどう思うか?
(フォン選手)「日本チームはアジア最強。2試合を見てそう思った。明日は自分たちもこれまで2試合のようにベストを尽くしてベトナムのサッカーを見せたい。観客も多いし、明日はベストモチベーションで戦える」
Q:今日は練習場を変えたが?
(リードル監督)「ハノイスタジアムにしたのは非公開練習にしたかったから。ミーディンスタジアムのサブグランドは誰もが見ることができる」
Q:フォン選手に伺いますが、準々決勝に行く自信はあるか?
(フォン選手)「この大会前にベトナムサッカー協会が予想した結果とは違う形になっていると思う。もしも自分たちが決勝トーナメントに進んだら、偉大かつ歴史的な出来事になる。史上初の出来事でもある。我々はベストを尽くしたい」
Q:日本戦はベトナムサッカー史上、最もタフなゲームと言ったが、ベトナムのアドバンテージは何か?
(リードル監督)「日本のプレーヤーは何人かが欧州でプレーしていて疲労があるだろう。こちらは4万3000人のサポーターが応援してくれる中で戦える」
Q:フォン選手に伺いますが、準々決勝に進んでバンコクでタイと戦うことになったらどうですか?
(フォン選手)「その対戦は我々ベトナムの選手が最も期待しているもの。もし当たることになったらベストを尽くしてタイに勝ちたい」

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2007年7月13日 (金)

UAE戦後、いろんなコメント

●オシム監督コメント
――非常に暑い中で、選手のプレーはよくなったか?
一番うれしいことは私だけでなく、選手たちが元気で試合を終えることができたことだ。試合結果よりも、選手・スタッフの誰もが心臓発作を起こさなかった。それほど困難な気象条件だったと思う。
――高原のけがの状況は?
それほど深刻なけがではないと期待している。しかし高原が出られなければ、日本がダメになるということでもない。
――このような条件でエレガントなプレーができたことについては
ゲームを左右したのは、どちらが相手を走らせることができたか、ということだ。結果として、われわれの方がボールをより多く動かして、対戦相手をより走らせて疲れさせることができた。今日の試合は90分どころか、45分でも大変だったと思う。しかしボールは疲れないので、気温には関係なく走らせることができる。結果的にはこちらのペースで試合を運べたし、勝つことができた。しかし、もしUAEが先制していたら、どんな試合になっていたか分からない。その場合、われわれの方が走らされていたかもしれない。
――日本の終盤のパフォーマンスについては

 その時が一番よい試合をしていたかもしれない。論理的ではないが。その時間から試合終了までの間、おそらく日本のボールポゼッションが95パーセントくらいで、UAEはほとんどボールに触れることができなかった、そういう試合展開だったと思う。
――選手交代の目的は?
交代理由は、リードしている状況で、間違いなく試合を無事に終わらせることだった。ある選手には少し休みを与えて、別の選手には代表のレギュラーになるようなアピールのチャンスを与えた。
――高原はゴールへの嗅覚(きゅうかく)が抜群だが、ほかの日本の選手についてはどうか?
彼がドイツでプレーしているのは、それが理由だ。つまり高原がドイツでプレーしているのは偶然ではない、ということだ。
――高原はどこをけがしたのか?
(この後も)プレーができればいいと思う。もし高原が出場できなければ、大きな問題になるだろう。代わりの選手を出場させて、埋め合わせしなければならない。方法はいくらでもある。負傷ではなくて、疲れではないだろうか。疲れてくると、体全体に痛みを感じるものだ。

■高原直泰(フランクフルト)
昨夜は全然寝られずに、体調を崩した。試合前にだいぶよくなったが、試合をやるにつれて悪くなった。無理してプレーするより、フレッシュな選手を入れる方がチームのためだと思ったので、自分で交代を要請した。今はだいぶ落ち着いてきた。次のベトナム戦も、もちろんやるつもりで準備する。休むつもりは全くない。
(2得点について)フィニッシュの場面で、ゴールできる場所にいることが大事。監督からは引かなくていいと指示されていたので、前気味のポジションを取って、タイミングを見てスペースに入りながら動いた。
 勝たなければいけない試合で、勝てたことがよかった。勝たないとチームの雰囲気が上がってこない。結果を出すことで、次に向けて頑張っていこうという、リズムをつかみたかった。こういう大会は、勝ち進めば勝ち進むほど力になる。

■中村俊輔(セルティック)
この大会はオーストラリアも苦しんでいる。ワールドカップで決勝トーナメントに進出した国が1分1敗なんて、やっぱり暑さが影響しているのかもしれない。普通なら動けて技術のあるチームが厳しくなる。それがアジアカップの特徴だし、難しいと思う。
(PKの得点について)3点目を取れば、試合が終わるというのはみんな頭にあった。2点目を取ったら、3点目を取りに行くと。あのときのイエローカードについては、全く分からない。ボールを置いたらイエローをもらった。
(グループリーグ最終戦のベトナム戦は)移動したくないから絶対に勝ちたい(※2位通過だとタイに移動)。でも今日も、後半だけを見たら負けている。失点シーンも人数がそろっていたのにやられた。反省しなければいけない。

■中村憲剛(川崎フロンターレ)
前半にうまく3点取れて、自分たちの狙っていた中東勢の弱点、特にボールウォッチャーになる部分を突くことができた。サイドを崩してのセンタリングなどが、うまくはまった。(第1戦の)カタール戦は追いつかれたので、そうならないように最後までコミュニケーションを取っていこうと話していた。
 自分の役割は、サイドチェンジとボールを回すこと。フリーの選手を簡単に使いながら、前に行くことも仕事だった。2点目の場面は加地君がフリーだった。カタールよりUAEの方が引いてこなかったので、入れやすかった。(3点目のPKにつながったパスは、)ヤット(遠藤)さんの声が聞こえたので、あの場面ではシュートを選択せずに出した。

■川口能活(ジュビロ磐田)
前半、いい形で得点を重ねられた。いい時間帯に先制して、相手が前に出てきたところを、うまく突けた。ただし失点については、3点リードしたところで、気の緩みが出たのかもしれない。ボールを奪われて、1本のパスでシュートまで持っていかれた。その前に体を寄せていかないと。(相手が退場で)1人少ない状況で失点したことは、反省しなければならない。

■鈴木啓太(浦和レッズ)
(足のケガについて)詳しくは分からないが、右足のすねのところ。最初はプレーできていたが、途中で足を着いた瞬間に、できないかなと思った。
 今日は早い時間に点を取れたことで、焦らずに試合を進められた。(グループリーグ最終戦のベトナム戦については)いい準備をしたいし、勝てば1位通過できる。ただ、相手より休みが1日少ないし、厳しくなると思う。今日の失点の場面も自分が絡んでいるので、反省しないといけない。

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2007年7月12日 (木)

アジアカップ:日本 vs UAE試合前日、いろんなコメント

*オシム監督と中澤選手同席で、日本語で会見が行われました。
Q:明日の試合についてお話いただけますか?
(オシム監督)「何も言うことはありません」
Q:UAEの初戦を見てどんな感想を持ったか? 危険を感じたか?
(オシム監督)「危ないチームだと思う。危ないというのは危険であるという意味。UAEの側から見ればそうだが、それだけではない。危険という意味はUAEが危険であるという意味とともに、日本チームが危険な状況に置かれているということだ」
Q:日本が負けることを受け入れられるか?
(オシム監督)「負けても仕方がないという気持ちでやっていたら、私はこのような仕事には就いていない。もちろんサッカーは負けることと勝つことがつきまとう。フランスに諺があるが、負けるにしてもどう負けるかが重要だ」
Q:中澤選手に質問だが、日本はカタール戦で1-1の引き分けだったが、強さを取り戻すことはできるか? 次の試合では日本を強く見せられるか?
(中澤選手)「選手がやるべきことはしっかりとコンディションを整え、相手の分析をすること。しっかり練習をすることだけなんで、強く見せるとかそういうことは監督に聞いてください」
Q:先ほどUAEより日本は危険な状態にあるとおっしゃいましたが、どういう意味ですか?
(オシム監督)「先ほどの答えはそういう意味で言ったのではありません。まず1つとして初戦の戦い方がある。ベトナム戦のUAEよりははるかにいいサッカーをしたと思う。危険であると言うのは、そういう試合の中でもっといい内容・結果であるべきなのに、それが果たせなかったということ。UAEの方がもっと改善する余地が多く残されている」
Q:UAE戦はアジアタイトルを獲るためにとても重要で、オシム監督自身にとってもそうだが、この試合の重要性をどう考えているか?
(オシム監督)「私のキャリアについては気にしていません。日本代表監督の仕事として? それは関係ないと申し上げている。私が唯一の日本代表監督ではない。あなたはどうしてそのようなことに関心をもたれるのか? 私はプレミアの監督でもないし、イングランドに住んでいるわけでもない。日本のサッカーがもっとよくなるように援助をしているだけです」
Q:日本サッカーは改善が必要とおっしゃったが、気象条件についてはどうか?
(オシム監督)「これまで何があったか、今まで何をしてきたか、どうだったかという話はあまりするつもりはない。あなたがサッカーの専門家であれば、約束などできないことが分かるでしょう。日本が3大会連続で優勝することが決まっているのなら、他の国が出る意味などない。私がここにいるのは、2回優勝した後を受けてのこと。私が勝っても面白くないということはないが、それが最優先課題ではない。もっと重要なことはワールドカップ予選だ。そのための若返りが私に課せられた仕事。3年後にもっと強いチームを作ることが大事なんです。アジアカップも大変重要なステップ。気候や困難な面もあるが、それが日本サッカーの最重要課題ではない。私に代表監督を要請する際、3大会連続アジアカップタイトルを獲らなければいけないという条件があったのなら、私はサインをしなかったでしょう」
Q:中澤選手に伺いますが、世界のあらゆる国と試合をされた経験があるあなたにとってはアジアのサッカーは大したことはないという感想を持っているのではないか?
(中澤選手)「アジアだからといって、僕自身はプレーするのに手を抜いているわけじゃない。カタールのセバスティアンのような新しい選手も次々と出てくるし、そういう相手と戦うのは楽しみ。いろんな選手と戦えるのがいい経験になる。だからアジアがどうのこうのということはありません」
Q:先ほどの危険という話の意味は、初戦でいいプレーをすると、その先の進歩が難しいという意味でしょうが、連携面の手ごたえはどうですか?
(オシム監督)「結果と内容の違いという意味では、どんないい内容でも負けは負け、勝ちは勝ちだ。ロマンティシズム、つまり美のために死を選ぶというのは過去の話。結果は日本対カタールが1ー1だった。日本は確かに勝利に近かった。、美しいサッカーをしたのも日本だったが、結果でその全てが忘れられる。1-1。それが今のサッカー界の真実だ。それ以上申し上げることはない」
Q:中澤選手にお伺いしますが、一度代表を引退しカムバックしたわけですが、この大会ではオーストラリアと準々決勝で対戦するチャンスがあります。それをドイツワールドカップのリベンジの場ととらえているのか?
(中澤選手)「オーストラリアにワールドカップで負けたことは今でも忘れてはいないが、そのリベンジはまだ考えていない。まずは予選リーグをしっかり突破すること。それで対戦相手がオーストラリアになった時、いろんな感情が出てくるのかと思います」
Q:昨日の練習ではゴール前の連携に時間をかけていたが、次のゲームではより積極的にゴールを狙う姿勢を打ち出すのか?
(オシム監督)「サッカーはそんなに単純ではなく、見かけよりずっと難しい。同じ練習を見て、ディフェンス陣が失点しないための練習だと言ったらどうなりますか?」
Q:中澤選手に伺いますが、明日の試合へのプレッシャーはないか?
(中澤選手)「どんな試合でもマスコミの方はいろんな記事を書かれるので、プレッシャーはあります。でも自分のプレーには影響しない。特別に臆することもなくプレーしたい、過度なプレッシャーは感じていません」
Q:中澤選手に伺いますが、こちらにきて1週間だが、単調な生活に飽きているのか? それともフレッシュな状態か? 食事はおいしく食べているのか?
(中澤選手)「食事は特別おいしくないものも出ていないし、毎食おいしくいただいている。練習も毎日違うし、僕は代表に入って日が浅いのでまだまだフレッシュ。新しい監督になってから試合も少なく1つ1つやっている段階。マンネリ化することは1週間くらいではありません」
Q:ガルフカップを視察に来たが、イスマイル・マタルの研究のためか? 彼を危険だと思うか?
(オシム監督)「個人的に知り合いではないので、どんな人間か分からない。どんな選手かには興味はあるが。しかしそういう質問はよくない。UAEはマタルだけでやっているわけではないし、他の人も、素晴らしい監督もいる。マタル1人と戦うわけではない」
Q:UAE戦は大事なゲームになるが、明日に向けての決意は?
(オシム監督)「NHKの方ですか? であれば、会見の後、こっそりお話します。ひょっとすると少し長くかかるかもしれませんが」
Q:中澤選手に伺いますが、メツ監督が「日本はうまく試合を殺すことができない」と話していました。それについてどうか?
(中澤選手)「殺すという表現は難しいが、カタール戦は残り5~10分の日本の戦い方にはまずい部分があった。今の日本代表はそういうミスをしてはいけない。同じミスを繰り返していたら先は見えてこない。選手全員で話し合ってやっていければと思う」
Q:ジーコが「日本の選手に1つ以上のオプションを与えるのは好ましくない、1つのオプションだけ与えてその通りやらせるべきだ」と話していたが、それについてはどうか?(*ジーコ前監督は6月5~6日にドバイで行われたドバイ・スポーツ・カウンシル主催のフットボールカンファレンスでそう話したという)
(オシム監督)「ジーコがそんなことを言ったかどうか、私は知りません。だから本当に言ったとしたらという仮定の質問になる。ジーコは現役時代から優秀な選手で、今も優秀な監督として有名だ。彼がそんなことを言ったとは信じられない。新聞記者の誤解ではないかと思う。ジーコはそういう言葉で日本を褒めたのではないか。日本のサッカーはさまざまなオプションやアイディアがあり、これからもっとよくなる。経済や社会と同じようにもっとサッカーも成長する。自由なアイディアや即興性は伸びていくだろう。もう少し日本のサッカーに期待してもいいですよ」

