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2007年6月18日 (月)

日本代表予備登録メンバー発表 オシム監督会見AFCアジアカップ 2007

2007年06月18日
田嶋幸三(財団法人日本サッカー協会 専務理事)
イビチャ・オシム(日本代表チーム 監督)

田嶋 いよいよベトナム、インドネシア、マレーシア、タイで行われるアジアカップが始まります。それに向けたメンバーの発表を今日はさせていただきますが、まずはみなさんに報告があります。当初23名を登録して、補欠リスト7名というルールでしたが、先週の金曜日、6月15日にAFC(アジアサッカー連盟)の方からトータル30名を出してほしいと言ってきました。ですから今日は30名を発表することになります。

GK:
川口能活(磐田)、楢崎正剛(名古屋)、西部洋平(清水)、川島永嗣(川崎)
DF:
中澤佑二(横浜FM)、坪井慶介(浦和)、加地亮(G大阪)、田中マルクス闘莉王(浦和)、駒野友一(広島)、水本裕貴(千葉)
MF:
中村俊輔(セルティック/スコットランド)、橋本英郎(G大阪)、羽生直剛(千葉)、遠藤保仁(G大阪)、中村憲剛(川崎)、鈴木啓太(浦和)、阿部勇樹(浦和)、今野泰幸(FC東京)、山岸智(千葉)、太田吉彰(磐田)、伊野波雅彦(FC東京)、水野晃樹(千葉)、本田圭佑(名古屋)、家長昭博(G大阪)
FW:
高原直泰(フランクフルト/ドイツ)、播戸竜二(G大阪)、巻誠一郎(千葉)、前田遼一(磐田)、佐藤寿人(広島)、矢野貴章(新潟)