※会見は英語で行われたため、以下はコメント要旨になります。ご了承ください。
●ブルーノ・メツ監督(UAE代表)
「明日の試合はベストを尽くし、勝点3を取りたい。我々は何でもできる。いい結果を出して日本から大きなポイント取りたい」
Q:日本とは6年前、あなたがセネガル代表監督だった時に対戦しているが、その後、グローバルな視点でその進化をどう思うか?
「最初に5年前と今とは違う。UAEの監督も変わり、私が今はUAEの代表監督を務めている。日本はその後、ジーコ監督から今はオシム監督になり、代表チームは成長している。今大会の初戦ではカタールとドローだったが、いい内容の試合をしたと思うし、実力があるチームだと思う」
Q:UAEがベトナムに敗れたことは大きなサプライズだったが?
「サッカーは試合前にうんぬんすることはできない。我々は若いチームで経験が少ない。スタジアムも満員になり、ベトナムには有利だったし、我々にはプレッシャーもあった。サウジアラビアと韓国も1ー1だったし、サッカーは時々驚きが起きる。試合前には予想はできない。2002年日韓ワールドカップでも韓国がそうだった。彼らはスペインを破り、イタリアに勝って勝ち進んだ。強いチームでもそういうことが起きるのだ。小さなミスでゲームは変わってしまう。この前の我々もそうだった。次の日本戦ではいいアクションをしたい。日本はこの大会でベストチーム。いいクオリティを持っているし、いい選手もいる。最初の試合で敗れて、選手たちは驚いているが、何とか流れを変えてグループリーグを突破したいと思う」
Q:あなたとオシム監督はパランシエンヌ時代のチームメートだったが、オシム監督との思い出は?
「オシムさんはビッグプレーヤーで、私にはファンタスティックな印象だった。明日はそういう関係抜きにして戦う。サッカーはサッカーだ。オシムさんは本当にファンタスティックな選手で、コーチでもある。私は彼にとってはいつも若造だと思う」

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2007年7月 9日 (月)

カタール戦後 いろんなコメント

※会見は英語で行われたため、以下はコメント要旨になります。
●オシム監督(日本代表)
Q:敗戦のショックはあるか?
「ここに来て、それほどショックはない。敗戦はフットボールの要素である。今日の結果がグループリーグの終わりを意味するものではない」
Q:次の試合に向けては?
「問題はここの気候だ。今日は気温が下がったが、難しい気候が蒸し返さなければいいが。次の対戦相手であるUAEの方がカタール戦よりもよく戦えるだろう。が、UAEの方がここの気候をよく知っている。今日の試合とは戦い方が異なるだろう」
Q:今日の日本選手のパフォーマンスをどう考えるか?
「正直、選手のパフォーマンスは驚いている。驚くべきことに選手たちはフットボールをしていた。しかしこれは我々の問題だが、選手たちは美しいことを効果的な結果に結び付けるところまでのレベルに達していなかった」
Q:大会前の準備期間の短さと今日のパフォーマンスについては?
「大会が終わるまで待てば分かることだ」
Q:ベトナムが初戦で勝利したことについては?
「いい点が3つある。彼らはよいプレー、よい走りをしたこと。そしてチームとして何をすべきか理解していることだ。彼らはグループリーグ突破への特別なモチベーションを持っている。ベトナムが勝点3を挙げたことはシリアスに考えている。我々はチャレンジャーだが、ベトナムもまたチャレンジャーだ」
Q:今日の試合をどう評価するか?
「我々のサッカーはつねにに変化する。今日のゲームは終わった。今日勝つよりも引き分けたことが次につながるかもしれない。今日のことよりも次のことを考えなければならない」
Q:先ほど「日本がまだ、美しいことを効果的な結果に結び付けるところまでのレベルに達していなかった」と言っていたが、メンタリティーの問題か、それともテクニックの問題か?
「たくさんの理由がある。メンタリティーとテクニックの2つしか理由がなければ、ことは簡単だ」

※以下は、テレビのインタビューより
「勝点6でもおかしくない内容の試合だった。自己不注意の結果、こうなった。最後の仕上げができなかった。いいところまで仕事をしていながら、いちばん大事な仕上げができなかった。日本のサッカーは強い。力をつけてきている。ただし、こういうところでチャンスを決められないのは、直さないといけない」

■中村俊輔(セルティック)
オシム監督からは「アマチュアじゃないんだから、最後はきっちりと抑えろ」と言われた。今日は6-1くらいのゲームなのに、1-1という結果に終わった。点を決めなければいけないところで決められずに、与えてはいけないところでファウルしてしまった。前回のアジアカップと比べて、カタールはそれほど弱くなかったけれど、そういう相手にボールを回せた。相手ボールになってもすぐにチェックに行くこともできた。あと少しのプラスアルファがあればいい。例えば、誰かがスペースへのランニングを増やしたりとか。
オシム監督は「積み木を積んでいって、最後になって倒れた」と、最後は締めないといけないと言った。「俺は死ぬ気で試合に臨んでいるから、お前たちも同じ気持ちで行け」と。最後はだんだん熱くなって、顔も真っ赤になって、通訳も訳していなかった。

■高原直泰(フランクフルト)
前半から相手が引いてきた。途中まで崩せても、最後の精度が不正確だった。ただしサイドは崩せていたので、後半も続けていくことが大事だった。得点シーンはようやくラストパスが合った。だけど、もっと試合を決めるゴールを奪わないといけない。1点を取って相手が前に来たのに、そこをうまく利用できずに、逆にこちらが引いてしまった。
とにかく、勝ち点1という結果が出てしまったのだから、次の試合は勝ち点3が取れるようにいくしかない。これだけ引かれる中で、どう崩すか。そして1点をリードした後に、どういうゲームをするか。今日は中途半端な形になった。失点のFKにつながったファウルだけじゃなくて、その前からすべて連動していた。

■川口能活(ジュビロ磐田)
FKは壁の中の敵に当たって入った。相手にいいキッカーがいることは知っていたし、ファウルを与えてはいけないことも分かっていた。(試合終了間際の失点は)これが国際試合の怖さ。まだそれを知らない選手もいる。もっと修羅場をくぐらなければいけない。
(主審の判定に関しては)結構適当なジャッジが多い。でも、そんなことにいら立っていては、自分たちのプレーができない。ファウルをせずに止められるようにしなければならない。

■中澤佑二(横浜F・マリノス)
(次の試合に向けて)同じこと(試合終盤での失点)は繰り返さないようにしなければならない。あとは決めるところをしっかり決める。こういう国際大会では、そう何度もチャンスを作ることはできない。少ないチャンスの中で、いかに得点を決められるかが、勝ち抜いていく鍵になる。

■加地亮(ガンバ大阪)
何もかも失ったわけではない。やっているサッカーはこのまま続けていけばいい。最後の締めのところを注意して、次からは同じことを繰り返さないようにしたい。アジアのチームは引いているだけで、ゴール前だけ守っていればいいというやり方で来る。それに対して決められるか、決められないかがずっと続いている。
(失点は)勝てるという気持ちの余裕から出たミス。集中力が欠けていた。だからFKから失点した。そこはもうひと踏ん張りしないといけない。
 結果は1-1だが、やっているサッカーは悪くない。次の試合に勝てば、流れは変わる。

●今野泰幸選手(F東京)
「相手の出方がちょっと違った。2番(MF Mesaad Al Hamad)が予想以上に引いてきたし、そんなに前にも来なかった。やる前から守備もそんなにうまくないと分かっていたから、チャンスがあれば出て行こうと思った。こういう国際大会は久しぶりで、プレッシャーもかなり感じながらやった。左からの攻めに関しては、走ればいいパスが出てくる。相手の守りも出てこないし、結構前へ行けたと思う。
得点場面も前半から狙っていた。相手は裏に弱いし、そこを突いていけばいいと。最初はちょっと躊躇したけど、粘って走った。点を取りたいと思ったし、取れたことがうれしかった。その後? 相手も来たけど、こっちも惜しいところまでは行っていた。もう1点取れればいいと思ったんだけど…」

●山岸智選手(千葉)
「得点シーンはいい形だったと思う。僕らはどちらかというと、中盤でもFWでも自由にやっていた。気候の面は少しずつ慣れてきている。あと2試合走って戦わないといけないし、チーム全体としてやっていかないといけない。
タカさん(高原)がボールを受けに行って、俊さん(中村俊輔)が持った時、自分はいい動き出しをしようと思ったけど、前半は裏にスペースが少なくて難しかった。後半になって今ちゃん(今野)からタカさんに来て、自分といういいチャンスがあったけど、シュートを外してしまった。最後のシーンのところを落ち着いてやらないと。それは課題です」

●鈴木啓太選手(浦和)
「前半は上がらなかったのは、僕自身が上がっても、ボールを取られてカウンターになるだけだと感じたんで上がらなかっただけ。相手は引いてカウンターを狙うスタイルで来た。こっちのいいところを消してくる形。
予想と違ったかどうかは、そういう話をしても意味がない。相手が実際そうやってきたわけだし、予想は当たるとも限らない。早く相手の動きを見て対処していくことが大事だと思った。
今日は入り方も問題なかったし、決定的場面も作っていた。だからこそ勝たなきゃいけない試合だった。このゲームについてはよく考えていけないといけないけど、グループリーグはまだ2試合ある。前を向いて次に行かないといけない」

●中村憲剛選手(川崎F)
「相手は予想以上に引いてきた。芝のせいでタッチ数も増えてボール回しが遅くなった。気温はそんなに感じなかった。慣れたと思う。今ちゃん(今野)に通したパスは、今ちゃんがいい動き出しをしてくれたので、合わせるだけだった。山岸が引っ張ってくれて、前半は崩せそうで崩れなかったところが崩れた」

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2007年7月 8日 (日)

アジアカップ2007、カタール戦前日のオシム監督(日本代表)コメント

*記者会見にはオシム監督と川口能活選手(磐田)が出席。基本的に英語で行われました。下の一問一答の回答は、基本的にオシム監督で、一部だけ川口選手が答えました。

●オシム日本代表監督・川口能活選手(磐田):
(オシム)「私からは何も言うことはありません」
Q:こういった大会の初戦の重要性をどう感じているか?
(オシム)「アジアカップは重要だし、これはアジアでは非常に大きなトーナメント。でも初戦の重要性とは別だ。それと同じ質問を日本人記者にしたいと思う」
Q:カタールチームをどう思うか? ムソビッチ監督はかつて同じチームでプレーした友人だと聞いているが?
(オシム)「ゲームとプライベートとは関係がない。我々はいい友人だが、ゲームには関係ない。私はプレーヤーではないし、長いコメントはない。カタールについては川口に聞いてほしい」
Q:このグループ、トーナメント全体を見て、どこが強いと思うか?
(オシム)「このグループは特徴が非常に異なるチームが揃っている。でも大会全体についてはまだ少しのインフォメーションしかない」
Q:1次リーグを突破できなかったら辞めるのか?
(オシム)「我々のサッカー協会には会長もチームマネージャーもいる。彼らが決めるだろう。これは笑いごとではない。もしも我々が永遠にチャンピオンでい続けるならアジアのサッカーは面白くない。何でそんな挑発的なことを聞くのか。私は本当にこのグループはタフだと思う。しかし私からは何も言わない。あなた方が考えてください」
Q:川口選手に質問だが、アジアチャンピオンを守るというプレッシャーはあるか?
(川口)「我々にはプレッシャーはない。我々は若いチームで、とてもいいトレーニングをしている。いいコンビネーションとチームワークもある。それに我々はチャレンジャーだ。だからプレッシャーはない」
Q:川口選手に質問だが、カタールにどう勝つのか?
(川口)「最初のゲームはとても難しい。ビッグトーナメントの初戦はつねに難しい。しかし我々はメンタル、フィジカル両面の準備をしている。いずれにしてもカタール戦は難しい試合になるだろう」
Q:今回のチームに海外組の数名の選手を呼んでいない理由は?
(オシム)「我々の代表はベストプレーヤーを集めている。これがベストチームだ」
Q:川口選手に質問だが、前回大会を経験して、今回はキャプテンの重責を担うが、それについてはどうか?
(川口)「僕は自分のためにプレーするだけ。特に何も考えていないし、自分にはプレシャーもない」
Q:日本代表のどの部分がよくて、どの部分が不安なのか?
(オシム)「チームというのは1つのチーム。分けることはできない。サッカーは1つの方向に向かっているし、チームとしての1つの固まりだ。選手もオフェンシブ、ディフェンシブとかではなく、何でもできるという考え方がある、それがいつ実現するか分からないが、サッカーはそういう流れになるし、そういう方向に向かっている。日本チームもオフェンシブとか、ディフェンシブとかじゃない。チーム全体で1つである」
Q:川口選手に質問ですが、過去2回のアジアカップを制したが、今回はオーストラリアも参加している。それについては?
(川口)「オーストラリアはいいチーム。今回はとても難しい大会になる。我々は国のためにサッカーをする。今大会は暑さや湿度もあり、プレーするのも難しい気候だ。かなり大変な大会になるだろう」
Q:川口選手に質問だが、UAEについての感想は?
(川口)「UAEは守備が強固なので、ゴールをするのが難しい。でも僕らは多くのゴールを取れると信じている」
Q:川口選手に質問だが、あなたは以前、メディアのインタビューに対し「日本は時々集中力を欠くことがある」とコメントしているが、どういう意味か?
(川口)「覚えていません」
Q:カタール戦に対しての特別な考えはあるか?
(オシム)「全ての次のゲームが私の人生において重要だ。私にとって次のゲームはカタール戦。今の自分にとっては最重要だ。この試合で私は何かしようと試みている。次の試合がイタリア、ブラジル戦であったとして、つねに次のゲームが一番大事だ」
Q:UAEはタイに負け、ガーナに勝つなど、安定性を欠いているように思うが?
(オシム)「全ての大会が難しい。選手次第で良くも悪くもなる。全てのゲームで新しい情報が入ってくる。カタール側も日本についての情報は全て知っている。こちらも今なおカタールの情報を集めようとしている。莫大な情報が集まっているので、それを分析して、明日のゲームをどうするか決める。次の90分にどちらがいいプレーをするか。この1時間半の間に全てが決まる。その以前でも以後でもない」
Q:大会が迫っているが、3連覇へのムードが足りないのではないかと話す選手もいるが、そのあたりについてはどうか?
(これは日本語でまずオシム監督が回答)「私はこれから日本語だけで話したい。日本のジャーナリストは日本の取材をよくしているのだから、日本代表がどんな状況がよく知っている。どんな準備をしたか、いつ到着し、何をしたかを知っているはず。質問自体はいい質問とは言えない。タイトルを守るという質問も分からない。結果はやってみなければ分からない。この質問はとてもデリケートです」
(川口が日本語で回答)「準備期間はベトナムに入ってからも日数が少ないけど、試合が始まる時はアドレナリンが上がるし、モチベーションも高まる。今はしっかりとした準備が大切だ。試合になったら100%の状態でスタートを切ること。その大切さは各自分かっている。試合が始まってからチームとして戦う雰囲気はもっと強くなる」
(ここから英語でオシム監督が追加)「もし失敗した時のことを聞くのは不適切だ。選手のモチベーションを提げることになる。ジャーナリストは我々にプレッシャーをかけている。あなたたちはサッカーのスペシャリストなのだから、これは公平ではない。強い相手が我々の前に立ちはだかっているのだから、そういう質問をすると相手が日本はうまくいっていないと考える。つねに対戦相手は強いモチベーションを持っているのに、それをさらに高めるようなことをする理由がどこにあるのか」

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2007年6月27日 (水)

6/27練習後のオシム監督コメント

●オシム監督
Q:アジアカップへの準備期間が短いが、選手はキャンプは濃密だったと言っていたが?
「どういう意味ですか?」
Q:内容が濃いということです。
「特別なことはやっていない。現在リーグ戦をやっていて、本番に向けても現地入りして3~4日しかない。しかも相手は日本を倒そうとモチベーションを高めているチームばかりだ。いいプレーをしようという気持ちだけでは不十分。プレーとパワーをより高いレベルにしないといけない。やりたい気持ちを持つことがもちろん大切だが、疲れているとパワーが低下する。しかしそういう中でもアピールしようという選手が何人かいた。その気持ちも分かる。日本代表の一員になるというのは、大きな誇りだと思う。その気持ちは、非常に大事。大切にしてほしい。
でも、気持ちだけでなく体のコンディションも上げないといけない。そこに、テクニック・戦術が上積みされる。相手との力は接近している。誰もが優勝候補と言われることを嫌がっている。トランプのババを引くという意味と同じだが、熱い栗を手のひらに乗せられるという感じがする。日本は2連覇しているから仕方がないが、優勝候補と見られるのは気持ちがよくない。相手はチャレンジャー精神で向かってくる。それを逃れることはできないが、日本選手の構成を見ていると、2大会の経験者は少数派だ。経験が多いとは言えないが、才能ある選手を選んでいるつもりだ。この機会を生かして日本がいいチームになれればいい。そのためにアジアカップを役立てられてばいい。いずれにしても勝つのは簡単ではない」
Q:メンバー選考にあたり、選手の状態をご自身の目で見ることができたが?
「明日のスポーツ新聞を全紙買おうと思う。23人の予想メンバーが載っているだろうから」
Q:闘莉王(浦和)と水本(千葉)が離脱したが?
「どんな選手であれ、その人がいなければチームが成り立たないということはない。2人がいちばん残念がっていると思うが、2人がいればもっと競争は激しいものになっただろう。日本代表は2人が欠けたから崩壊するチームではない。彼らに代わる選手が注目を集めることになると思う。サッカーとはそういうスポーツ。いない人ではなく、いる人を見ないといけない。そうすればもっといいチームになる」
Q:今回はミーティングを重ねたようだが?
「私はそういう集まりをミーティングとは呼ばない。別の種類のもの。コーヒーを飲みながらおしゃべりをしただけだ。同じテーブルでコーヒーを飲みながら気さくな話をしただけだ」
Q:気さくな話を、選手はよかったと言っていたが?
「おしゃべりが役に立ったということですか? 選手の間でもっとおしゃべりできればいいのだが。監督やコーチが話していることを聞いているだけなのはよくない。私は彼らのほうから話しかけてくれるのを待っている。その状況ができれば、もっと早くお互いの理解が得られると思う。1つのベルを鳴らすより、多くのベルを鳴らしたほうがもっと理解し合えるということだ」

以上、記者会見コメントです。以下は、メディアが監督を囲んでの非公式コメントになります。
Q:合宿を経て最終メンバーの23名を決めるが、特に何を見たのか?
「そんな質問をしても手遅れです。そんなことは重要ではない。これまでの総合的な要素です。週末(6/30、7/1)にJリーグが1節残っているが、大きな比重ではない。選手が負傷しないかどうかを心配するだけだ。ギリギリになって23人をどう選ぶかと考えていたら、私は代表監督の仕事をしていないことになる。
個人的に見ていちばんの問題は、23人選ぶにあたって誰かを外さなければいけないこと。そういう選手に対して非常に複雑な思いを感じる。今回はトレーニング外の生活態度もよかったのに、外されたことが一生あとを引くということもあり得る。誰を選んでも不満が出るだろうが、私はできるだけフェアに選びたい。アジアカップ以降の将来性も考慮する。だからといって、全員をU22日本代表の選手に入れ替えるということではない。若ければいいということでもないのだ。20代中盤の成熟した選手を中心にしてチームを作りたい。ベテランと呼ばれるべき年を取った選手はいない。その言葉は嫌いなので使わない。ベテランというのは戦争から帰ってきた兵隊のこと。経験のある選手という呼び方が相応しい」
Q:相手国が予想したメンバーと違ってきているのか?
「情報は常に入れています。しかし、今は初戦のカタール対策に集中すべき。カタールと最初に対戦するのだから、2戦目以降の情報を集めるのはカタールに対して失礼だ。当面の敵を倒すことがいちばん大事なことだ。世界のどんな相手でも、次の相手を研究することが大切」
Q:中東勢は、堅守からカウンターという特徴を持っているが?
「そういう武器のない国はありません」
Q:この前の会見で「タイトルを取れない1000の理由がある」と言っていたが、合宿を経てその理由は減ったか?
「たくさんのネガティブな要因を挙げたらキリがないということ。条件は条件だ。客観的条件には変えられるものとそうでないものがある。少し辛抱していれば何が条件かが分かると思う」
Q:中村俊輔(セルティック)と遠藤(G大阪)にリーダー的存在になってほしいとの期待を口にしたそうだが?
「私の覚えている限りでは、リーダーという言葉は使っていない。選手がそう思い込んでいるなら別ですが…。みなさん、選手をスパイとして雇っているんじゃないですか?」
Q:闘莉王(浦和)と水本(千葉)を23人に入れるかどうかの判断は、30日まで待つつもりか?
「その質問には、もう答えました。アジアカップは彼らにはチャンスがないということ。また4年後にアジアカップはあるし、3年後にはワールドカップもある。ケガが治った後で、またチャレンジしてほしいと思っている」

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2007年6月18日 (月)

日本代表予備登録メンバー発表 オシム監督会見AFCアジアカップ 2007

2007年06月18日
田嶋幸三(財団法人日本サッカー協会 専務理事)
イビチャ・オシム(日本代表チーム 監督)