――最終的に23人に絞るわけだが、どの時点で選考を行うのか
オシム 新しいAFCのルールでは、7月5日まで期間があるということ。しかし、ハノイ(ベトナム)に何人かを連れていって、そこで帰すことはしない。それよりも前に(選考を)行う。選考は、今行われているJリーグの試合などにもよる。まだ出発前に3試合、Jリーグの試合がある。つまり、そこで負傷する選手が出る可能性もある。それ以外の理由でも当然、30人の中で外れたり、追加されたりするかもしれない。つまり、30人プラスアルファの関係者がいるのが現状だ。
(直前の合宿で選手を絞るのか?)30人のうち誰かが必ず行く、行かないと、2つに分かれてはいるのはよくない。その30人のリストの全員が100パーセント、Jリーグの試合で力を出してほしいと思っている。
――今回の30名を選ぶに当たって、最も悩んだ、難しかった点は?
オシム 一番悩んだのは、まだ時間があるということ。つまり、まだ23人に絞ることができないということがある。時間の猶予を与えられたことがいいのかどうか。サッカーというのはプレーだけのクオリティーだけで決まるものではない。私のように長くサッカーにかかわっていると、プロの選手というのはどういう考え方かと理解することができる。プレーのクオリティー以外の、人間的な要素が関係してくることが分かってくる。そこで一番悩む問題は、どんな名簿を作成しても必ずそこには満足しない、不満を持つ選手、クラブがあるということ。そういうことは付きものだから、この場で謝るつもりはない。名簿に入った、入らないという違いはニュアンスの壁があるから分からない。落ちた選手が気持ちが良くないというのは分かる。名簿に入っているか、入っていないかは大きな違いだ。しかし、それを決めなければいけないのが、私の仕事なのだ。落ちた選手には、「この大会が人生の最後ではない」と言いたい。サッカーのキャリアはまだ続く。来年にはワールドカップ(W杯)の予選が始まる。それまでにアピールするチャンスはある。そうすれば、私が方が間違ってるということを証明するかもしれない。いずれにせよ、メンバーを決めるのが一番難しいことだ。
――ポリバレントな(多様性のある)選手がディフェンスをやるとしても、中盤の選手が非常に多い気がするが、その理由は?
オシム この名簿を見てバランスが取れていると感じていただければうれしいのだが、この中で、スペシャリストとしての選手、そしていくつかのポジションができるポリバレントな選手が混じっている。もちろん、誰がどういうポジションになるか、誰を選ぶかはディスカッションのテーマになる。しかし、ここで全員に納得してもらうにはホワイトボードで説明したり、ビデオでどんなプレーができるか見せなければいけないが、それには時間がない。言えるのは、日本だけで決まったことではない。対戦相手がどんなチームか、どんな場所、グラウンドでプレーするのかを考慮に入れた上でのことだ。
――アジア杯での具体的な目標設定は? アジアカップを通じて、W杯予選、W杯本大会に向けてトライしてみたいことがあるか
オシム 今、あなたがお聞きになったようなことを私も考えている。私にも思想の自由がある。現実問題としては、その2つをどうするか。いずれにせよ、ここにいる皆さんの99.99%が、日本がタイトルを取らなければいけないと感じているかもしれない。しかし、そうであったとしても、なぜ日本が勝つべきなのか、どういう理由があるのか。私の方でも用意がある。つまり、日本がタイトルを取れないであろう1000の理由をここで挙げることもできる。説得力のある客観的な理由を。しかし、ここにいる皆さんは分かっているはずだが、ネガティブな材料はあまり記事にはお書きにならない。ここで客観的な目標設定を挙げても、皆さんに納得してもらうことはできない。監督としての私の考えと、ジャーナリストとしての皆さんの考えは必ずしも一致しないということだ。ただし、力のバランスでは皆さん方の方が優勢だ。私がここでドンキホーテのように言っても仕方ない。しかし、風車を相手に必ず勝つという約束もできない。客観的な条件とはどういうものなのか。ここで客観的な条件を皆さんにこちらから質問しても構わない。つまりどんな条件で戦うか、有利な点、不利な点、何があるか。答えはこんなところでいいですか。それとも皆さんが知っているアジア杯を勝つ条件を説明してくれる人がいますか。
――監督就任直後の会見で、無責任に(W杯での日本代表を)盛り上げていたメディアを批判していたが、今回のアジアカップについては、内容と結果、どちらを重視しているのか?
オシム W杯直後の発言については、今でもそう思っている。日本は身の丈にあった戦いをするべきであって、メディアが作り上げた雰囲気は、対戦国のモチベーションを上げる結果になってしまった。一つの例だが、日本はアジアカップで対戦する(グループリーグ)3カ国(カタール、UAE、ベトナム)の中で、現在もリーグ戦を戦っている唯一の国だ。つまり直前までだ。十分な準備ができない。それが大きなハンディキャップだとは思わないだろうか。あるいは、ほかの対戦国に失礼だとは思わないか。皆さん、いかがだろうか? 内容か結果かで言えば、私は結果を重視する。ただし、それがどんな結果か、ここで保証することはできない。個人的には、もちろん日本サッカー協会にとっても、結果より内容の方が重要で、しかも将来、長く戦えるかどうかを重視しているのだろうと思う。もちろん両方が伴われているのがよりいいのだろう。サッカー協会として、今のアジアカップに何を期待しているのか。残念ながら、そういうことを理解しているジャーナリストが多いとは言えないのが現状ではないだろうか。
――現地の蒸し暑い気候に対して、具体的にどのような対策を考えているのか
オシム 残念ながら、日本にはサッカーができるような巨大なサウナはない。ある条件で準備するしかない。代表キャンプをベトナムでやりたいが、それもできない。今ある条件の中でやるしかない。時間がないし、選手も集まっていないが、最大限の努力をしておきたい。フィジカルについてもそうだが、まずはメンタルの準備をいかにするかが、日本国内でやることだと思う。もちろん、どんな条件でも(いつものプレーが)できることが理想だが、そういうわけにもいかない。アジアの気候については私より、皆さんの方が詳しいだろう。選手によっては、暑さに強い選手、そうでない選手の違いが出てくるだろう。いずれにせよ日本の選手は、多かれ少なかれ、似たような高温多湿でのプレー経験はあるだろう。頭の中にイメージのビデオカセットがすでに入っていて、どういう感じになるか、対策を立てることができるのではないかと期待している。
――中田と稲本を呼んでいない理由は?
オシム 何をお聞きになりたいかは分かる。サッカーの専門ジャーナリストなら頭に答えあるのではないか。しかし、あなたが考える理由と私の考えている理由は、同じではないかもしれない。先日のキリンカップの出来が良かった、悪かったというのが理由ではない。それ以外の別の理由で決めた。一つは、フィジカルコンディションの問題。しかも(稲本の場合)、移籍して新しいクラブに移ったばかりだ。新しいクラブでの責任や課題がたくさんある。もしあなたが、その選手のことについて、よく知っているのであれば、彼が自分で何を話したか、ここで申し上げる必要はないだろう。あなたの通信社で配信された記事だと思うが。もう1人(中田)は、次のシーズンの所属先が決まっていない(編集注:バーゼルとの契約は08年夏まで残っているが、代理人と鹿島が交渉しているとの一部報道がある)。つまり、どこでプレーするかが決まっていない。この秋からの給料をどこからもらうか、決めなければならない。そういう選手を呼んだとして、どんなプレーが期待できるだろうか。そういう選手に対して、代表はポジションを空けて待っているべきなのだろうか。彼の就職活動のために、代表が協力をしようというのなら話は別だが。個人的には探してあげたい。しかし代表監督には、別の仕事での責任がある。この答えで、ご満足いただけただろうか?
――先日、けがから復帰した田中達也について、様子を見るつもりもあるのか?
オシム 「グッドラック」と申し上げたい。私の考えは、このリストに表れている。そして彼には未来がある。今回の名簿には彼の名前がなかったが、1年前の名簿がどうだったか、思い出していただきたい。田中達也は入っていただろう? ただし、そこからけがをして、復帰して1試合良いプレーをしたからといって、それが戻れる理由にはならない。ただし、今後も呼ばないということでもない。田中達也以外の選手について、もっと質問をしたらいかがだろうか?