田嶋 いよいよベトナム、インドネシア、マレーシア、タイで行われるアジアカップが始まります。それに向けたメンバーの発表を今日はさせていただきますが、まずはみなさんに報告があります。当初23名を登録して、補欠リスト7名というルールでしたが、先週の金曜日、6月15日にAFC(アジアサッカー連盟)の方からトータル30名を出してほしいと言ってきました。ですから今日は30名を発表することになります。

GK:
川口能活(磐田)、楢崎正剛(名古屋)、西部洋平(清水)、川島永嗣(川崎)
DF:
中澤佑二(横浜FM)、坪井慶介(浦和)、加地亮(G大阪)、田中マルクス闘莉王(浦和)、駒野友一(広島)、水本裕貴(千葉)
MF:
中村俊輔(セルティック/スコットランド)、橋本英郎(G大阪)、羽生直剛(千葉)、遠藤保仁(G大阪)、中村憲剛(川崎)、鈴木啓太(浦和)、阿部勇樹(浦和)、今野泰幸(FC東京)、山岸智(千葉)、太田吉彰(磐田)、伊野波雅彦(FC東京)、水野晃樹(千葉)、本田圭佑(名古屋)、家長昭博(G大阪)
FW:
高原直泰(フランクフルト/ドイツ)、播戸竜二(G大阪)、巻誠一郎(千葉)、前田遼一(磐田)、佐藤寿人(広島)、矢野貴章(新潟)

――最終的に23人に絞るわけだが、どの時点で選考を行うのか
オシム 新しいAFCのルールでは、7月5日まで期間があるということ。しかし、ハノイ(ベトナム)に何人かを連れていって、そこで帰すことはしない。それよりも前に(選考を)行う。選考は、今行われているJリーグの試合などにもよる。まだ出発前に3試合、Jリーグの試合がある。つまり、そこで負傷する選手が出る可能性もある。それ以外の理由でも当然、30人の中で外れたり、追加されたりするかもしれない。つまり、30人プラスアルファの関係者がいるのが現状だ。
(直前の合宿で選手を絞るのか?)30人のうち誰かが必ず行く、行かないと、2つに分かれてはいるのはよくない。その30人のリストの全員が100パーセント、Jリーグの試合で力を出してほしいと思っている。
――今回の30名を選ぶに当たって、最も悩んだ、難しかった点は?
オシム 一番悩んだのは、まだ時間があるということ。つまり、まだ23人に絞ることができないということがある。時間の猶予を与えられたことがいいのかどうか。サッカーというのはプレーだけのクオリティーだけで決まるものではない。私のように長くサッカーにかかわっていると、プロの選手というのはどういう考え方かと理解することができる。プレーのクオリティー以外の、人間的な要素が関係してくることが分かってくる。そこで一番悩む問題は、どんな名簿を作成しても必ずそこには満足しない、不満を持つ選手、クラブがあるということ。そういうことは付きものだから、この場で謝るつもりはない。名簿に入った、入らないという違いはニュアンスの壁があるから分からない。落ちた選手が気持ちが良くないというのは分かる。名簿に入っているか、入っていないかは大きな違いだ。しかし、それを決めなければいけないのが、私の仕事なのだ。落ちた選手には、「この大会が人生の最後ではない」と言いたい。サッカーのキャリアはまだ続く。来年にはワールドカップ(W杯)の予選が始まる。それまでにアピールするチャンスはある。そうすれば、私が方が間違ってるということを証明するかもしれない。いずれにせよ、メンバーを決めるのが一番難しいことだ。
――ポリバレントな(多様性のある)選手がディフェンスをやるとしても、中盤の選手が非常に多い気がするが、その理由は?
オシム この名簿を見てバランスが取れていると感じていただければうれしいのだが、この中で、スペシャリストとしての選手、そしていくつかのポジションができるポリバレントな選手が混じっている。もちろん、誰がどういうポジションになるか、誰を選ぶかはディスカッションのテーマになる。しかし、ここで全員に納得してもらうにはホワイトボードで説明したり、ビデオでどんなプレーができるか見せなければいけないが、それには時間がない。言えるのは、日本だけで決まったことではない。対戦相手がどんなチームか、どんな場所、グラウンドでプレーするのかを考慮に入れた上でのことだ。
――アジア杯での具体的な目標設定は? アジアカップを通じて、W杯予選、W杯本大会に向けてトライしてみたいことがあるか
オシム 今、あなたがお聞きになったようなことを私も考えている。私にも思想の自由がある。現実問題としては、その2つをどうするか。いずれにせよ、ここにいる皆さんの99.99%が、日本がタイトルを取らなければいけないと感じているかもしれない。しかし、そうであったとしても、なぜ日本が勝つべきなのか、どういう理由があるのか。私の方でも用意がある。つまり、日本がタイトルを取れないであろう1000の理由をここで挙げることもできる。説得力のある客観的な理由を。しかし、ここにいる皆さんは分かっているはずだが、ネガティブな材料はあまり記事にはお書きにならない。ここで客観的な目標設定を挙げても、皆さんに納得してもらうことはできない。監督としての私の考えと、ジャーナリストとしての皆さんの考えは必ずしも一致しないということだ。ただし、力のバランスでは皆さん方の方が優勢だ。私がここでドンキホーテのように言っても仕方ない。しかし、風車を相手に必ず勝つという約束もできない。客観的な条件とはどういうものなのか。ここで客観的な条件を皆さんにこちらから質問しても構わない。つまりどんな条件で戦うか、有利な点、不利な点、何があるか。答えはこんなところでいいですか。それとも皆さんが知っているアジア杯を勝つ条件を説明してくれる人がいますか。
――監督就任直後の会見で、無責任に(W杯での日本代表を)盛り上げていたメディアを批判していたが、今回のアジアカップについては、内容と結果、どちらを重視しているのか?
オシム W杯直後の発言については、今でもそう思っている。日本は身の丈にあった戦いをするべきであって、メディアが作り上げた雰囲気は、対戦国のモチベーションを上げる結果になってしまった。一つの例だが、日本はアジアカップで対戦する(グループリーグ)3カ国(カタール、UAE、ベトナム)の中で、現在もリーグ戦を戦っている唯一の国だ。つまり直前までだ。十分な準備ができない。それが大きなハンディキャップだとは思わないだろうか。あるいは、ほかの対戦国に失礼だとは思わないか。皆さん、いかがだろうか? 内容か結果かで言えば、私は結果を重視する。ただし、それがどんな結果か、ここで保証することはできない。個人的には、もちろん日本サッカー協会にとっても、結果より内容の方が重要で、しかも将来、長く戦えるかどうかを重視しているのだろうと思う。もちろん両方が伴われているのがよりいいのだろう。サッカー協会として、今のアジアカップに何を期待しているのか。残念ながら、そういうことを理解しているジャーナリストが多いとは言えないのが現状ではないだろうか。
――現地の蒸し暑い気候に対して、具体的にどのような対策を考えているのか
オシム 残念ながら、日本にはサッカーができるような巨大なサウナはない。ある条件で準備するしかない。代表キャンプをベトナムでやりたいが、それもできない。今ある条件の中でやるしかない。時間がないし、選手も集まっていないが、最大限の努力をしておきたい。フィジカルについてもそうだが、まずはメンタルの準備をいかにするかが、日本国内でやることだと思う。もちろん、どんな条件でも(いつものプレーが)できることが理想だが、そういうわけにもいかない。アジアの気候については私より、皆さんの方が詳しいだろう。選手によっては、暑さに強い選手、そうでない選手の違いが出てくるだろう。いずれにせよ日本の選手は、多かれ少なかれ、似たような高温多湿でのプレー経験はあるだろう。頭の中にイメージのビデオカセットがすでに入っていて、どういう感じになるか、対策を立てることができるのではないかと期待している。
――中田と稲本を呼んでいない理由は?
オシム 何をお聞きになりたいかは分かる。サッカーの専門ジャーナリストなら頭に答えあるのではないか。しかし、あなたが考える理由と私の考えている理由は、同じではないかもしれない。先日のキリンカップの出来が良かった、悪かったというのが理由ではない。それ以外の別の理由で決めた。一つは、フィジカルコンディションの問題。しかも(稲本の場合)、移籍して新しいクラブに移ったばかりだ。新しいクラブでの責任や課題がたくさんある。もしあなたが、その選手のことについて、よく知っているのであれば、彼が自分で何を話したか、ここで申し上げる必要はないだろう。あなたの通信社で配信された記事だと思うが。もう1人(中田)は、次のシーズンの所属先が決まっていない(編集注:バーゼルとの契約は08年夏まで残っているが、代理人と鹿島が交渉しているとの一部報道がある)。つまり、どこでプレーするかが決まっていない。この秋からの給料をどこからもらうか、決めなければならない。そういう選手を呼んだとして、どんなプレーが期待できるだろうか。そういう選手に対して、代表はポジションを空けて待っているべきなのだろうか。彼の就職活動のために、代表が協力をしようというのなら話は別だが。個人的には探してあげたい。しかし代表監督には、別の仕事での責任がある。この答えで、ご満足いただけただろうか?
――先日、けがから復帰した田中達也について、様子を見るつもりもあるのか?
オシム 「グッドラック」と申し上げたい。私の考えは、このリストに表れている。そして彼には未来がある。今回の名簿には彼の名前がなかったが、1年前の名簿がどうだったか、思い出していただきたい。田中達也は入っていただろう? ただし、そこからけがをして、復帰して1試合良いプレーをしたからといって、それが戻れる理由にはならない。ただし、今後も呼ばないということでもない。田中達也以外の選手について、もっと質問をしたらいかがだろうか?

――田嶋専務理事、先ほどオシム監督が内容と結果について語っていたが、協会としてノルマは考えているか?
田嶋 前回(2004年大会)も今回も(ノルマを)決めたことは一切ございません。

――けがから戻った前田が入ったが、最終的には横浜FC戦で判断したのか?
オシム 前田に関しては、彼以外の選手にはないものを持っている。個人的な考えだが、運動量が非常に多い。ほかの選手が「俺の方が走っている」と怒るかもしれないが、前田はよく走っている。個人技術が優れている。見た目は速くは見えないが、いつの間にか相手の危険な地域にいる。これまでの代表には、不足していたタイプの選手なので注意深く見ていた。前田についてはそういう感想を持っているが、本来は個人の選手の細かいことについて話さなければならないのは、私にとっても選手にとってもよくない場合の方が多い。特に、こちらからマイナス要因を答えなければならないような質問は控えてほしい。市場で、どの野菜が新鮮なのか話しているわけではないのだから。選ばれた選手でも欠点がないわけではないし、選ばれていない選手についても(選ばれた選手とは)わずかな差でしかない。これまでの代表、Jの試合を注意深くフォローしていれば、選考の理由は見当がつくはずだ。それでもご自分で答えが見つからない人は、サッカージャーナリストをお辞めになった方がいいだろう。
――けがした闘莉王が入っているのは、今後の回復を期待してか。それとも、それ以外の要素か?
オシム 代表にもメディカルスタッフがいて、選手の状況についてケアしている。闘莉王はJリーグにとって貴重な選手。皆さんにとっても貴重ではないだろうか。記事を書くネタをいつも提供してくれている。またけがをしたとか、治ったとか。(オシムの携帯の着信音が鳴る)私のことをケアしてくれる人もいる(苦笑)。
――今回のメンバーの中では、川口、中澤、中村俊がアジアカップ連覇を経験している。彼らに期待することは?
オシム 経験が豊富だというのは、2つ意味がある。つまり、2回タイトルを取った経験がポジティブに出るか、もうタイトルはいらないか。若い選手にとっては、よいレクチャーをしてくれたり、模範になることを期待している。アジアチャンピオンとは、どういう存在か。若い選手の模範になること、自分の経験伝えること、その2つの役割がある。「タイトルはもういいんだ」という態度を取るのなら、少し考えを改めてもらわなければばらない。経験のある選手には、チームを引っ張る存在になってもらって、ほかの選手のモチベーションを高いレベルに引き上げ、また、ほかの選手を助ける役割を期待している。彼らにそういう力が残っていればだが。問題は、いいプレーができるかどうか、それが第一だ。
――田嶋専務理事、ノルマは具体的にはないということだが、それは大会前の準備が万全でないことと関係があるのか?
田嶋 いえ、それはいつの大会でも、(ノルマを)何位と決めても内容も関係してくるわけですから、そのこととはまったく関係ありません。

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2007年6月 5日 (火)

コロンビア戦後、いろんな選手のコメント

■中村俊輔(セルティック)
(ピッチコンディションに苦しんでいたが)慣れが必要。前半は芝に突っ掛かった。ドリブルもしづらいし、向こうもしづらそうだった。相手は上のレベルのチームなので、粘り強い気持ちで行くように監督に言われた。激しく行けとも言われた。良かったのは前半の守備。これほど強いチームはガーナ戦以来だと思うけれど、(ビデオで見た)ガーナ戦でもあそこまでは行かなかった。変に飛び込んだりせず、連動して守って、人のために走る。監督もハーフタイムでもっと周りがサポートするようにと言っていた。コロンビアのようなチームとやれてよかった。

■中村憲剛(川崎フロンターレ)
相手は速かったし、前半は特に中盤で押し切られた。最初の15分くらいはプレッシャーが強かった。今日はシンプルなプレーを心掛けた。誰かに当てても正確に返ってくるし、自分が上がっても周りがサポートしてくれるので、どんどん行こうと思った。
 素早い判断が求められた。中盤のプレスは速かったけれど、バイタルエリアに入ればそんなに厳しくはなかった。コロンビアは球際が強く、うまい。後半はちょっと疲れてきて、ラフなプレーも多かった。
(キリンカップについて)普段の練習を意識ながら臨むことができたし、充実した部分もあったけれど、課題もあった。いつものことだけれど、ミスが多い。パスのタイミングとか、走りながらのコントロールとか、まだまだだと思う。
(決定機でシュートを外したことについて)長い距離を走ってからでも冷静に決められないといけない。

■駒野友一(サンフレッチェ広島)
 今日は最終ライン(での仕事)が多かった。13番(マリン)のマークがうまくいかずに不利な場面を迎えたし、マークの受け渡しがうまくいかなかった時間帯もあった。後半は何本か1対1の形が作れた。相手が後半途中から運動量が落ちてきた。それはこっちがワンタッチ、ツータッチと少ないタッチ数でいい形ができたからだと思う。それでも、チャンスは作れたけれど点は取れなかった。
(コロンビアについて)少ないタッチでしっかりつなぐし、個人技もすごかった。(ディフェンスラインが)前半から4枚でいい形になっていると思った。FWの選手が代わっても、3より4の方が2列目の動き出しがいいと思った。自分としては前半はなかなか飛び出して行けなかったが、後半は相手の運動量が落ちたので(前線に)行けた場面もあった。(キリンカップを終えて)長い合宿だったので、ピッチの外でもいろんな選手とコミュニケーションを取ることができた

■遠藤保仁(ガンバ大阪)
前半はなかなかうまくいかず、後半は多少自分たちのプレーができるようになった。(ハーフタイムの指示は)もっとシンプルに、ミスを少なく、ポジションチェンジや運動量を多くするように言われた。
(海外組が入ったことについて)特に(中田)浩二とイナ(稲本)が入って、自分としてもいい刺激を受けた。収穫は、2試合やってみて、やりたいこともできたけれど、課題もあった。アジアカップに向けていい準備ができたと思う。
(1トップは)あまり慣れていないということで難しかったけれど、だんだん感覚が分かってきた。中盤に関しては特にオフェンシブな選手は運動量を求められる。大変だけれど、そこはちゃんとやらないといけない。

■中澤佑二(横浜F・マリノス)
阿部ちゃんと(センターバックを組むのは)は初めてだったので、よく話をした。特に不具合はなかった。
(ディフェンスラインの主導権について)それは誰がというわけではなく、気づいた人が言えばいい。マークのずれとか。とにかく今日は負けなくてよかった。

■今野泰幸(FC東京)
(左サイドのポジションについて)交代は急に言われた。FC東京では1回だけやったことがあるけれど、(オシム監督から)特に指示は何もなかった。プレッシャーもあったし、0-0の場面だったので、行くべきかどうすべきか迷うこともあったが、オシムは僕に攻撃的なものを期待しているわけではないと思ったので、空いているスペースがあったら、そこがチャンスだと思った。
(周囲との連係については)ボールを持てるタイプではないから、誰かにボールを当てて裏に回り込んだり、おとりになるような動きを心掛けた。

●中田浩二選手(FCバーゼル):
「出場時間については、もう少しやる予定だったが、右足首を痛めたので監督が大事を取ってくれということで短くなった。前半に8番が裏に抜けてターンした時にボールを取ろうとしてポイントで引っかかった感じ。まだ痛いけれど、これからのオフでしっかり治したい。正直、勝てる試合だったし勝ちたかった。しかしああいいう相手に点を取られなかったことは良かった。DF面は良かったと思う」
Q:オシム監督からの指示は?
「(今日のシステム?)前線は前線、中盤は中盤、DFはDF同士で話していた。あんまり指示らしい指示はなかったが、自分たちで見ながらという感じ。相手のツートップを僕と駒野で見るようにオシムに言われた。あとは中盤の選手が抜けてきたところをしっかり見ること。中盤は流動的にやっていた。ヤット(遠藤)と俊(中村俊輔)が外に張るだけじゃなかったし。前半はボールキープができなかったけど、そこまで悪くはなかった。コロンビアがいいサッカーをしていて技術も高くて速かった。負けなかったことが自信になるし、キリンカップを1つ取ったことが今後につながる」
Q:オシムジャパン初召集でしたが?
「ある程度はできたと思う。オシムさんのサッカーは凄く新鮮な感じ。こういうの気持ちを90分通して実践できればいいと思う。もうちょいいければよかったけど、もっと連携がよくなればいけると思うし。このチームはみんがよく動くし、技術もしっかりしている。いい選手も多いし、いろんな経験をすればもっと上がっていく。サポーターにはそれなりに成長したところが見せられたと思う。これから続けて行けたらいい。ある程度オシムさんのサッカーは理解できた、それを忘れずにやっていきたい

●稲本潤一選手(フランクフルト):
「いつもと違うサッカーだったけれど、こういうのをしっかり続けて行ければいいと思う。意外なポジションで戸惑う部分もあったし、機能したかというと難しい。これからあのポジションで使われるかもしれないからいい経験にはなったと思うけど。前半はプレッシャーも厳しくて、こっちがボールを取ってからのミスが多かった。強い相手とやることは必要だと思うけどトップ下はプレッシャーがきついし、球際も激しかった。あれだけキープされると体力的にも厳しい。でも最後まで踏ん張り守備は組織的にできた。あのポジションは練習でもやったことがない。フラムの時にやったことがあるんで、スペースを空けて憲剛(中村)や啓太(鈴木)が前を向いてボールをもらえるようにしたかった。でも本当は本来のポジションでやりたかった気持ちはある。中盤に足元でもらうタイプの選手が多くて難しい部分もあった。やりづらさを感じた」
Q:監督からの指示は?
「攻撃に関しては自由に、守備ではボールがボランチと相手のセンターバックに入ったら、しっかりプレスをすることという指示をオシム監督から言われた。こういう組織的なサッカーはやりがいのあるサッカーなので、続けていけたらいいと思う。今日の試合はもう少しゴールに近い位置で絡むことができれば良かった。もっとボールを触る回数を増やしたかった。一年ぶりの代表だったけれどもサポーターの前でプレーできて嬉しかった」

●高原直泰選手(フランクフルト):
「もちろん勝つことが一番だけれども、いい相手と試合が出来たので、良かった。コロンビアは非常にいい対戦相手だった。前半は相手のプレッシャーが激しく、パスミスをして、ボールを簡単に失う場面があった。そういう時にうまく自分たちのプレーをしていけるかが大事。後半はいい感じでできた。後半のような形を前半もできればよかった。アジアカップで優勝すればコンフェデの出場権が取れる。それが大きい。アジアの大会に出ると、ヨーロッパや南米とはまた違ったチームがたくさんある。結構引いてカウンターを狙ってくるし、日本はそういうチームに攻めきれないことが多い。いい経験になるのは間違いない。オーストラリアが入ることは違和感があるけど、より難しくなる。試合に出ていると自分に跳ね返ってくることがある。出て何をするかが大事。今日のコロンビアは後半に入って徐々におちてきた。日本も走る選手が入って少しずつスペースができて、その中に入れるようにはなってきた」
Q:コロンビアの印象は?
「本来の力を出し切れないチームがあるなかで、コロンビアは非常にいい選手が来たし、なかなか経験できない非常にいい試合ができた。前半、上手くいかないことが沢山あって、後半に入って徐々にボールが上手く出るようになった。ハーフタイムを挟んで後半上手くいくようになったのだが、もっと早く修正していければよかった。監督の目指しているところは分かったつもりだが、それを実際にやるには、高度でなかなか難しい。これからチームとして、目指すサッカーに近づいていければと思う」

●鈴木啓太選手(浦和):
「前半の最初に相手がどういう形でやってくるかを予想した。で、実際にゲームをやってみて、ある程度早い段階で誰につくのかというのはできた。途中で8番がサイドに開いた時にどうするかという問題が出て、その解決に少し時間がかかったけど、早く修正できるようにはなってきていると思う。8番がサイドに開いたら誰がマークするのか。浩二(中田)君が、前につられてもいけないし、ボランチのところでケアするのに時間がかかった。少しディフェンスラインと中盤の間にスペースを空けない形で行かないといけなかった。相手も途中から疲れてリアクションサッカーになった。前半に自陣で押し込まれた時に耐えたのが大きい。中盤がボールを取られる場面が何回かあったのが反省すべき点」

●田嶋幸三専務理事:
「ずっとオシム監督がやろうとしていたサッカーが、後半になって見えてきた。前からプレスをかけて、高原が下がったら羽生が上がるといった連動が出てきた。0-0という結果だったが、緊張したいい試合だった。視聴率が低いとか観客(動員)のことも大事だけど、クオリティを上げることがそういうものを上げることにつながる。チームがオシム監督のサッカーになってきたことをうれしく思う。(前半は欧州組4人を出して機能しなかった?)すぐには難しい。いい時も悪い時もある。今後に向けてレベルを底上げしていくことがチームにとっての強味になる。アジアカップに向けては、相手がディフェンシブにくる。中東勢やベトナムはカウンターで来ると思う。どんな状況であれ、勝つことを目指してやってほしい。Jリーグの日程が厳しい中、いい試合をしてくれてスタッフに感謝している」

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コロンビア戦後 オシム監督&コロンビア監督会見2007年06月05日