――田嶋専務理事、先ほどオシム監督が内容と結果について語っていたが、協会としてノルマは考えているか?
田嶋 前回(2004年大会)も今回も(ノルマを)決めたことは一切ございません。

――けがから戻った前田が入ったが、最終的には横浜FC戦で判断したのか?
オシム 前田に関しては、彼以外の選手にはないものを持っている。個人的な考えだが、運動量が非常に多い。ほかの選手が「俺の方が走っている」と怒るかもしれないが、前田はよく走っている。個人技術が優れている。見た目は速くは見えないが、いつの間にか相手の危険な地域にいる。これまでの代表には、不足していたタイプの選手なので注意深く見ていた。前田についてはそういう感想を持っているが、本来は個人の選手の細かいことについて話さなければならないのは、私にとっても選手にとってもよくない場合の方が多い。特に、こちらからマイナス要因を答えなければならないような質問は控えてほしい。市場で、どの野菜が新鮮なのか話しているわけではないのだから。選ばれた選手でも欠点がないわけではないし、選ばれていない選手についても(選ばれた選手とは)わずかな差でしかない。これまでの代表、Jの試合を注意深くフォローしていれば、選考の理由は見当がつくはずだ。それでもご自分で答えが見つからない人は、サッカージャーナリストをお辞めになった方がいいだろう。
――けがした闘莉王が入っているのは、今後の回復を期待してか。それとも、それ以外の要素か?
オシム 代表にもメディカルスタッフがいて、選手の状況についてケアしている。闘莉王はJリーグにとって貴重な選手。皆さんにとっても貴重ではないだろうか。記事を書くネタをいつも提供してくれている。またけがをしたとか、治ったとか。(オシムの携帯の着信音が鳴る)私のことをケアしてくれる人もいる(苦笑)。
――今回のメンバーの中では、川口、中澤、中村俊がアジアカップ連覇を経験している。彼らに期待することは?
オシム 経験が豊富だというのは、2つ意味がある。つまり、2回タイトルを取った経験がポジティブに出るか、もうタイトルはいらないか。若い選手にとっては、よいレクチャーをしてくれたり、模範になることを期待している。アジアチャンピオンとは、どういう存在か。若い選手の模範になること、自分の経験伝えること、その2つの役割がある。「タイトルはもういいんだ」という態度を取るのなら、少し考えを改めてもらわなければばらない。経験のある選手には、チームを引っ張る存在になってもらって、ほかの選手のモチベーションを高いレベルに引き上げ、また、ほかの選手を助ける役割を期待している。彼らにそういう力が残っていればだが。問題は、いいプレーができるかどうか、それが第一だ。
――田嶋専務理事、ノルマは具体的にはないということだが、それは大会前の準備が万全でないことと関係があるのか?
田嶋 いえ、それはいつの大会でも、(ノルマを)何位と決めても内容も関係してくるわけですから、そのこととはまったく関係ありません。

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