オシム監督
――初めてタイトルが懸かった大会で優勝だったが、どのような感想か?
タイトルは初めてではない。日本では初めてだが。試合についてだが、印象といっても0-0という結果をどう見るか。もっと良くなる部分、悪かった部分があった。前半は「カミカゼシステム」というべき、危険なやり方だった。それでも部分的には、カミカゼのやり方が有効だと思った。何とかわれわれは、そこから生き残った。
(カミカゼが)どういう意味かというと、スタメンはリスクが大きい顔ぶれだった。それが時間帯によっては、非常に大きな問題を持っていた。特にコロンビア側がアグレッシブに来た時間帯だ。向こうのスタイル、やり方は、日本の何人かは予想できず、不意を突かれた場面があった。こちらにチャンスがなかったわけではないが、向こうのチャンスはこちらから差し上げたものだった。そこを修正しようと思った。後半は明らかに良い内容だった。ボクシングの採点だと、合計では日本が判定勝ちでもおかしくない。前半、向こうがチャンスがあったので失点していたかもしれないが。コロンビアというアグレッシブな、そしてテクニックのあるチームと戦えたことは、よいレッスンになっと思う。戦術の面でも、個人的なスキルの高さでも、(相手は)文句のないチームだった。
いつものように(試合内容が)満足かそうでないかは、詳しく述べない。何しろ私の考えは大事ではないからだ。(ジャーナリストの)皆さん、そしてサポーターの皆さんがどう感じたかだ。よく注意してもらえれば分かることだが、何か発見はあったと思う。それが何かは、私が申し上げるのでなく、皆さんが感じたことを話し合ってほしい。ヒントを付け加えるなら、人もボールも動く時間帯は、非常に美しくエレガントではなかったか、ということだ。
 たまには、私の方から宿題を出したいと思う。こんな答えでよろしいだろうか。
――前半と後半、こういう展開になることを予想していたように思うのだが。例えば個人と組織プレーの違いというようなテーマがあったのでは?
テーマをこちらから申し上げるよりは、ご覧になった感想でよいのでは? サッカーというのは見て分かるものだ。例えば勝ち点1の争いになったとき、アジアカップでもそのような局面があるかもしれないが、今日のような試合であれば、前半10分で誰かを交代させていたと思う。しかし、今日のような性格の試合では、なるべく長いチャンスの時間を(選手に)与えて、プレーを見ようという意図があった。結果として、ああいったプレーが見られたわけだ。選手個々人もそうだが、チームとしての試合の進め方、プレーの切り方や給水の取り方、フィジカル的な準備も含めて、こちらから細かい指示がなくても、選手はもっとサッカーに対して執着してほしい。皆さんはうまい選手がお好きだろうが、たとえうまい選手であっても走らなければ、その選手が走らないことで借金を監督が支払わないといけないことになる。
――カミカゼシステムとおっしゃっていたが、前半はなぜリスク承知で試合に臨んだのか。そしてなぜ後半はそれを修正したのか?
カミカゼシステムが機能していれば代える必要はない。問題は、リスクが大きいかどうかではく、機能していたかどうかだ。機能していないのは、選手が駄目だったという話ではない。原因はもっと単純なことだ。それは全員が、フィジカルコンディションの準備ができていなかったということだ。非常に良いプレーをした選手もいた。これまでのプレーから、(実力が)分かっている選手もいた。それについて、私が何か言うのではないかと皆さんは挑発していたわけだが、その手には乗らない(笑)。誰とは言わないが、フィジカルの準備ができていない選手がいたということだ。ただし、それを直すのは簡単だ

ホルヘ・ルイス・ピント監督

今日の日本の優勝に祝福したい。日本代表はいいチームだと思った。プレーはダイナミックだし、リズムがいい。両チームともチャンスは作ったが、得点には結び付かなかった。それでも双方がダイナミックでいい試合だったと思う。われわれもプレッシャーを掛けたが機能しなかった。後半は失点するリスクもあった。それでも現段階で全力を尽くしたので、幸せな気持ちで帰ることができる。
――今回の代表は松本の試合(モンテネグロ戦)と同じようにチャンスはあったが、FWはゴールできなかった。コパ・アメリカ(南米選手権)が迫ってきているが、どう思うか(外国人記者)
とにかくゴールチャンスは作ったが、決定力が不足していた。ある時間帯でエゴイストなプレーをしてしまった。とにかく攻めていったことはよかった。日本も攻撃的だったので、攻撃的なチーム同士の試合というのは、お客さんにもよかったのではないか
――前半は圧倒していたのに、後半は日本が押し返した。どこに違いがあったのか?
そのとおり、前半はわれわれが主役で選択肢もあった。しかし後半は、自分たちのプレーに日本が反応し、彼らはアグレッシブになった。左右のスペースを空けて戦い、決定的なチャンスも2~3回あった。点にはつながらなかったが。
――日本戦に向けた対策と、そこで見えた日本の強み、弱みは?
ボールを奪って主導権を持つこと、細かいパスをすること、そしてプレッシャーをかけようと指示も出した。だが、それが機能したのは前半だけ。後半は自分たちのエリアでボールを奪われ、カウンターが機能しなかった。日本の印象はダイナミック、戦略的でリズムの均衡を崩すのがうまい。マイナス点は、個人技が発達していなかったことだ。
――中1日の強行で、けが人が出たのか。それから2番(コルドバ)が出なかったのは?
今回は強行日程だった。10番(アンチコ)はメディカルチェックしているところだが、手を骨折したようだ。マリンは筋肉の状態がよくないと聞いている。ほかの選手も疲れていた。2番のコルドバも使う選択肢もあったが、ほかの選手を試してみたかったので、今回は出場させなかった。今回は素晴らしい大会に参加できてうれしい。私は2002年も06年も日本代表を見ていたが、日本は常に前進している。今度はコロンビアで皆さんにお会いしたい。

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2007年6月 4日 (月)

コロンビア戦前日 オシム監督会見2007年06月04日

いつものように質問からどうぞ。
――練習の終わりに選手を集めて話をしていたが
秘密の話ではないが、選手に話したことは、皆さんに話すことではない。後で選手に聞いてみたらどうだろう。皆さんが選手たちに聞くことで、私が話したことを彼らがどういうふうに理解していたかを確かめることができる。(いずれにせよ)難しい話はしていない。
――明日の試合のポイントは?
ポイントはこれだ、と話せれば楽なのだが。しかしコロンビアのようないいサッカーをしてくるチームは、ひとつのポイントを抑えても、別のポイントから攻めてくる。高いクオリティーを持っているチームだが、弱点もあるはず。サッカーはしばしば、長所と思われていた部分が、試合の中では弱点として現れることがある。弱点として現れるなら、それを最大限に活用しようと考えている。弱点を発見できれば、仕事の半分は成し遂げられたと言えるだろう。しかし彼らも、日本の情報を持っているだろう。どんな選手がいて、スタメンはこうだろう、と予想してくると思われる。短所をどうやって長所で補うか。サッカーはそういう意味で人生と似ている。
――具体的にコロンビアの長所とは?
クオリティーという点でいえば、あまり長々と話す必要はないだろう。彼らの7~8人は欧州、メキシコ、そして南米の強豪でプレーしている。そして彼らには、南米に限らず、世界のひのき舞台に戻りたいという意欲が感じられる。欧州でプレーしている選手の数は(今回のメンバー以外にも)日本の倍はいるということだ。クオリティーの高いチームであることははっきりしている。それをどう日本が抑えるかが課題となる。
――アジアカップに向けて欧州組を試す最後の機会となるが、起用のポイントと彼らに期待することは
試すといっても、テストという意味での機会ではないと思う。私にとっても選手にとっても、メディアにとっても気持ちのよくないことではないか。テストというのは、合格する場合もあれば、落第する場合もある。しかも1回のテストで合格しなかったから、すぐ落第というわけでもない。もちろん、選手の特性を見たいという気持ちもある。中にはプレーしないでも分かる選手もいるが、多くはプレーをさせてみないと分からない。今回、20数人招集しているが、全員を出せるわけではない。3人くらい、2試合とも出られない選手が出てくる可能性がある。しかし、そういう選手を含めて、代表チームはできている。試合だけではなく、チームの一部として機能しているかどうかも私は見ている。試合の数が多くて、全員に出場機会があれば、もっとよいのだが。試合もそうだし、それ以外の代表の活動の中でも、選手の能力や個性というものは出てくる。そこで、必ずしも良いプレーをしなくても、必要な選手はいる。つまりプレーそのもの以外でも、重要な要素が存在している。生きたグループとしてのチーム、そういった必要な要素を選手たちは持っているか。サッカーのプレーさえできればいい、という話ではないのだ。

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2007年6月 1日 (金)

モンテネグロ戦後 選手コメント2007年06月01日

■鈴木啓太(浦和レッズ)
体力的に落ちてきた時間帯になると、プレッシャーも落ちて、マイボールの時間が短くなってしまった。後半は縦パスを入れてカウンターを食らうシーンがあったので、あまり急がずにサイドチェンジする形にした。その修正はうまくいったと思う。こちらはホームのゲームをして、相手はアウエーのゲームをした感じ。
 後半から相手の7番(N・ブヨビッチ)が入ってきて、彼へのマークをはっきりさせるまでに時間がかかってしまった。そこで3バックに変えて修正したが、今度は相手が3トップにしてきた。相手もそこは考えているので、難しかった。

■駒野友一(サンフレッチェ広島)
得点シーンはタカ(高原)さんがニアに入ってくるところで(クロスを)上げて、触ればゴールというボールを狙った。そのとおりの形だったので良かった。(低くて速いボールが多かったのは)相手の高さを意識したのもあるし、グラウンドが濡れていたというのもある。前半は(矢野)貴章が相手の裏を狙う動きをしていたので、早めにそこへ合わせようというのもあった。監督のやろうとしているサッカーが、少しずつできるようになってきた。自分は右サイドが本職だと思っているので、そういった意味で今日の試合は個人的にやりやすさはあった。
 システム変更については、監督から言われたのではなく、自分たちでやれたことが収穫。相手の攻撃の枚数によって形を変えることもできた。自分は忙しかったけれど(笑)。システムやポジションの変更は、阿部が言って変えるという形だった。

■矢野貴章(アルビレックス新潟)
高原さんとはお互いが下がり過ぎないことを意識していた。距離感を持ってやるのはできた。(代表戦を経験するようになって)JリーグでやっているDFとは、うまさというか強さが全然違う。このレベルでやっていくには、もっと自分のフィジカルを上げないといけない。それ以外の点でもやらなければいけないことはたくさんあると感じた。ゴール前の入り方ももっと工夫しないといけない。高原さんはボディコンタクトの強さもあるし、1点目のようなニアへ飛び込むスピードもある。せっかく身近にいるので、いろいろと見習いたい。

■橋本英郎(G大阪)
自分が出るのは終了間際だったので、ちょうど(藤本)淳吾と一緒に変わる形になって、彼から『短いし、楽しもうか』と声をかけてもらった。自分は守備重視で入れと(オシム監督から)言われて、淳吾は好きにやってこいと言われていた。(モンテネグロ選手との)ユニホームの交換は、ビチョビチョだった(笑)。交換していいものなのか迷ったが、周りが換えているようだったので、自分も換えた。

●稲本潤一選手(ガラタサライ):
「ずっと準備しながら試合を見ていました。ベンチに入っている限り試合に出るチャンスはなると思っていますから」
Q:オシム監督のサッカーを理解することはできましたか?
「人とボールが動くサッカーですね。中盤がしっかりボールを繋いで、前を向ければチャンスになる。ああいう形をきっちり作っていかなくては。自分が入った時も、1タッチ2タッチでシンプルにボールを繋ぎながら速さを求められると思う」
Q:選手の個性は把握しましたか?
「キャラはだいたいわかってきました(笑)。実戦形式でまだ数回しかやれていないですからんね。これからまだまだ一緒に過ごす時間があるし、明日は大学生との試合もあってゲームができる。コミュニケーションをとりつつ、相互理解をはかっていきたいです」

●遠藤保仁選手(G大阪)
「前半は人も動いていたし、ボールも動いていてよかったと思う。先制点でだいぶ気持ちも楽になったし。(1点目のアシスト?)ショートコーナーだったし、相手が高い分、意表をついてやろうと話していた。(中澤)佑二がよく決めてくれた。チームとしてクイックでやるべきところはやるというのが浸透してきている。それはいい部分だと思う。
(中村憲剛、鈴木啓太との連動性が出てきた?)確かに距離感も切り替えもよかった。これを90分間続けたい。テンポよくボール回しをしてスルーパスを出したりできた。3人同時に出ることがほとんどなかったんでいい機会だった。後半は足が止まってミスが増えてきた。運動量も下がったし、パスのテンポも悪くなった。なかなか自分達のリズムにすることができなかった。そこは課題。相手も前気味に来て、もっと冷静につなぎたかった。シュートも枠に飛んでいない。1人1人の持つ時間も明らかに長かった。それを監督は『個人プレー』と言っているのかもしれない。ワイドにやって冷静につなげればもっと崩せた。ワイドから2点目を取ったようにクロスを上げるのも有効だったのに。考えてやらないといけない。追加点があったから慌てずにはやれました。ミスさえ減らせば、もう少し疲れずにすむと思う。次のゲームではしっかり修正したいですね。キャプテンについては、アップが終わってキックオフのギリギリ前に監督から言われた。(中澤)佑二がやるのかなと思ったんで、びっくりしたけどいい経験。監督は自分か阿部ちゃんかと言ってきたけど、それなら自分がやりますといった。キャプテンをやった記憶はほとんどない」

●中澤佑二選手(横浜FM):
Q:先制点に関しては?
「いいボールといいタイミングでしょう。相手のFWが3枚にしたり、2枚にしたりしたので、こっちもいろいろ模索した。いい実践経験を積めたと思う。自分たちの判断でやった。システムが3~4回は変わったんじゃないかな。僕は初めてだったけど、分かっているメンバーとやるのは大きい。後半の頭に3バックにしたのは、坪井と話して、その後、阿部に行ってみようかと言った」
Q:目標はアジアカップ制覇?
「そこが大事。やるからには目標を高く持つこと。ここをいい形で終わらせることで次もよくなっていく。アジアカップでいい試合をするためにも、今回はモノにしなければいけない2試合だ」

●高原直泰選手(フランクフルト):
「サイドから何度か崩して攻撃をしたけど、最後のラストパスがなかなか合わなかった。それでも点を取ったところはいいタイミングでいけた。ああいうプレーを試合で多くしていくことが大事」
Q:開始10分は厳しかった? 
「相手がどういう感じで来るのかなという様子見はあった。結構引いていたんで、なかなか難しかった。相手の状況を見て引いたりすれば、相手もずれたりしてくる。前半はそれを繰り返せばいいと思った。そして徐々に崩れてきて、ボランチのスペースがあいて、そこから起点を作ることができた」
Q:オシムジャパン2試合目ですが?
「自分のプレースタイルが徐々に浸透していっているのかなと思う。コンビについても多少はできたけど、ボールをつなぐ中で全体をどうしていくかを話していかないと。まだ2試合やっただけだし、よかったとか悪かったとかいえないけど。とりあえず点を取ったし、チームが勝ったんで、結果がよかった。でも勝ったからよかったということでもない。もっとチャンスがあったし、ゴール前に詰め寄った場面もあった。もっといい状態できっちりゴールにつなげられるようにしないといけない。2-0から3-0へと試合を決めるゴールが大事だった。3点目が奪えなかったことが課題」

●中村憲剛選手(川崎F):
「結果については、ホームで勝つことが非常に大事だったんで、相手がどうあれ、2-0で勝ったことは自信になる。前半のモンテネグロが引いてきて、フリーでボールを受けられることが多かった。こから先の仕掛けがうまくいかなかったけど、ダイレクトでポンポンボールを回して崩せればよかった。自分はミスを恐れず、ボールを受けてサイドチェンジとかをやりたかった」
Q:メリハリをつけようとした?
「ダイレクトで前に入ると相手もつかみづらくなる。サポートに入る関係もできて、サイドからも展開できた。2点目はコマ(駒野)がいい上がりをしてくれたんで、クロスもよくて、いい形になった。練習パターン通り。モンテネグロは大きいし、普通にクロスを入れても跳ね返される。速いボールというのは非常に有効だった。後半はハーフタイムにもっとゲームをコントロールするようにと指示されたので、そうするつもりだった。後半の0点はOKじゃないけど、向こうが前がかりだったし。決定的なところを決められればよかった」
Q:個人プレーが出たとオシムさんが言っていたが
「それは自分だと思う。シュートを2本外したし、シンプルに外に出せればよかったから」

●鈴木啓太手(浦和):
「落ちついて後ろでサイドチェンジしつつやっていこうという話をした。少し早くタテパスを入れて、カウンターになった場面があった。でも相手のやり方にはまった面はある。どう修正するかが大事だったけど、修正できたのがよかった」
Q:得点が前半から取れましたね
「前半はこっちがホームで、相手はアウェーで、それぞれがそういう戦いをしてきた。そこでリードできたのは大きかった。後半に入ってああいう展開になるのは仕方ないこと。ハーフタイムの後、3バックに変更したのは、相手の7番が入ってきたから。彼はキープレーヤー。10番と7番をどうマークするかが1つの鍵だった」

●水野晃樹選手(千葉):
Q:時間が短かったですが 
「前よりは長かったし問題ない。出る時の指示はポジションのことだけだった。右サイドに入れと。自分の長所を出していこうと思っていたけど、ボールに触る回数が少なかった。もう少し呼び込めた場面もあり、積極性がかけていたかなと思う。あの時間帯から出たんだからもっと仕掛けていかなければいけなかった」
Q:フォーメーションが変化した?
「自分が入った時は4-4-2で、駒野さんが後ろにいたけど、その後駒野さんが左に行って、その後、3-5-2になった。そしてまた途中から4-4-2になった。選手たちは普段の練習からああいうのはやっているし、おかしくはなかった。途中出場で出た自分とかがもっとアグレッシブにプレーできたらよかったけど、もう少し試合に出た時に仕事をしたかった。あまり納得はいかない。次に出るチャンスがあれば、今日以上のパフォーマンスを出したい」

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モンテネグロ代表フィリポビッチ監督会見

前半、私たちは苦労した。試合をコントロールできなかった。日本の強さが前半に出て、突然2点入った。(こうした展開は)予想していなかった。1点目はわれわれのミスによるものだと思う。1点目が入って、チームのリアクションも遅かった。後半は少し違う感じになった。選手たちにもう少しリスクを冒してもいいと伝え、前半よりいいプレーをしたと思う。こちらがボールを持つ時間が長くなり、得点のチャンスもあった。PKを外したのは残念だ。PKが入っていれば、選手のリアクションはもっとよくなったと思う。選手たちにとっては、今日の試合は非常に大事だと思う。若い選手が多く、今夜の雰囲気のような試合でプレーしたことがなかったからだ。
――突然2点とおっしゃったが、失点することは予想していなかったのか?
守備だけでなく、全体的なチームの集中力が足りなかったと思う。
――試合後、オシム監督と長く話していたが
日本のチームのプレーに対して、私たちは何もできなかった。オシム監督がどういう作戦を立てるのか、われわれには分からなかった。日本の選手たちは運動量が豊富だし、FWだけでなく、サイドの選手も空いているスペースをうまく使っていた。オシム監督が持っている知識、哲学を見せてくれたと思う。彼のサッカー哲学は昔から変わっていない。
――日本チームと選手の印象は?
日本のプレーはビデオで見ていたので、いい守備、得点力があるチームだと予想はしていた。1人だけ選手を挙げることはできない。チームの全体的なつながりが大事だと思う。日本代表にはいい選手がたくさんいると思う。
――PKを蹴らせた選手(ブルザノビッチ)について
彼は(独立後初の国際試合となった)ハンガリー戦でPKを決めているのだが、PKは彼に蹴らせるべきではなかった。私は大声を出したが、聞こえなかった。
――PKは誰に蹴らせたかったのか
彼以外の誰かだ。

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モンテネグロ戦後 オシム監督会見2007年06月01日

質問をどうぞ。
――テレビでのインタビューでは、「いいプレーをする時間帯もあったが、個人プレーに走る、不満がある」とおっしゃっていた。監督の望むサッカーが90分間できていないのか?
 選手たちは、私が何を望んでいるのか完全には理解していないので、常に私が望むようなプレーができているわけではない。しかし、それは偶然の結果ではない。そのためには、細かいことだがたくさんの事柄を修正しなければならない。こういう試合では、良い点もあるが、それについて話すよりは、今後何を修正すべきか、悪かった点を話す方が将来のためになる。そういうことが、たくさんあったから私は満足することができない。例えば個人的な目的によるプレー、ミスをしないように安全策をとったプレー、試合の中で自分だけが目立とうというような個人プレー、さまざまなことがある。もちろんミスはたくさんあったし、ラッキーな面もあった。客観的に見て、モンテネグロにもチャンスがあった。PKもあったが、彼らはそれを得点にはつなげることができなかった。軽率な時間があったことへの罰を、本来ならPKによって与えられるべきだったかもしれない。モンテネグロのPKは、難しいプレーから生まれた。しかしそれについての細かい話は、皆さんにではなく選手に直接話す。そうした問題を除けば、内容は悪くなかった。勝ったという結果どおりの内容だった。
ひとつ気になるのが、終了間際で苦しんだこと。相手は焦らず、落ち着いていた。フレッシュな選手を次々に投入してきた。そして中盤の構成力を高めて勝負をかけてきた。幸い、われわれのゴールの近くではなかったが、彼らが中盤を支配して、1対1の勝負でほとんど向こうが勝っていた。私にとってモンテネグロはなじみのある国だから、モンテネグロという日本人にとって存在していることも知らないような国が、技術の高い選手をそろえているところを目の当たりにできたことは、うれしく思う。彼らはもう少し効率的なプレーができる。気持ちが強すぎたのだと思う。ある程度、時間が経過すれば、何試合か重ねることによって経験も備わって、いいチームになると思う。あらかじめモンテネグロの記者のためにも申し上げておく。
――個人プレーということだが、個人でドリブルで勝負するときは、そうすべきだと思うか?
そうしてもいいのだが、タイミング、時間帯、そして目的がよくなかったのだ。タイミングが選手のプライベートな要因で決められたことがあった。チームとして前進している時間帯に、チームのためでなく個人のためにボールを使う。例えばシュートして得点する、あるいはナイスパスを出す、あるいは競技場の大画面に自分がアップで映りたいとか、あるいは試合後に自分のユニホームを振り回しながら競技場を一周するとか――。それもサッカーの一部ではあるのだが、そういうことはチームのためにならないと選手には伝えてきた。人気取りの競争では、選手の方が私より勝つだろう。日本はスター選手、個人で目立つ選手が人気を集める国だから。しかし、それではサッカーは前進しない。個人プレーをうまくできるのがスター選手。まあ、私も好きなのだが(笑)。しかし、そこで試合に負けて、私のクビが飛んでしまっては、どうしようもない。
――今日のスタメンは望みどおりのものだったのか(モンテネグロ人記者)
何人かの重要な選手を使うことができなかった。1人は左利きの選手、もう1人はモンテネグロの3番(ヨバノビッチ)を抑えられるポジションの選手。それからサイドの選手も、けがのために使うことができなかった。タッチラインを1人でカバーできて、何度も往復できる選手。そういうエネルギーとスピードのある選手が、本来はいるのだが使えなかった。2人の選手を並べなければならなかった。そこでのコンビネーションが、攻撃で良くても守備では駄目、あるいは逆に守備は良くても攻撃は駄目。また、将来的には2ボランチのところを1人で任せたいのだが、そういう選手がいない。つまり守備もできるが、そこから攻撃の起点となるような、クリエーティブなプレーができるような選手を探しているところだ。
――個人プレーについて、今年になって増えたように思うが、それはなぜか?
それは今年になって始まったことではない。そういうことが今後起こらないように、選手には言わないといけない。つまり症状が起こってから治すよりも、予防した方がよい。まだ治療できる範囲だと思うから、口に出して言っている。例えば中村憲剛、彼のようなレベルのクオリティーの選手であれば、ゴールのはるか上にシュートするはずがない。しかもシュートするタイミングの時に、彼の近くにフリーの選手がいたのに、シュートして外した。状況によって違うプレーができるかどうか。例えばモンテネグロの方が1-0でリードしている状況で、同じプレーをするのか。得点を挙げれば、明日の新聞の一面を飾る、あるいはニュースで大きく取り上げる、そういうことが頭にあったのかもしれない。「彼のプレーが試合を決めた」、そういう見出しだ。そういうことで、サッカー選手をやっているのかもしれない。選手の側にそういう野心があれば、皆さんがそれをかき立てるわけだ。だから、それをうまくチームのためにプレーさせるというのは、簡単なことではない。
勝った試合ではあるが、良かったことより悪かったことについて、より費やすことが明日のためになると思う。例えばパスミス、スキルの低さ、パスのタイミングが悪いこと、手間を掛けすぎること、ボールが私物であるかのように長い間キープしようとすること、などなど……。それらを直さないと、もっと良いチームにはならない。「今日は勝った、おめでとう」というのはお世辞にしか聞こえない。別に対戦相手が、私が昔住んでいた国の一部だったから言うのではない。つまりバルカンの習慣だが、相手を褒めて、実は自分を褒めるという表現なのだ。だから、私とこれ以上話しても時間の無駄だ。

――ワンタッチプレーでリズムを作るのが日本の良さだと思うが、それができなかったのはどこに原因があると考えるか?

 それで何が聞きたいのか? 相手がいるのだ。自分たちだけでプレーしているのではない。相手がいる中で、それをやらなければならない。日本は原則として、なるべく早いプレーを心掛けている。これは日本だけではなく、良いサッカーをするチームはプレーが早い。早いサッカーは、私の発明品ではない。単純な、早いプレーを要求しているのは私だけではない。ご覧のとおりのプレーしかできなかった。

――では今日の試合については、相手の守備が良いプレーをさせなかったと考えるのか

 モンテネグロ側のプレーで、それができなかったわけではない。簡単にできた時間帯もあったが、そうではない時間帯もあった。だから問題はより深刻なのだ。選手によって、理解、あるいはスタイルに違いがあるのが問題だった。あるグループの選手は、あまりにも単純なワンタッチのプレーをする。あるグループの選手は、自分本位のプレーをする。3つのグループの選手が混じっていた。それが何分でのどういうプレーだったか、10個以上挙げることはできる。しかし私がここでそれを言うと、選手たちはその記事を読むだろう。勝った試合だから、あまり選手たちのことを悪くは言いたくない。だから負けたときには、もっと率直に言う機会があるかもしれない。勝ったのに水を差すような、今日のような時ではなく、負けるのを待つというか、その時に率直にお話しようと思う。それほど遠い将来ではないと思うが。
――楢崎を使ったが、その評価は? また中村俊輔は埼玉で出られる状態にあるのか?
後の質問から答えよう。出てほしいが、私は医者ではない。きちんと準備ができたときにプレーしてもらいたい。つまり100パーセントの状態でプレーしてほしいのだ。ピッチの上に立つだけでは、彼にとっても、マスコミや観客の皆さんにとっても、よくないと思う。100パーセント、フルに戦う選手を使う。それでも中村俊輔は、非常に優れたスター選手だから、彼がつまらないプレーをするのであっても出場すれば、さらに1万5000人も観客が増えるのであれば、出す価値はあるのかもしれない。政府がそういう政策を取っているなら、それも悪くない。毎日テレビのニュースを見ていると、中村俊輔がひとつのニュースで3点くらい入れるわけだ。私は日本に4年ほど住んでいるが、約1500日、1日に3ゴール見ているとすると、5000点近くのゴールを挙げていることになる。それは、私が生涯見たゴール数よりも多い。そんなにゴールを挙げている選手が、今日の試合に出場していないのか、事情を知らない人は不思議に思うかもしれない。
楢崎については、本当のことを話さないといけないか。私には一緒に仕事をしている、信頼できる協力者がいる。その協力者と一緒に仕事ができるかどうか、意見を受け入れられなかったら、彼が残るか、私が残るか、そういうことも考えないといけない。共有した考えは、川口だけでなく、もう1人守ることのできるGKを探そうではないか、ということだ。つまりそれはアジアカップのためであり、それから日本代表の将来のためである。川口は良いGKだが、永遠に守れるわけではない。川口はレギュラーではないという話ではない。むしろ反対で、川口が使えるのは分かっているから、もう1人オプションが欲しいということ。彼が故障して、グループリーグで出場できなくなったらどうするのか。だから今日は楢崎を試した。川口は次の試合に先発する。GKはエゴイストが多い。自己愛が強い。だから川口がどういうリアクションをするのか観察していたのだが、彼は非常に立派な反応だった。試合前に(モンテネグロ戦のベンチ外を)通告した。試合前に話すことが大事なのだ。試合後だと、出場したGKのプレーによって、言うことが変わるから。
今日の試合だけで判断できるとすれば、川口以外にも信頼できる、経験のあるしっかりしたGKが日本代表に加わったと言えるかもしれない。これに若いGKも加えて、GKのチームを作ることができる。そういう考えで決断して、今日は楢崎を先発させた。負けていれば、考えも変わったかもしれない。だが頻繁に代えるほど、良いGKが見つかるというわけでもない。
――勝利したのだから、少しはにこやかに話してもよいのでは?
(わざと深刻な顔をして見せて、会場が笑いに包まれる)
――水野を入れたときに、相当長い指示をしていた。どういう指示をしたのか
私は水野だけでなく、交代選手にはかなり細かい指示を与えている。個人的に考えるのだが、日本代表のフルメンバーとしては、まだ彼は子供だ。才能には恵まれているし、アイデアも溢れるほどある。ただし、そのアイデアに自分がとらわれてしまう。そこで例え話だが、そこに牛がいる。ミルクが100リットル必要だ。そこで乳搾りをすればいいのに、牛にボールをぶつけてしまう。つまり、そんなことをしてもミルクが得られるわけがない。牛を見つける仕事までして、そこで成果を台無しにしてしまう。彼には、効果的なプレーをしろと。つまりサッカーのプレーをしているというよりも、ボール遊びが好きな選手だから、そういう選手がプロとして、職業としてサッカーをしている選手と混じって出場するわけだ。何に気をつけるべきか、指示したことについては、これ以上話すことはないだろう。彼の才能を、チームのために使わないのはもったいない。それくらいの才能を持っている。ただしその才能が、潜在的な才能で終わってはいけないと思う。
(そろそろ時間ですので、というプレスオフィサーの言葉に)
居眠りされている方もいるのでは? ブラジルに勝ったわけではないのに、こんなに長くしゃべるとは思わなかった(苦笑)。

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2007年5月31日 (木)

モンテネグロ戦、前日練習後のオシム監督(日本代表)コメント

●オシム監督(日本代表)
「私の仕事はおしゃべりではない。トレーニングをすることだ。質問があればみなさんからしてください」
Q:交代枠も多いし、たくさんいる選手を使ってプレーするのか、メンバーを固定して戦うのか? どちらの考えを持っているのか?
「選手交代できる余裕のある試合になるといいが、始まってみないと分からない。理想は先発で出場した選手が90分戦うこと。もし交代が必要なら代えるかもしれない。ゲームの進め方で必要な交代はいいが、サポーターのためやテレビ映り、マスコミ対策の交代はげームを壊しかねない。世界中の監督の中にはこういう親善試合で交代枠を全部使って戦う人もいる。ゲームの流れが悪い時、試合そのもののリズムを壊すために全員一度に代えることもある。それはリードしていて途中から流れが悪くなった時、よくやる手段だ。私の場合はなるべく代えずに先発する人がずっと戦うのがいいと思う。
特に今回は初めて呼んだ選手にチャンスを与えてプレーしてもらういい機会だし、こちらも観察するためのチャンスだ。これまで呼んでいてサッカースタイルが分かっている人は出場しない可能性もある。これまでの日本代表に出続けている選手は、Jリーグの日程も立て込み疲れているので、必ずしも出場させない可能性がある。サッカー界の普通の考えなら、まだ少ししか出ていない人にチャンスを与えるのだろう。が、サッカー界の常識もさまざま。いい試合をするために、その時点でのいい選手を出さないといけないというところに、監督は追い込まれる。コンディションが悪かったり、ケガをしている選手も出さなければいけない。そういう声もよく聞かれる」
Q:稲本(フランクフルト)と中田(バーゼル)は練習をフルにこなしているが、試合で使えそうか?
「先ほど、間接的に申し上げたつもりだ。私の知る限りだと、キリンカップは1試合ではなく2試合ある。明日出すとか出さないとか言って、自分の手を縛るつもりはない」
Q:モンテネグロはFIFAに正式加盟した最初のゲームで、全力でぶつかってくるだろうが、どう戦うのか?
「すぐ後ろの列にモンテネグロのジャーナリストがいる。直接、彼らにお聞きになった方がいいかもしれない。もちろん彼らのモチベーションは高い。そういう質問もしてくるということは片方が新鮮でモチベーションが高く、もう一方はモチベーションが高くないといいたいのですか? そういうことを前提に質問しているのなら、日本代表に問題があるかもしれない。日本の選手もモンテネグロと同じモチベーションで戦うでしょう。日本代表も日本の代表としてプレーするはずだ。モチベーションというのは何パーセントと数字では計れない。数字で計れないほどのスーパーモチベーションということもある。逆にモチベーションが高いけれど、責任感やミスを恐れる気持ちが強すぎてモチベーションを生かせない人もいる。試合中はモチベーションを発揮できないことも起こりえる。一言でモチベーションと言っても複雑だ。しかもモチベーションはつねに永久に続くものではなく消費されるものだ。選手によって、どの試合、どのチームにモチベーションを強く持つかという違いはある。海外から来た人はどうか。日本には彼らより高いモチベーションを持った人はいないのでしょうか? そこで大事になるのが『リ・モチベーション』だ。これは一度下がったモチベーションをもう一度上げるという意味で使うのだが、それをわさわざここで言うことはないでしょう」
Q:モンテネグロをどう評価しているのか?
「対戦が決まる前なら冗談で言えたが、今はそうではない。まずあなた(モンテネグロ人記者)が自分たちのチームを紹介して、それから私に質問した方がいい。私は1試合ビデオを見ただけ。ビデオは参考にはならなかったから教えてほしい。特にあの試合に出ていなかった若い選手のことを。モンテネグロは独立したばかりで、自分たちの存在を世界に知らしめたいだろう。サッカーの代表チームが最高の見本となるのはよく知っている。もちろん多くの選手が欧州の一流クラブでプレーすることも知っている。ただし若い選手がどういうタレントなのか。チャンピオンズリーグや国際試合に出ていればもっと知るチャンスがあるのだが、まずは紹介してほしい」
Q:我々モンテネグロはまだ1試合しかやっていなくて、7回の練習しかしていない。そういうチームが日本と互角に戦えるのか?
「そういう旧ユーゴスラビア風の質問はやめてほしい。7回しか練習していないけど、こちらの方が強いとはっきり言ったらどうですか。特に伝統のあるチームに勝つことは簡単ではないと知っています」
Q:あなたは旧ユーゴスラビアの監督だったが、そのことをどう思っているか?
「私は生き残った。それだけです」
Q:明日はテレビの生中継があるが、日本の選手の発音を練習したいので、スタメンを教えてほしい。
「まずモンテネグロのスタメンを教えてほしい。全員のリストがあるから、それで練習したらどうか。誰をスタメンにするかはコンディションによって考える。例えば稲本(フランクフルト)は昨日到着した。ブンデスリーガ移籍が決まっておめでとうと言いたいが、コンディションのことは別だ。対戦相手の情報もない。何度もビデオを見たが、相手の出方にどう対応するか考えないといけない。
そして得点力をどうするかも悩みどころ。世界中のビッグクラブでもゴールするのはロナウド、シェフチェンコ、ドログバだ。モンテネグロのリストを見てすぐに気づくのは背が高いこと。190cm以上の選手がたくさんいる。だからこちらの条件も高さへの対応に絞られる。これ以上、ディテールに入り込めませんが」

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